タブネオスにつき、とりあえずアムジェンはどうすれば良かったのか?
こんにちは。いつもの皆さまの記事をお待たせしていますが、もう少し
ANCA関連血管炎患者を対象とした新薬タブネオス(一般名:アバコパン)は、
有効性を示したデータに改竄があったため、唯一の論文が6月29日にNEJMにより撤回されました
その前に、副作用の消失性胆管症候群(VBDS)で死亡例がでていました。
その人数は、FDAの公開サイトで38例、日本人だけで20例以上。
しかし日本人の症例を除くと、消失性胆管症候群(VBDS)の発生率はそう極端に高くありません
乱暴な言葉です。文章にするのも憚られます
日本人は体力のない高齢者が国民皆保険制度によって新薬に容易にアクセスできるという特徴がある
これにより、乱暴に言えば同程度の副作用を発症しても日本人患者は死に至りやすい。医療供給側が副作用に先回りして診療を行い死亡を避けることができると良いかもしれないが
総合判断として、新薬を日本人に販売するのは製薬会社にとってリスクが高い。治験の段階で日本人特有のリスクに気づいてくれると良いが
それでは、VBDS発症機序の推定仮説の中で理解されやすいひとつのルートを説明します
アバコパンは、肝臓の主要な代謝酵素である「CYP3A4」と「CYP3A5」という2つの酵素によって分解(代謝)されます
欧米人の多くはCYP3A4とCYP3A5の両方が活発に働いているため、2つのルートで効率よくアバコパンを分解・排泄できます
日本人の約70〜80%は、遺伝子の突然変異(CYP3A5*3変異型)により、生まれつきCYP3A5の酵素活性を完全に欠損(または著しく低下)しています。このため、日本人の大部分は最初から「CYP3A4」という片方の細いルートだけでアバコパンを必死に分解しなければならないという、代謝上の致命的なハンディキャップを背負っています
さらに、65歳以上の高齢者では、肝臓への血流量の減少や肝細胞の容積減少に伴い、CYP3A4の代謝能力そのものが大幅に低下します。生まれつきCYP3A5が使えない日本人が高齢になると、唯一の頼みの綱であったCYP3A4のパワーも落ちるため、アバコパンを分解する力が限界を迎えます


欧米人はアバコパンをCYP3A4とCTP3A5の2つの酵素で代謝します。ところが日本人の70~80%は遺伝子変異によってCYP3A5酵素を欠損しています。さらに、働いているたった1つの酵素CTP3A4も加齢によって機能低下しています。そのためアバコパンが肝臓で代謝され排出される速度が遅く、排泄される量が少なくなり、毒性が強くでるようになります。消失性胆管症候群(VBDS)の起こる肝臓において、このような背景があるということです


日本人のVBDS発症頻度が高いことから、日本人特有の遺伝的因子(特定のHLAアレルなど)が重症化に関与している可能性を強く疑い、2025年後半より日本の研究チーム(Moriら)が臨床的・遺伝学的なアプローチによる解析を進めていますが、「このHLAを持っていれば確実にVBDSを発症する」という決定的なアレル(遺伝子型)の同定や証明には至っていません
私は、このVBDSの主体はHLAの関与しないアレルギー反応と推測しています
たまに気張った内容をOPENしてみました
アムジェンのみなさま、ご参考にしてください
低フォドマップのアプリをお待ちかねと思いますので、頑張ります
検索アシスタントはGoogle、イラストはGoogle AIのNano Banana 2でした
それではまた
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