石正麗博士のチームが新しいコウモリのウイルスを発見し、人への感染リスクが高いと発表
こんばんは。
「日本のコウモリとウイルス2」の記事は、ウイルスの研究をしているけれど、日本で新しいコウモリウイルスが検出され解析された(2025年6月)と、まだ知らない研究者にぜひ読んで欲しいです
さて、前回の記事が一般の皆様に読まれなかったため、注目を集めるために記事を追加します
写真左は、コロナウイルスの機能獲得研究をしていた石正麗博士です

HKU5-CoV-2
石正麗博士のチームはアブラコウモリ (英名 Japanese pipistrelle, 学名: Pipistrellus abramus) からMERS ウイルスと同じメルベコウイルスに属する新しいHKU5-CoV-2 の単離に成功した
下図はHKU5-CoV-2 全ゲノムの塩基配列を元に計算した系統樹です
MERS ウイルスと同じメルベコウイルスに属します

スパイクタンパク質のみで系統樹を計算すると下図になります
HKU5-CoV-2 は赤、MERS-CoVは紫、SARS-CoV & SARS-CoV-2 は黒になります

アブラコウモリとは?注意すること
HKU5-CoV-2 は香港のアブラコウモリから単離されました
アブラコウモリの生息分布域は広く、日本、ロシア沿海州南部を含み、東アジア〜東南アジアに分布します。日本では洞窟にもいますが、主に家屋をすみかとする身近なコウモリです。道路や鉄道などの高架や橋の下などに住み着く場合もある。人間に聞こえる鳴き声ではない。
体長 約4~6 cm、体重 約5~10 ggくらいの大きさです。町中を中心として、平野部などにも広く生息している。都心部などにも夕方になれば目にする機会が多い。夜行性なので日没あたりから夜間に飛びまわる。昼間は暗いすみかにいる。冬季は冬眠する
コウモリはウイルス以外に寄生虫を持っている可能性があるので、ビニール手袋の上に軍手をはめて触る。素手は禁止。糞にウイルスなどが含まれている可能性があるので吸い込まない。コウモリは現在、「鳥獣管理保護法」で保護されているため、個人にできることは家から追い出すことまで。殺すのはNGです。コウモリを保護した場合、まず近くの市役所や区役所、生活環境課、または環境管理事務所に連絡してください

HKU5-CoV-2のRBDとヒトACE2との複合体
クライオ電顕法により再構成したHKU5-CoV-2のRBDとヒトACE2との複合体の構造から、HKU5-CoV-2は他のACE2利用型ウイルス(SARS-CoV-2, NL63, NeoCoVおよびMOW15-22)とは全く異なる様式でACE2と結合していることが明らかになった

石正麗博士のチームはHKU5-CoV-2は、ヒトACE2発現細胞、ヒト呼吸器オルガノイドおよび腸管オルガノイドに感染可能なことを確認したと発表した
さらに、SARS-CoV-2のS2タンパク質を標的とするモノクローナル抗体76E1およびS2P6、汎CoV融合阻害剤EK1C4、および3つの低分子化合物nirmatrelvir、remdesivir、GC376がHKU5-CoV-2に対して抗ウイルス力を示すことを確認し、治療薬候補であるとした
論文:Bat-infecting merbecovirus HKU5-CoV lineage 2 can use human ACE2 as a cell entry receptor. Cell. 2025 Mar 20;188(6):1729-1742.e16.
以上です。続報は次号です
今日は、たくさんの花火大会が開催されます
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