アシㇼパさんと土方さんの本が欲しいんです、私。ニュースを見て。
杉元佐一という、強すぎる主人公
杉元佐一は、間違いなく魅力的な主人公だ。
不死身と呼ばれるほどの生命力、一直線すぎる正義感、そして時折のぞく、あまりにも素直な優しさ。
彼が物語を牽引したからこそ、『ゴールデンカムイ』は血と笑いと温度を持った作品になったのだと思う。
それでも、心が向いてしまう先
――それでも私は、思ってしまう。
アシㇼパさんと、土方さんの本が出たら、きっと欲しい。
アシㇼパさんは「ヒロイン」という言葉では足りない存在だ。
大地と獣と人の命を、料理と祈りと言葉で結び直す語り部。
彼女の視点で再編集された一冊があれば、それは金塊争奪戦ではなく、
「北の大地で生きるとはどういうことか」を静かに教えてくれる本になる気がする。
老いてなお、夢を見るということ
土方歳三は、もはや亡霊に近い。
老い、傷つき、それでもなお夢を捨てなかった男。
時代に取り残されながら、時代を終わらせる覚悟だけは手放さなかった存在だ。
彼だけを追いかける一冊が出たなら、
それは歴史書であり、鎮魂歌であり、
そして驚くほど「かっこいい老人漫画」になるに違いない。
主人公と、世界の重力
杉元は物語を前へ進めるエンジンだ。
けれど、アシㇼパさんと土方さんは、この世界そのものの「重力」だと思う。
もし、その重力だけを集めた本が出るのなら――
私は迷わず、ページをめくってしまう側の人間なのである。
(C)野田サトル/集英社
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