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戦国期の一円領主化とトランプ関税後の「新しい中世」世界

戦国時代の統治構造の変化は、一言で言えば、一円領主化ということになる。

 そのような変化の前段階、前提である鎌倉時代後期から南北朝時代を特徴づけるのは、公領制が荘園にとって代わられて行く中で、年貢収納の権威や権力が細分化された「得分」となり、まだら模様の領域支配ということになる。
 そのため、この時期に、有徳人、悪僧といった年貢収納の専門家集団が古文書に現れるようになってくる。この年貢収納に専門的スキルを持っている者が、在地の管理者と交渉して、経済価値を動かしていた。いわば、拠点間流通スキルが絶対の世界であり、ゲーム「デスストランディング」のような世界である。
 そして、それは、ここ20~30年の金融リバタリアンやテクノリバタリアンといった連中と重なる存在と考えられる。

 それが戦国期になると、戦乱によって全国的な流通経済が成立しなくなって、自給圏が生まれてくる。そういった状況変化の中で、一円支配を自力で打ち立てた者が出てくる。これが、15世紀後半に出現してくる国人領主層ということになるだろう。

 さて、トランプ関税の騒動は、幸いにも1930年代の関税戦争のような状態にはならずに済みそうではある。
 とはいえ、トランプ関税は、戦後80年間封印されてきた貿易面での自国第1主義、衰退産業保護のための関税活用という「パンドラの箱」を本格的に開けてしまったように思われる。
 よく「新しい中世」という言い方がされるが、日本の戦国期のように世界が、見えないけれど高い境界線で区切られたものへと変貌していき、その境界線を挟んで緊張が高まる時代になろうとしているのだろう。間違いなく、自由貿易を無条件に礼賛する時代は終わった。

 ここ数カ月の赤澤劇場の中で、アメリカ市場との向き合い方は多くの議論となった。
 しかし、日本にとって、中国経済との距離の取り方を徹底的に考える必要があるのではなかろうか。

 菅原道真は、熟慮のすえ遣唐使船派遣を一旦見送ったに過ぎないかもしれないが、そのおかげで当末五代から北宋→南宋というチャイナプロパーが揺れ動く状況から距離を置くことを可能となった。
 さて、21世紀の日本はどうするのだろう。

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