見出し画像

スイッチを切る勇気 ―― 情報の濁流を泳ぎ切るために

 24時間365日、メディアは「活動」の様子を絶え間なく垂れ流し続けます。新しい消費や成功体験、絶え間ない議論。こうした情報の濁流は、私たちに「常に活動していなければならない」という強迫観念を植え付け、何もしないことへの罪悪感を煽っているように思えます。

 しかるに、人類学が示す通り、狩猟採集民の労働時間は短く、人生の大半は休息や社交に充てられていました。現代の「活動の過剰」は、生物学的なリズムを無視した異様な状態です。メディアが「活動」を価値あるものとして面白おかしく報じる裏で、私たちは自分自身と向き合うための「空白」を奪われています。

 情報の断捨離とは、単なる節約ではなく、社会が強要するテンポへの抵抗です。外部からの刺激に反応し続けるのをやめ、意図的に「何もしない時間」を確保すること。その空白があって初めて、思考は深まり、本来の感性が息を吹き返します。

 メディアのスイッチを切り、情報の消費から降りる。その静寂の中にこそ、効率主義に毒されない真に人間的な時間が宿っているのではないでしょうか。「活動」の呪縛を解き、積極的に「無為」を生きること。
それこそが、現代において自律性を取り戻すための不可欠な「活動」なのです。

 あれ、「活動」の不可欠性という結論になってしまいました。

いいなと思ったら応援しよう!