見出し画像

夫が京都で逮捕された。その時彼の通帳残高は2桁だった。

夫が逮捕された。
そう警察から電話があった。
場所は、自宅から400キロ以上離れた京都だった。


夫が失踪したのは、2019年12月23日。

娘が生後7か月の、クリスマスイブ前日のことだった。

いつも通り「行ってきます」と家を出た夫は、 そのまま帰ってこなかった。

それから約10日後、 夫は400キロ以上離れた場所で見つかった。

自転車を盗んで、逃げようとしているところを。

理解のできない現実。

当時、 0歳の娘を抱えたワンオペ育児の真っ最中だった。

夫がどこにいるかも知らないまま、 毎晩ひとりでミルクをあげて、 オムツを替えて、 寝かしつけをしていた。


なぜ夫は失踪したのか。
なぜ400キロも逃げたのか。
そして、なぜ通帳残高が2桁しかなかったのか。


全部話すと、少し長くなる。

2019年12月23日に遡る。


消えた夫


クリスマスイブの前日。


私は生後7か月の娘の、初めてのクリスマス準備をしていた。


プレゼントを用意して、
部屋を飾り付けて、
離乳食で作れるクリスマスメニューを検索して。


娘にはまだサンタの意味なんてわからない。
それでも私は浮かれていた。


「家族3人、初めてのクリスマスだ」


そう思っていたから。


その日の午前10時過ぎ、夫の会社から電話がかかってきた。

「〇〇さん、今日出勤されていないんですが……」

意味がわからなかった。


夫は前日の朝、いつも通り「行ってきます」と家を出ていた。

その夜LINEが届いた。

「今日は遅くなりそうだから、実家に泊まるね」


夫の職場は義実家の近くだったから、

そういう日は時々あった。


寝坊かな?

そう思って、会社からの電話を一旦切って義母に電話した。


「昨日はうちには来てないわよ」


え?

じゃあどこにいるの?

事故? 事件?


私はすぐ両親に連絡した。

0歳の娘を抱えながら、

親族全員で夫を探した。


でも、夫はどこにもいなかった。


失踪届


失踪3日目、警察へ行った。

失踪届を出すためだ。

警察の力を借りれば、夫はすぐ見つかるはず。


でも返ってきた言葉は、予想と違った。


「失踪届は出せません」

・・・は?

「大人の失踪は、自分の意思の可能性がありますから」


警察官の目は、口調は、

「奥さんが厳しくあたるから、
旦那がちょっと家出しただけでしょう」

そんな思いが、如実ににじみ出ていた。


「この人には0歳の娘がいるんです!」
「自分から消えるわけないんです!」


何度言っても、答えは変わらなかった。


見えてきた夫の真実


警察に行ったその足で、夫の会社へ向かった。


そこで、少しずつ現実が壊れ始めた。


給与明細が、偽物だった。


夫の会社は「現金支給」だと聞かされていた。

「今どき現金手渡しなの?」と聞いたことがある。

夫は「古い会社だから」と笑っていた。


でも本当は銀行振込だった。

私に通帳を見られたくなかったのだ。


さらに会社の人は続けた。


「お子さんの体調不良で、結構お休みされてましたよね……」


言葉を失った。


夫は娘を理由に、有給や欠勤を繰り返していた。


でも実際には、

娘のオムツを替えた回数は10回に満たない。
お風呂に入れたのは5回以下。
ミルクをあげたことも、ほぼなかった。


育児は、ほとんど私ひとりだった。


なのに夫は、

自分の嘘のために、娘を使っていた。


それだけは、今でも許せない。


ポストの中身


警察の対応、発覚した夫の嘘。
心身共にくたくたになって、自宅のポストを開けた。


夫の字でメモが入っていた。


「俺は無事です。ごめんなさい。」


事故でも事件でもなかった。


夫は自分の意思で消えていた。


そしてそのメモと一緒に、

見覚えのない督促状が入っていた。


10万円。


払えない額じゃない。

でも私は金額より、別のことが頭に浮かんだ。


「これは10万円だけじゃない」


ここまで読んでくれてありがとうございます。
ここから先は有料にさせてください。

正直、書くかどうか何度も迷った話です。

私のnoteを読んでくれているのは、
「いつも明るくて、家計もメンタルも効率的に整える、
元気いっぱいシンママドタ子」
を、見に来てくれている人がほとんどだから。

娘のこと。 元夫のこと。 そして、あの頃の私があまりにも情けなくて。

全部さらけ出すのは、怖いです。

それでも書くのは、

毎日を回すだけで精一杯なのに 「なんかおかしい」という感覚だけがある、 あの頃の私みたいな人に届けたいから。

そしてもうひとつ。

どんなに酷い状況に落ちても、 人はちゃんと立て直せる。

そのことを、 私の体験として伝えたかった。

これは、私の身に実際に起きたこと。

あまりにも現実離れしていて、
読みながら「さすがに盛ってるだろ」と思うかもしれない。

でも盛ってない。 むしろ、書けないことの方が多い。

この過去を背負ってなお、私は今日も元気に明るく生きている。

この先の有料パートで書いていること

- 義兄が夫を見つけた場所
- 「水に流す」と言った社長と、消えた最後のチャンス
- 再失踪
- 自宅から400キロ離れた場所での逮捕
- 「財布を盗まれた」は全部ウソだった
- 消えていた40万円と、児童手当の使い込み
- 残高2桁の通帳を見た瞬間
- 義母に言われて、一生忘れられない言葉
- 夫の、本当の問題
- 離婚して6年。手取り20万のシンママが生活を立て直した話

ここから先は

2,977字

¥ 500

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?