耳鳴り潰し809
高校の説明会があるので仕事は昼までだった。最近は「朝イチで前日を振り返る」というルーティンから外れてしまっている。今記しているのは今日のことだ。
昼食時の読書ルーティンは変わらないが、自宅なので既に扇風機の音があった。静寂は耳鳴りに意識が向いてしまう。それから逃れるための音楽が必要なかった、というよりも、物語が終盤なので落ち着いて読もうか、という意識もあった。登場人物の中で一番自分に近いと思われる中年編集者が大量に睡眠剤を飲んだが死にきれずにいた。
支援コースのある高校の説明会では、会場となった視聴覚室がほぼ満員になるほど保護者がいた。しかし定員は三名なのだ。私には彼らの高校生活がうまく想像できないでいた。スライドを見つめ、進行役の話を聞いていたはずが、いつの間にかうとうとしていた。授業、講義、説明会、といった場ではこうなる。学校は地獄だったと改めて思い出す。脳の防御反応かもしれない。
ついこの間入学式だと思った娘ももう二年で、進路のことなど考えている。高校を目指すのが正しい選択なのか、私には分からない。私の高校生活は、今の私に影響を与えていない。
昼休み読書のお供を洋楽限定にした影響で、他の場面では意識して邦楽を聴くようにしている。スーパーで買い物中はゆらゆら帝国を聴き、布団を敷きながらハイロウズを聴き、歌った。その後少し横になり、金原ひとみ「YABU NO NAKA」を最後まで読む。お風呂上がりの娘の歌声がそこに被さってきた。珍しく「翼をください」とか「風になりたい」を歌っている。音楽の授業で習ったか何かだろうか。音楽とともに読み続けた物語のフィナーレを、娘の歌声で飾れた。贅沢の極みである。
就寝前に娘と一緒にハイロウズ「青春」のMVを観る。「殴るなや」と歌詞に突っ込みを入れていた。寝床に向かう途中でまた「風になりたい」を口ずさんでいたので、曲を流してみる。隣近所には響かない程度の音量で、娘は歌った。
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