推し馬 メイショウハリオ 〜豪脚一閃の名脇役〜
今日は、ダート界の名脇役メイショウハリオ(2017年生 牡)のことを紹介します。
◆ 立ち位置
ここまでの総成績は27戦9勝。11競馬場を走り、8競馬場で勝利と、馬場不問の強豪馬です。
しかも、そのうちG1勝利が3回(帝王賞2回、かしわ記念)という優れた成績を収めています。
ところが、強豪揃いの最近のダート界では、主役とはいきません。
彼は4歳の5月に3勝クラスを勝ち、3年以上にわたりオープンクラスを走っています。オープンでの戦績も17戦5勝と優秀ですが、1番人気に推されたことは僅か2回のみ。
いわばダート界の名脇役、時に主役を食うほどの活躍をする名脇役的立ち位置です。
◆ 脚質や性格
基本は後方待機からの鋭い豪脚で勝負というタイプです。全27戦のうち、上がり600mのタイムが3番目以内に入らなかったのは4回だけです。
また、馬体重はデビュー以来、殆どが500kgプラスαと、ストイックに毎回確り仕上げてくる印象です。
◆ レースピックアップ
全くの個人的な好みで、彼の記憶に残ったレースを3つ選びます。
(1) 2022年 帝王賞 〜名を上げる〜
G1を4勝のチュウワウィザード、同5勝のオメガパフューム、2021年の最優秀ダート馬のテーオーケインズといった当時のダート界のトップスターをまとめて負かしました。
このレースを機に、彼の名前は超一流馬として、競馬ファンの中に広まりました。
(2) 2023年 フェブラリー S 〜超一流の証明〜
彼は3着に敗れているのですが、その末脚の鋭さは観る者を驚かせました。私は背筋が凍てつくような感覚を受けました。
彼はスタートで、マイルG1では致命的な大きな出遅れをします。もちろん、道中から4コーナーまで最後方でした。
しかし、ゴール前で大外から飛び込んできた末脚は、驚愕の脚色でした。
敗れたものの、やっぱりダート界の超一流馬だと証明した一戦でした。
(3) 2023年 帝王賞 〜大熱戦〜
個人的には、2023年上半期のベストレースです。詳細は過去の投稿を添付するので、お時間が許せばご覧下さい。
彼とクラウンプライドのハナ差決着に至るまでの、人馬双方の最高水準のレース運びに、感動を覚えました。
◆ 受難の2024年
いよいよ2024年は満を持して、海外に打って出ました。
しかし、サウジカップで脚の不安から出走取消となり、さらにドバイはサウジで出走取消となった馬の出走を認めない規則があって、こちらも出走が叶いません。
海外まで出向くも、一走もできずに帰国となりました。
傷心の帰国後、3連覇を目指した帝王賞は、半年ぶりのローテーションが堪え、見せ場なく敗戦しました。
ピークを過ぎたかと心配されましたが、日テレ盃3着、JBCクラシック2着と、夏過ぎからは復調しています。
◆ 心機一転の2025年
不運が続いた2024年が明けて、2025年は4つ目のG1タイトル獲得を目指します。
初詣にもしっかりと行った模様です。
【25年4月9日追記】
初詣が効いたのか、川崎記念で4つ目のG1タイトルを獲得しました。これで総成績は29戦10勝。12競馬場を走り、9競馬場で勝利を上げました。
川崎記念では3コーナーと4コーナーの間で大外から捲り、4コーナー手前では先頭に立ち、そのまま豪脚で押し切りました。
8歳にして、未だ若々しい末脚でした。
【25年10月22日追記】
上半期の大一番、帝王賞に向けた大井競馬場への移動中に、予期せぬ事故が起こりました。
湊厩務員が掛川パーキングエリアで休憩をとって、メイショウハリオの様子を確認したところ、飼葉を喉に詰まらせ、咳き込み、鼻水やよだれを垂らしています。
応急処置の後、湊厩務員は最寄りのサービスエリア内のガソリンスタンドに飛びこみ、ホースをお借りします。獣医師とビデオ通話をしながら、ホースを使って水で喉を洗い流し、なんとか事なきを得ました。
その後、一旦大井に向かい、渡部則夫厩舎の厚意で食事を頂き、馬房をお借りして一晩を過ごしました。
湊厩務員は「いろいろな方に助けていただいて、本当に感謝しています」と語っています。
多くの方の的確な判断や優しさ、取り分け、湊厩務員の必死で機敏な対応のおかげで、九死に一生を得たメイショウハリオ。いよいよJBCの舞台に戻ってきます。
【25年12月10日追記】
メイショウハリオが引退しました。
ラストシーズンとなった2025年秋の2走は、本当に格好良かったです。
JBCクラシックは2着、チャンピオンズカップは4着でした。
4着でしたが、ラストランとなったチャンピオンズカップの4コーナーで見せた迫力満点の大外まくりは、観る者を痺れさせました。
彼の末脚には何度も魅せられたのですが、ラストランで再度感動させてもらいました。
あまりの走りっぷりに、レース直後、岡田調教師は東京大賞典を走らせたいと話していたほどです。
その後、オーナーとも話した結果、当初発表通りに、このまま引退となりました。
最終戦績は32戦10勝、うちG1を4勝。12競馬場を走り、9つの競馬場で勝利しました。
彼の推し馬投稿をした時には、彼を「名脇役」と称しました。しかし、スピンアウト番組をつくり、主役をはれるほどの優駿でした。
特に、ラストイヤーとなった2025年の彼は、幾つものストーリーがありました。
無事に牧場に戻れること、とても嬉しく思います。
そして、これまでの幾つもの、感動や驚き、本当にありがとうございました。
