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【毎週ショートショートnote】月見バーバー

 秋のある日。
 とある店の前を車で通った時、期間限定バーガーのポスターが貼られているのがチラッと見えた。
「もうそんな季節か」
 僕は何だかその期間限定バーガーが無性に食べたくなり、駐車場に車を停め店に入った。
 しかし何だか様子が変だ。机もカウンターもない。その代わり大きな椅子があり、その椅子の前にはこれまた大きな鏡がある。 
 嫌な予感がして、店の中から再び外のポスターをよく見ると『ツキミバーバー』と書いてあった。
 ツキミ……バーバー?
 もしかしてただの床屋!?
 急いで帰ろうとするも、店主らしき人物に絡まれた。
「ささ、どうぞこちらへ」
 僕はその大きな椅子に座らされた。
 目の前の大きな鏡には、僕の坊主頭がてかてかと光って映っていた。
「お客さん髪切るところないじゃないですか。何しに来たんです?」
 その言葉に僕はカチンと来て、鏡の中の自分の坊主頭を思い切り蹴飛ばした。

 それからだ。僕の頭が遠い空の上に浮かぶようになり、『月』と呼ばれるようになったのは。

              (440字)

今週も、たらはかにさんの企画『毎週ショートショートnote』に参加させていただきました!

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