ワンモアテスト・ワンモアチャンス
蘇生試験当日。
俺は今日のために必死で勉強した。
蘇生試験に合格して現世に蘇り、初恋のあの子に再び会うために。
「始め!」
俺はすらすらと答案用紙に答えを書いていった。
どれも簡単だ。俺は蘇生できる。間違いないと思った。
……最後の問題を見るまでは。
最後の問題はこうだった。
『初恋の相手とのキスの味を具体的に答えよ』
俺は椅子から崩れて落ちそうになった。
初恋のあの子は、俺が一方的に恋をしているだけで、手さえ繋いだことがない。
だが俺は諦めなかった。あの子とのキスを想像して、正直な愛の気持ちを書いた。
「終わり!」
答案用紙を試験官に渡すと、試験官はその場で採点をし始めた。
「……君、最後の問題は想像で書いたね?」
「あ、えっと」
「良いんだよ。熱意が伝わった。合格だ」
俺は試験会場を飛び出して、現世行きの飛行機へと乗った。
現世に着いた俺は、真っ先にあの公園へと走り、あの子を探した。
「あ!」
ベンチに茶色い毛のあの子が座っていた。
俺は迷わず駆け寄り、あの子を抱きしめキスをした。
あの子は嫌そうに『ニャー』と鳴いた。
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今週も、たらはかに(田原にか)様の企画【毎週ショートショートnote】に参加させていただきました!
