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【毎週ショートショートnote】大嘘寺


 大嘘寺の朝は早い。
 大嘘寺の僧たちはまだ日が昇らぬ時間に起き、冬の冷たい廊下をこれまた冷たい雑巾で掃除し、味のない精進料理を食べ、後はひたすら南無真弥陀仏を唱えるのだ。
 俺は俗世間での単調な暮らしに飽き飽きして、この大嘘寺へと出家してきた身であった。
 大嘘寺は一切の嘘を肯定してくれる。どんな嘘をついてもここでは許される。先程の南無阿弥陀仏だって嘘の文言をつらつらと並べたって良い。
 むしろ大嘘寺では、最も嘘をついたものが尊い者とされている。
 俺は嘘をつき続けた。しょーもない嘘から大犯罪レベルの嘘まで。前の会社の上司を殺しただとか、国家転覆を図ったことがあるだとか。
 その功績が認められ、俺は遂に大嘘寺の住職となった。
「今日から貴方が大嘘寺の住職です。おめでとうございます」
「ありがとうございます」

「さあ、住職として御勤めに励んでください。大嘘寺の真の目的……貴方を含め、ここにいる僧たちの今まで吐いた嘘を全て真実のものとして実行に移すこと……」

(434字)

今週もたらはかにさんの企画『毎週ショートショートnote』に参加させていただきました!

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