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【毎週ショートショートnote】カウントダウンする脈拍

 息苦しい。右手首に手を当てると脈拍が物凄いことになっていた。何だこれは。俺は内科に向かった。
 診察室に入り医師に事情を説明すると、医師は急に俺の右手首を掴み、100、99、98と俺の脈拍をカウントし始めたのだ。
「何ですかこれは」
 医師は俺の質問に答えず、カウントを続けた。70、69、68……。
 脈拍をカウントダウンするなんて聞いたことがないぞ。加点方式じゃなく減点方式なんて、気味が悪い。
「これは何の意味があるんです?」
 医師は益々声を大きくして、俺の脈拍をカウントしていく。40、39、38……。
 不意に『0になったら俺はどうなるんだ』という漠然とした不安が襲ってきた。
「先生、カウントダウンをやめてください!」
 手を解こうとしても、医師は物凄い力で俺の手首を離さない。20、19、18……。
 そこで俺は確信した。これは『死へのカウントダウン』だ。10、9、8……。
「もうやめてください!」
 俺は医師の手をやっと解き、内科の外に勢いよく飛び出した。その瞬間、俺は目の前の車に撥ねられた……。

「全く変な患者だったな。ただ私は、脈拍を減点方式で測る方が楽だからそうしてただけなのに、急に騒ぎ出したり手を解こうとしたり……」

(526字)

備考:ちょい長くなりました。

今週も、たらはかにさんの企画『毎週ショートショートnote』に参加させていただきました!

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