USCPAと公認会計士、転職で評価されるのはどっち?キャリア別に比較
「USCPAと公認会計士、転職で有利なのはどっちですか?」
これは、USCPAと日本の公認会計士で迷っている方からよく聞かれる質問です。
この記事では、日本の公認会計士を「JCPA」、米国公認会計士を目指す資格を「USCPA」として比較します。
監査法人に行くなら、JCPAの方が評価されるのか。
外資系企業やグローバル企業なら、USCPAの方が評価されるのか。
30代以降の転職では、どちらを目指すべきなのか。
気になりますよね。
結論から言うと、転職でどちらが評価されるかは、行きたいキャリアによって変わります。
日本の監査法人で法定監査を中心に働きたいなら、JCPAが強いです。
一方で、外資系企業、日系グローバル企業、海外子会社管理、連結決算、英語でのレポーティング、内部監査、FP&A、アドバイザリー、海外関連業務などに広げたいなら、USCPAが評価されやすい場面があります。
ただし、どちらも資格だけで転職が決まるわけではありません。
転職では、実務経験、年齢、英語力、これまでのキャリア、応募先との相性も見られます。
大事なのは、
「どちらの資格が上か」
ではなく、
「自分はどんな転職先を目指したいのか」
です。
資格選びは、試験の難易度ではなく、将来どんな仕事をしたいのかから逆算して考えるのがおすすめです。
*これは繰り返し繰り返し書いていることですが、なかなか浸透していない気がしています。
もう聞き飽きたと思う方が増えるまで、書き続ける次第です(聞き飽きた方は申し訳ないです)。
少なくとも、資格難易度(偏差値)がSNSなどで拡散され、資格選びの参考にされている現状が続く限りは、書き続けます。
転職で評価される資格は、キャリアによって違う
USCPAとJCPAは、どちらも会計資格です。
ただし、評価されやすい場面は違います。
JCPAは、日本国内の会計・監査で非常に強い資格です。
日本で監査報告書に署名できるのは、日本の公認会計士です。
そのため、日本の監査法人で法定監査を中心に働きたい場合、JCPAはとても強く評価されます。
一方で、USCPAは、英語で会計・監査・税法・ビジネスを学ぶ資格です。
外資系企業、日系グローバル企業、海外子会社管理、英語での会計資料確認、海外本社へのレポーティングなどと相性が良いです。
つまり、USCPAとJCPAは、転職市場で評価される場所が違います。
どちらか一方が絶対に有利という話ではありません。
自分がどこに転職したいのか。
そこで何を評価されたいのか。
ここから考える必要があります。
監査法人で上を目指すなら、JCPAが強い
日本の監査法人で王道のキャリアを歩みたいなら、JCPAが強いです。
特に、法定監査を中心に働きたい場合は、JCPAが王道です。
JCPAは、日本の会計基準、監査基準、会社法、金融商品取引法、開示制度など、日本国内の会計・監査に深く関わる資格です。
監査法人で長く働き、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーを目指すなら、JCPA資格は非常に重要です。
もちろん、USCPAでも監査法人に転職できる可能性はあります。
実際に、USCPAとして監査法人やアドバイザリーに転職する人もいます(私もそうです)。
ただ、日本の法定監査の中心で長くキャリアを作るなら、JCPAの方が評価されやすいです。
監査法人で王道を歩むならJCPA。
英語や海外案件、アドバイザリーも視野に入れるならUSCPA。
このように考えると整理しやすいです。
USCPAが監査法人で活きる場面
USCPAも、監査法人で活きる場面があります。
たとえば、次のような仕事です。
外資系クライアントの監査。
海外子会社を含むグループ監査。
US GAAP関連業務。
IFRS関連業務。
海外ファームとのやり取り。
英語資料の確認。
会計アドバイザリー。
内部統制支援。
海外関連プロジェクト。
監査法人の中でも、英語や海外会計、グローバル案件に関わる場面では、USCPAの知識や英語で会計を学んだ経験が評価されることがあります。
また、監査法人でアドバイザリー寄りの仕事をしたい場合も、USCPAが活きることがあります。
ただし、日本の法定監査そのものを中心に考えるなら、JCPAが強いです。
USCPAは、監査法人でまったく評価されない資格ではありません。
ただ、評価されやすい場面を理解しておくことが大切です。
また、日本の公認会計士の独占業務や法定監査の中心業務を、USCPAがそのまま担えるわけではありません。
事業会社では、USCPAが評価されやすい場面がある
事業会社への転職では、USCPAが評価されやすい場面があります。
特に、外資系企業や日系グローバル企業では、USCPAと相性が良いです。
たとえば、
外資系企業の経理。
日系グローバル企業の経理・財務。
海外子会社管理。
連結決算。
海外本社へのレポーティング。
英語での会計資料確認。
内部監査。
FP&A。
管理会計。
海外関連業務。
こうした仕事では、英語と会計の両方が求められます。
USCPAは、英語で会計を学んだことを示しやすい資格です。
そのため、会計知識だけでなく、英語で会計資料を読めること、海外拠点とやり取りできること、グローバルな会計感覚があることをアピールしやすくなります。
一方で、JCPAも事業会社で評価されます。
特に、日本基準の決算、開示、監査対応、内部統制、IPO準備などでは、JCPAの専門性が活きます。
つまり、事業会社では、
外資・グローバル・英語・海外関連ならUSCPA。
日本の決算・開示・監査対応・IPOならJCPA。
このように、職種や会社によって評価されるポイントが変わります。
外資系企業・日系グローバル企業ならUSCPAは相性が良い
外資系企業や日系グローバル企業を目指すなら、USCPAは相性が良いです。
理由は、英語と会計の両方をアピールしやすいからです。
外資系企業では、海外本社へのレポーティング、英語での会計資料確認、海外チームとのやり取りが発生することがあります。
日系グローバル企業でも、海外子会社管理、連結決算、海外拠点とのコミュニケーション、英語資料の確認などがあります。
こうした仕事では、単に英語ができるだけでは足りません。
会計を英語で理解できることが大事です。
USCPAは、まさにこの「英語×会計」を示しやすい資格です。
もちろん、USCPAを持っていれば外資系企業に必ず転職できるわけではありません。
実務経験、英語力、年齢、職種との相性も見られます。
それでも、外資系企業や日系グローバル企業を目指すなら、USCPAは評価されやすい場面があります。
FAS・IPO支援・会計コンサルではどちらが強い?
FAS、IPO支援、会計コンサルでは、USCPAとJCPAのどちらも評価される可能性があります。
ただし、評価されるポイントは少し違います。
JCPAは、日本の会計・監査・開示に強い資格です。
そのため、IPO支援、決算支援、開示支援、監査対応、内部統制支援などでは、JCPAの知識や経験が活きやすいです。
特に、上場準備企業の支援や日本基準の開示に関わる仕事では、JCPAが評価されやすいです。
一方で、USCPAは、クロスボーダー案件、外資系企業、海外子会社管理、US GAAP、IFRS、英語での資料作成や確認が関わる案件で活きることがあります。
FASや会計コンサルでも、英語案件やグローバル案件ではUSCPAが評価される場面があります。
つまり、
日本のIPO・開示・監査対応に強いのはJCPA。
英語・海外・グローバル案件に広げやすいのはUSCPA。
このように考えると整理しやすいです。
CFOを目指すなら、資格だけでは足りない
CFOを目指す場合、USCPAとJCPAのどちらがよいか気になる方もいると思います。
ただ、CFOを目指すなら、資格だけでは足りません。
CFOに必要なのは、会計知識だけではないからです。
財務戦略。
資金調達。
予算管理。
経営管理。
FP&A。
M&A。
投資判断。
事業理解。
経営陣とのコミュニケーション。
マネジメント経験。
こうした経験が必要になります。
JCPAは、会計・監査・開示の専門性を示しやすい資格です。
USCPAは、英語×会計、グローバルな会計感覚を示しやすい資格です。
どちらもCFOキャリアに活きる可能性はあります。
ただし、CFOを目指すなら、資格よりもその後の経験が重要です。
監査法人での経験。
事業会社での経理財務経験。
管理会計やFP&Aの経験。
資金調達やM&Aの経験。
経営に近い立場での経験。
こうした実務経験を積むことが大切です。
資格は入口です。
CFOを目指すなら、資格を取った後にどんな経験を積むかが重要です。
独立・開業を考えるならJCPAが強い
将来的に国内での独立・開業を考えるなら、JCPAが強いです。
JCPAは、日本での独占業務があります。
監査、会計、税務、コンサルティングなど、独立後の選択肢も広がりやすいです。
また、日本の公認会計士は、一定の条件を満たせば税理士登録ができるため、日本国内で独立して税務に関わる道も考えやすいです。
一方、USCPAは、日本国内でJCPAと同じ独占業務ができる資格ではありません。
USCPAだけで、日本の税務申告や法定監査を行えるわけではありません。
そのため、日本で独立・開業を考えるなら、JCPAの方が強いです。
USCPAは、独立よりも、外資系企業、グローバル企業、監査法人、アドバイザリー、海外関連業務などで活かしやすい資格と考えるとよいです。
年収は資格だけで決まらない
USCPAとJCPAを比較するとき、年収も気になると思います。
ただ、年収は資格だけで決まりません。
どの会社に転職するか。
どの職種に就くか。
これまでの実務経験は何か。
英語力はどのくらいか。
マネジメント経験があるか。
年齢とキャリアのバランスはどうか。
転職市場のタイミングはどうか。
こうした要素で大きく変わります。
JCPAは、監査法人、FAS、会計アドバイザリー、IPO支援、事業会社などで高く評価されやすい資格です。
USCPAも、外資系企業、日系グローバル企業、監査法人、会計アドバイザリー、内部監査、FP&Aなどで評価される場面があります。
ただし、どちらも資格を取れば自動的に年収が上がるわけではありません。
資格をどう使うか。
どの職種に転職するか。
どんな経験と組み合わせるか。
ここが年収にも関わってきます。
30代以降の転職では、現実的な選択が大事
30代以降でUSCPAとJCPAのどちらを目指すか迷う方もいます。
この場合は、特に現実的に考えることが大切です。
JCPAは非常に強い資格ですが、試験の負担はかなり大きいです。
働きながら目指す場合も、仕事を辞めて目指す場合も、時間とリスクを考える必要があります。
30代以降で、すでに経理、財務、営業、企画、海外業務、内部統制、管理部門などの経験があるなら、その経験にUSCPAを掛け合わせる方がキャリアにつながりやすいこともあります。
たとえば、
経理経験 × USCPA。
財務経験 × USCPA。
英語経験 × USCPA。
海外業務経験 × USCPA。
内部統制経験 × USCPA。
FP&A経験 × USCPA。
このように、これまでの経験とUSCPAを組み合わせることで、転職で評価されやすくなる可能性があります。
もちろん、30代以降でもJCPAを目指す選択肢はあります。
ただし、仕事を辞めるのか、どれくらい勉強期間を確保できるのか、合格後にどのキャリアを目指すのかは、かなり具体的に考えた方がよいです。
資格だけで人生が変わるわけではありません。
30代以降は、資格そのものよりも、これまでの経験とどう組み合わせるかが大切です。
USCPAの転職先を知りたい方へ
USCPAを取った後の転職先は、1つではありません。
監査法人。
税理士法人。
アドバイザリー。
コンサルティング会社。
一般事業会社。
海外転職。
さまざまな選択肢があります。
ただし、どの転職先が合うかは、人によって違います。
監査経験を積みたいのか。
経理・財務でキャリアアップしたいのか。
FASや会計アドバイザリーに進みたいのか。
外資系企業で英語を使いたいのか。
海外関連業務に広げたいのか。
目指す方向によって、必要な経験やアピールポイントは変わります。
USCPAの転職先については、USCPAどこのブログでも詳しく解説しています。
USCPAの転職先6つ|BIG4転職経験があるUSCPAがキャリア別に解説
USCPAのキャリア全体を整理したい方はこちらも参考にしてください。
USCPAのキャリア完全ガイド|転職先・年収・活かし方を解説
転職を考えるなら、転職エージェントで相場観を知る
USCPAやJCPAを活かして転職を考えるなら、転職エージェントに相談して相場観を知るのも大切です。
自分の経歴でどんな求人があるのか。
USCPAがどの職種で評価されやすいのか。
JCPAが強い求人はどこなのか。
年収レンジはどれくらいなのか。
今すぐ転職すべきか、経験を積んでから動くべきか。
英語を使う求人の実態はどうなのか。
こうした情報は、自分だけではわかりにくいです。
USCPA学習中や、これからUSCPAを目指す段階でも、今の経歴でどんな可能性があるのかを知っておくと、資格選びや勉強の目的がはっきりしやすくなります。
特にUSCPAの場合は、会計・経理・監査・FAS・外資系・日系グローバル企業など、どの領域を狙うかによって使うべき転職エージェントも変わります。
USCPAの転職エージェントについては、こちらの記事で比較しています。
USCPAにおすすめの転職エージェント比較
今すぐ転職するつもりがなくても、自分の市場価値や転職先の選択肢を知っておくと、資格をどう活かすか考えやすくなります。
USCPAとJCPAで迷っている方へ
USCPAとJCPAのどちらを目指すか迷っている方は、まず「どちらが難しいか」ではなく、「どんな転職先を目指したいか」で考えてみてください。
日本の監査法人で法定監査を中心に働きたい。
日本の会計・監査の専門家として王道キャリアを歩みたい。
日本で独立・開業も視野に入れたい。
こういう方には、JCPAが合いやすいです。
一方で、
外資系企業に行きたい。
日系グローバル企業で働きたい。
海外子会社管理に関わりたい。
英語で会計資料を読みたい。
海外本社へのレポーティングに関わりたい。
内部監査やFP&Aに広げたい。
英語×会計でキャリアを作りたい。
こういう方には、USCPAが合いやすいです。
USCPAとJCPAの違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
米国公認会計士(USCPA)と日本の公認会計士(JCPA)どっちがおすすめ?
USCPAを具体的に検討したい方へ
USCPAに興味がある方は、まず予備校の無料説明会で、受験資格や試験制度を確認してみるのがおすすめです。
特にUSCPAは、出願州によって受験資格や必要な単位が異なります。
「自分はUSCPAを受験できるのか」
「追加で会計・ビジネス単位が必要なのか」
「どの州に出願するのがよいのか」
「働きながらどのくらいで合格を目指せるのか」
「JCPAではなくUSCPAを選んでよいのか」
「USCPAを取った後、どんな転職先があるのか」
このあたりは、人によって違います。
勉強を始めてから受験資格の問題に気づかないように、最初に確認しておきましょう。
USCPAをこれから目指す方へ
USCPAに興味がある方には、拙著『USCPAになりたいと思ったら読む本』もおすすめです。
USCPAの試験制度、受験資格、勉強法、キャリアの考え方などを、これからUSCPAを目指す方に向けてまとめています。
『USCPAになりたいと思ったら読む本』
無料説明会で最新情報を確認しつつ、USCPAの全体像をじっくり理解したい方は、書籍も参考にしてみてください。
動画で聞きたい方は、USCPAどこチャンネルもどうぞ
今回のテーマは、YouTubeでも詳しく話しています。
USCPAと公認会計士、転職で評価されるのはどっち?キャリア別に比較
USCPAどこチャンネルでは、USCPA試験やキャリア、USCPAとほかの資格との違いについて発信しています。
USCPAどこチャンネル
文章より動画で聞きたい方は、こちらもどうぞ。
まとめ:転職で評価される資格は、目指すキャリアで変わる
USCPAとJCPAは、どちらも会計資格です。
ただし、転職で評価されやすい場所は違います。
日本の法定監査を中心に働きたいなら、JCPAが強いです。
日本の監査法人で王道キャリアを歩みたい、日本の決算・開示・監査対応・IPO支援・会計専門性を強みにしたい場合も、JCPAが評価されやすいです。
一方で、外資系企業、日系グローバル企業、海外子会社管理、連結決算、英語でのレポーティング、内部監査、FP&A、アドバイザリー、海外関連業務などに広げたいなら、USCPAが評価されやすい場面があります。
ただし、どちらも資格だけで転職が決まるわけではありません。
転職では、実務経験、年齢、英語力、これまでのキャリア、応募先との相性も見られます。
資格は、取ることがゴールではありません。
取った後に、どこで、どう使うか。
そして、どんな転職先を目指すのか。
そこから逆算して考えると、USCPAとJCPAのどちらを目指すべきかが見えやすくなります。
