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「やるべき」と「やりたい」のあいだで。doda編集長が語る「ワーク〈ライク〉バランス」という新しい生き方

こんにちは。パーソルキャリア株式会社 doda編集長の桜井貴史です。

普段は、企業の人事の皆さんが利用するプロダクト開発を統括する責任者をしながら、転職サービス「doda」の編集長として転職市場についての情報発信をしています。


編集長として、各種イベントへの登壇や、人材関連テーマに関するメディア取材への対応等を実施しています。

プライベートではサッカーが好きで、Jリーグの川崎フロンターレのサポーターをしていたり、海外サッカーを観戦するために海外を巡ったりすることも。私自身も毎週末フットサルで体を動かしています。


人生の満足度を高める、「ワーク〈ライク〉バランス」という考え方

さて、「doda」では昨今、「ワーク〈ライク〉バランス」という新しいはたらき方の概念を提唱しています。ワーク〈ライク〉バランスでは、物事に対する「やるべきと感じること(ワーク)」と「やりたいと感じること(ライク)」のバランスを認識し、人生の満足度を高めることを目的に、両者を理想的なバランスに整えていくことを提案しています。

私自身もさっそく「ワーク〈ライク〉バランス診断」に挑戦しましたが、とても新鮮な発見がありました。というのも、仕事や家事にも「ライク」は存在すること、また趣味のなかにも「ワーク」は存在するということを改めて意識させられたからです。

「ワーク〈ライク〉バランス」診断は▽こちらから
https://doda.jp/campaign/worklike/mode-check/

ちなみに私の診断結果は、ワーク3割・ライク7割の「開花したアーティストモード」。「日常生活を自分らしく満たせている」タイプなのだそうです。

「自分らしさで満たせている」と言ってもらえるのはうれしいですね。

機会があれば、皆さんもぜひ「ワーク〈ライク〉バランス診断」に挑戦してみていただければうれしいです。


ワーク“ライフ”バランスから一歩前へ。世の中はすでに変わり始めている

ワーク〈ライク〉バランスのもとになっている「ワーク“ライフ”バランス」という概念が出てきたとき、個人的にはとても素晴らしいことだと感じました。

私は就職氷河期組。いざ就職できたあとも労働環境はなかなかに厳しく、「長時間はたらけますか?」という空気が当たり前にまかり通っていた時代でした。「キャリアをどう形成したいか?」と自身に問うどころか、目の前の仕事をこなしていくのに精一杯。心身に負担を抱える同僚も少なくなかったように思います。

新人時代は、縁もゆかりもない東北支社に転勤し地方営業を経験。慣れない土地・仕事に最初は苦戦も上司が支えてくれました。

そんな時代から少しずつ変わり始め、仕事上の責任を果たしつつも、子育て・介護・趣味などの「私生活」も充実させるはたらき方が肯定される社会になったことは、本当に良かったと改めて感じます。

こうしたはたらき方が浸透したからこそ、その先にある一歩として「ワーク〈ライク〉バランス」のような新しい価値観も生まれてきたのだと思っています。これは私たち「doda」が提唱しているものというよりは、「世の中の潮流がすでにこう変わり始めている」という表れだと思うんです。社会全体を見ても、推し活を筆頭に、若者を中心に「ライク」という価値観を大事に生きる機運は大きく高まっています。


ライクやラブの価値が高まっている時代を、どう生きる?

少しはたらき方の話もしてみたいのですが、AIの進化により、型にはまった業務はAIに置き換わっていく未来が見えていますよね。すでにそんな時代が到来しています。

すると、マニュアル通りではない仕事の価値がおのずと上がっていきます。マニュアル通りではない業務とは何かと考えたときに、「How」=どのようにやるのか、という思考より「Why」「What」、つまり「何のために」「何をやるのか」を考えて作り出すこと。そんな仕事や人に価値が生まれるということになります。

この「Why」「What」は、「こんな世界があったら素敵だよね!」と思える、ライクやラブの世界観から生まれやすいものだと私は思っているんです。

以前のような画一的な生き方・はたらき方の時代から、多様性が尊重される社会になり、AIが急速に広がるこの時代において、「果たしてあなたのやりたいこと、ライクはなんですか?」という、ある意味では難しい問いに私たちは向き合わざるを得なくなりますが、それを意識しながら生きていくことがとても大事にされる未来になっていくと思っています。


仕事のなかにも「ライク」が、遊びのなかにも「ワーク」がある

私にとって仕事のなかで感じられる「ライク」は、プロダクト開発を通してお客さまが喜んでくれた瞬間に訪れます。ただ、当然のことながらライク一辺倒というわけにはいきません。管理職という立場ゆえに、自身がハンズオンで関われることばかりではありませんし、全社的な事業戦略に基づいて高い収益性を追求すべきときもある。こうした面は当然「ワーク」なわけです。

一方、余暇のうち9割は「ライク」が占めていますが、残り1割には「ワーク」的な側面もあります。どういうことかというと、今年49歳を迎える私にとっては、毎週のフットサルはもはや体力との戦いなんです。高校生の息子とサッカーの親子対決をしたのですが、録画したものを見て愕然としました。まるで私の動きはスローモーション! 年の差を考えれば当たり前とは言え、これには非常にショックを受け、「もっと体を鍛えていかなくてはならない」と気持ちを新たにしました。

週1でフットサルを実施中。先日、息子ともサッカーをしたが歯が立たず……。

好きなことを続けるためには、正直あまり好きではないことに向き合う必要もあります。体のコンディション管理や、サプリメントの摂取——これは私にとっての「ワーク」です。


「ライク」は降ってこない、自分からつかみ取りにいくもの

人生においてさまざまな局面があるなかでも、できるだけ「ライク」を探す活動には力を注いでいるつもりです。学問、スポーツ、旅、アウトドア、美術、音楽、映画、演劇、アニメ、ゲーム……、私たちを取り巻くカルチャーって数多く存在しますよね。それでも、個人が関わっている領域って実はとても狭い。おそらく、これまでの経験から、多くのことを「これは自分にとっては合わないだろう」とフィルタリングしていることもあるのだと思います。

私が心がけているのは、そうしたフィルターをできる限り外すことです。動画配信サービスでは興味がなくても上位の作品から見てみますし、気になるレストランには口コミを調べずにふらっと入ってみます。会社の若いメンバーから流行りを教えてもらえばとりあえず自分でも試してみる。本屋や図書館に行って、かたっぱしから本のタイトルを見て、興味が湧くものを探してみたりもします。趣味のサッカーゲームも、どうせならとe-sportsの全国大会に参加してプロの方と戦ったりもしますし、最近では話題のゲームソフトを知って、今更ながらポケモンデビューも果たしました。

人からよく「楽しそうだね」と言われるのですが、それはおそらくフットワーク軽く生きようとしているからだと思っています。「ライク」は自然に降ってくるというよりは、みずから積極的に探しにいくものだと考えているんです。もちろんハマらないこともたくさんありますが、初めて出会った「ライク」をきっかけに、新たな人との出会いや会話のきっかけをもたらすことも少なくありません。そうすると、そこで出会った相手もまた私にとって「ライク」のひとつになる。無駄になることを恐れず、未来の「ライク」になりそうな種をまき続けることが大事だと思っています。

川崎フロンターレのACL(アジアチャンピオンズリーグ)決勝の現地応援のためサウジアラビアへ。

そしてもうひとつ、「ライク」を探すうえで大事にしていること——「ライク」を探す時間を惜しまないことです。AIが進化し、いつでもそばにある未来は、最適解や正しさが常に手元にある未来ともいえます。一方「ライク」には、正しいも正しくないもなく、最適かどうかという基準もありません。だからこそ、自分の「ライク」は自分で探して、自分で感じる必要があります。

人は変化しますし、環境も変化します。「触れてみたけどライクではなかった」という気づきも、自分のライクを知るために貴重なプロセスです。


「やるべきこと」は無駄にはならない。未来を俯瞰して生きてみて

ワークとライクの理想のバランスを実現するために、私が大事にしているのは、「いまやるべきこと、つまりワークの一部は、のちにやりたいこと、つまりライクにつながっていく」と捉えてみること。たとえばいま100パーセント「ワーク」に属した労働をしているとしても、そこで得た収入や経験は、あとから「ライク」、たとえば推し活への投資や新しい仕事の挑戦の土台になっていく。そう考えるだけで、目の前の「ワーク」の意味合いが変わってきます。

私自身も20代のころは、「ライク」のウエイトを高めたくて、やるべきことに追われるばかりなら、いっそやりたいことだけに集中できる環境に身を置こうと考えたこともありました。でも当時の上司に言われたんです。「やるべきことをやって、それが無駄になることは決してない。いまは目の前のことを一所懸命に取り組んでみなさい」と。

その言葉がようやくわかったのは、30代に入り、自分がやりたかった新規事業開発、具体的には、地方の学生がオンラインで企業の採用合同説明会に参加できる、当時は真新しい就活のサービスを立ち上げられたとき。それまでの望んでいなかった職務での経験が役に立ち、自分のユニークなスキルとなって、仲間とともに新しいサービスを立ち上げることができました。あの達成感はいまだに忘れられません。


新サービス「オンライン合同説明会」の社内プレゼン大会。2010年当時は画期的で全社表彰を受賞。

いまこの瞬間が「ワーク」でフルに占められていたとしても、この先どんな未来がやってくるのかを立ち止まって考えてみるきっかけになるのがワーク〈ライク〉バランスという考え方そのものなんじゃないかな、と。人生は色々なことが起こりますし、自分も環境も変化をしていくものなので、今は仕事や家事のワークに多くの時間を割かざるを得ない方も多いと思います。それでも、この考え方をとおして、これまでと今、そして今後の自分の人生を俯瞰したり、誰かと対話したりすること自体に意味があるのではないでしょうか。


「ワーク」と「ライク」のバランスを保ちながら生きていく

ここまでワーク〈ライク〉バランスについてお話ししてきましたが、読んでくださった方に大事にしてほしいのは「バランス」を意識することです。

長い人生のなかで、「ワーク」と「ライク」のバランスはいつだって行ったり来たりするもの。なかなか難しいことだとは思いますが、今の瞬間だけでなく、長い時間軸でバランスを意識してコントロールできると素敵だと思います。今回ワーク〈ライク〉バランスという考え方を知っていただいたことを機に、ぜひ今日から自分の生き方を客観的に見直し、誰かに語ってみたりしながら、人生の満足度を高めていただければうれしく思います。


この記事は、転職サービス「doda」とnoteで開催する「#ワークライクバランス」の参考作品として書いたものです。