「なぜ“上”は動かないのか、現場から見た矛盾と、僕らのリアル」
5月6日(月曜日)雨。
連休最後の日に、どこか物悲しさが残る空模様だった。朝からずっとしとしとと降り続ける雨に、心も少し湿り気を帯びていた。
この雨の日に、ふと、ずっと胸の中に引っかかっていたことがある。それは会社の構造の中にある“歪み”についてだ。
僕は営業所で働いている。僕はどちらかと言えば中間の下の立ち位置だ。日々、現場を回り、時には営業に出かけ、時には梱包の作業に追われる日々を送っている。
ただ、最近よく言われる言葉に、どうしても納得がいかない。
「もっと営業に出ろ!」「新規開拓を取れ!」
そんな言葉を、上層部つまり部長や副部長といった人たちから頻繁に言われる。確かに、新しい仕事を取ってこなければ、会社の未来はない。それは僕自身、営業を始めてから身をもって感じているし、誰よりも危機感を持っているつもりだ。
だけど、ふと思う。
なぜ“言う側”の人たちは、外に出ないのか?
これまでの四半世紀、僕はこの会社で配送の現場に身を置いてきた。真面目に、機械のように、ルールを守って生きてきた。そして、先輩たちの背中を信じ、尊敬し、あの人たちは“すごい人たち”だと思っていた。(営業になるまでは・・・)
だけど気がついてしまった。
その背中の多くが、「まやかし」だったことに。
本来、部長や副部長という立場にある人間が、組織の先頭に立つべきではないのか?
でも、現実には違った。
「営業に出ろ」と命じる側の人たちは、デスクでYouTubeを見ていた。
自分のことだけに集中し、現場の苦労を見ようともしない。
いや、相談すればそこそこの手は打ってはくれる。
だがそれだけだ。
現場の作業が終われば、我々は泥だらけになりながらも着替えて、スーツに着替え、名刺を持って営業に出かける。移動の時間、資料作り、準備それらをこなしながら、少しのチャンスを探してドブ板営業を続けている。
一方で、部長や副部長が外に出て営業をしている姿は、ほとんど見たことがない。一日中何をしているのかよくわからないが、デスクに座って、YouTubeを見ていたり、自分のスマホをいじっていたりそんな光景を何度も目にしてきた。
僕は思う。
なぜ“動かない人”が“動け”と言うのか。
もちろん、役職によって業務内容が違うことはわかっている。上の立場になればなるほど、責任や調整、管理業務があるのも理解している。でも、現場が火の車になっているとき、少しでも現場に目を向け、同じ視点で言葉をかけてほしいと思うのは、間違いだろうか。
「動かない人間の言葉は、心に届かない」
僕が新人の頃、先輩が言っていた言葉を思い出した。
それは決して偉そうに言いたいわけじゃない。自分も50代になり、ようやく分かってきたことがある。
現場で苦しんでいる部下に、ただ「がんばれ」と言うだけでは響かない。背中で見せること、泥をかぶること、時には一緒に頭を下げること、それこそが“上”に立つ者の責任じゃないだろうか。
僕はまだ“上”の人間ではない。だけど、この矛盾に気づいた以上、僕は言いたい。
組織の“上”が本当に強くなるためには、“下”の声に耳を傾けること。
現場に立つ人間がどれほど必死で動いているか。その努力に無関心なままでは、会社は変わらない。部長、副部長といった役職者が、先頭に立って動く姿を見せてくれたなら、もっと信頼できるし、もっと皆もついていくだろう。
それが、いまの現場で僕が感じている“本音”だ。
そんな組織の姿に、はじめは怒りを覚えた。
でも、いまは少しだけ、違う考えを持っている。
“気づいた者が、変えていけばいい。”
過去を責めても、誰かを嘆いても、何も変わらない。
大切なのは、「これから」をどう築くかだ。
僕が気づいたのなら、僕が最初の一人になればいい。
営業という仕事を始めて、まだ4週間弱。
だけど、見えてきた。
会社というもの、組織というもの、人間というものの、本質が。
この記事を読んでくださるあなたへ。
これは僕の営業所の話かもしれない。でも、きっと多くの人が似たような「闇」を抱えて働いているんじゃないだろうか。
「なぜ自分たちばかりが動かされるのか」
「なぜ上の人たちは現場に出ようとしないのか」
「この組織に未来はあるのか」
そんな問いを持つすべての人へ。
僕は今、問い続けながら、それでも前を向いている。
そして願っている。
いつか、自分が見たい景色を、自分たちでつくれるように。
雨はまだ降っている。
でも、傘を差すのを待っていても仕方がない。
自分で傘を開き、今日も歩いていこう。
営業という、この不思議で、厳しくて、でも希望に満ちた道を。
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