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【技術士 建設部門】担い手確保・生産性向上を必須科目Iでどう論じるか(2024年問題)

こんな人におすすめ

  • 必須科目Iで「担い手確保・生産性向上」が出たとき、何を書けばいいか整理しきれていない

  • 2024年問題(時間外労働の上限規制)を論文でどう扱えばいいか迷っている

  • 課題抽出・解決策・リスクの4部構成に、このテーマをどう落とし込むか型が欲しい

  • 受注者目線で終わらず、ほかの受験者と差がつく書き方を知りたい

この記事でわかること

  • 担い手不足がなぜ必須科目Iで繰り返し問われるのか、その構造的背景

  • 解決策で書くべき施策の4本柱と、それを3つのねらいに整理する考え方

  • 4部構成への落とし込み方と、発注者視点で差をつけるポイント


技術士第二次試験 建設部門の必須科目Iで、もっとも繰り返し問われてきた論点のひとつが「担い手確保・生産性向上」です。

背景にあるのは、人口減少と技能労働者の高齢化、そして2024年4月から建設業にも適用された時間外労働の上限規制、いわゆる2024年問題です。

少ない人手で、より短い労働時間で、それでもインフラの整備と維持を止めないために何が必要か。この問いに答案で応えることが求められます。

このテーマは形を変えて何度も出題されてきました。本記事では、構造的背景から施策、そして答案の型までを、元・地方自治体の土木職(発注者)として工事の発注・積算審査に携わった立場から整理します。

建設部門は「必須科目I+選択科目」の組み合わせで合否が決まります。全受験者共通の必須科目I 模範解答集(R03-R07+R8予想)がまず1冊目。あなたの選択科目の模範解答集は建設部門もくじから選べます(単品を1本ずつ買うより約8割お得)。


なぜ必須科目Iで繰り返し問われるのか

必須科目Iは答案用紙3枚(1,800字)の記述式で、すべての受験者が共通で取り組みます。

設問は (1) 多面的な課題抽出、(2) 最重要課題の解決策、(3) 新たに生じるリスクと対策、(4) 技術者倫理・社会の持続可能性、という4部構成が基本です。

出題源は国土交通省の重点施策・白書であり、担い手確保・生産性向上は近年の白書が一貫して掲げてきた中心テーマです。

実際、令和元年度I-1(人口減少・働き手不足と生産性向上)、令和4年度I-1(技術革新・DXと働き方改革)、令和7年度I-1(持続可能な建設業・地域の守り手・担い手)と、この系統は形を変えて何度も登場しています。

担い手確保は「防災・国土強靱化」「カーボンニュートラル」「インフラ老朽化」「国土形成」「インフラDX」と並ぶ、必須科目Iの6テーマ系統のひとつです。どのテーマが出ても、担い手不足という制約は背景に絡みます。

年度別のマクロテーマと6テーマ系統の関係は、必須科目Iの頻出テーマ系統で一覧できます。

構造的背景 — なぜ担い手が足りないのか

論文の (1) 課題抽出を厚くするには、背景を構造的に押さえておく必要があります。論点は大きく3つです。

まず人口減少と高齢化。生産年齢人口の減少に加え、建設業の技能労働者は高齢層の比率が高く、大量離職と若手の入職不足が同時に進んでいます。

次に長時間労働の常態化。他産業に比べて労働時間が長く、休日も取りにくい構造が、若年層の入職を妨げてきました。

そして時間外労働の上限規制(2024年問題)。

2024年4月から、原則「月45時間・年360時間」、特別条項でも「年720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間以内」が適用されました(災害復旧・復興事業は一部例外)。

ポイントは、規制が「守るべき制約」として加わったことで、同じ仕事をより少ない労働時間でこなす必要が生じ、生産性向上が選択肢ではなく必然になった、という論理です。

ここを押さえると、課題抽出から解決策への接続が自然になります。

施策の4本柱 — 解決策で書くこと

(2) 解決策と (3) リスク・対策では、次の4系統から最重要課題に応じて選びます。

  • 週休2日・適正工期の確保 — 工期を圧縮せず労働時間を守るための前提条件

  • 賃金・処遇の改善 — 入職・定着を促し、担い手の母数を確保する

  • 多様な担い手の確保 — 女性・外国人材を含め、入職経路を広げる

  • i-Construction(インフラDX) — ICT施工・BIM/CIMで測量・施工・検査を省人化し、一人当たりの生産性を高める

この4本柱を「労働時間を減らす(規制対応)」「担い手の母数を増やす(処遇・多様化)」「一人当たり生産性を上げる(DX)」の3つのねらいに対応づけると、課題と解決策の論理が一本の筋で通ります。

i-Construction を中心に据える場合は、DXは目的ではなく担い手不足を補う手段だ、という位置づけで書くと一貫します。

発注者視点で差をつける

週休2日や適正工期は、受注者の努力だけでは成立しません。工期設定と積算は発注者の責任であり、週休2日を前提とした工期・予定価格を組まなければ現場の労働時間は減りません。

元・地方自治体の土木職として工事の発注・積算審査に携わった立場から言えば、歩切りの防止、週休2日対応工期の設定、適正な予定価格の積算といった発注者側の制度設計まで論じられると、受注者目線にとどまる答案と差がつきます。

これは技術者倫理・社会の持続可能性(設問4)にも接続しやすい論点です。

答案の型 — 4部構成への落とし込み

必須科目Iの4部構成に、担い手・生産性の論点を当てはめると次のようになります。

  • (1) 多面的な課題抽出 — 人材確保・労働時間・生産性など、互いに重複しない観点で課題を3つ立てる

  • (2) 最重要課題の解決策 — 例えば「生産性向上」を選び、i-Constructionによる省人化を中心に複数の具体策を示す

  • (3) 新たに生じるリスクと対策 — DX導入のコスト・人材育成・中小企業への普及格差などを挙げ、対策まで書く

  • (4) 技術者倫理・社会の持続可能性 — 地域の守り手としての建設業の維持、安全と品質の確保、発注者・受注者の協働を論じる

令和8年度のコンピテンシー改訂では、データ活用・ステークホルダーとの合意形成・持続可能な成果の達成が明文化されました。

担い手テーマは、施工データの活用(生産性の可視化)や、発注者・受注者・地域の合意形成と相性がよく、改訂後の評価軸にも乗せやすい題材です。

改訂の詳細は令和8年度のコンピテンシー改訂にまとめています。

論点の引き出しを増やすには、年度別の出題傾向と、隣接する6テーマとの接続を押さえておくことが近道です。

答案そのものの組み立て方は記述式論文の書き方ガイドも参考にしてください。

担い手・生産性向上の論点を用語単位で押さえるなら、担い手確保・生産性向上の論点キーワード集もどうぞ。

さらに深く学ぶには

ここまでで「担い手確保・生産性向上」をどう論じるかの骨格は見えてきたはずです。ただ、実際の試験で点になるのは、この論点を設問の指示どおりに分解し、1,800字のフル模範解答として最後まで書き切る力です。

令和3〜7年度の必須科目Iと令和8年度の予想問題について、設問の読み解きから課題抽出・解決策・リスク・倫理までを、元公務員・発注者視点でフル答案に落とし込んだ模範解答集です。

担い手テーマがどう問われ、どう書けば評価されるのかを、年度をまたいで具体的に確認できます。

無料記事で論点の地図をつかんだら、有料マガジンで「実際に書き切る答案」へ進む、という流れがいちばん効率的です。

よくある質問

Q. 2024年問題は技術士の論文でどう触れればよいですか?

A. 「2024年問題」とは、5年間猶予されていた時間外労働の上限規制が2024年4月から建設業にも適用されたことを指します。

論文では、原則「月45時間・年360時間」、特別条項でも「年720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間以内」という制約が、限られた担い手で工期を守る必要性を高めた、という現状認識として書くのが定石です。

規制そのものの説明より、それが課題(生産性向上・省人化の必然性)にどう接続するかを示すことが重要です。

Q. 担い手確保の解決策には何を書けばよいですか?

A. 週休2日制の確保、適正な工期設定、賃金・処遇の改善、女性・外国人材を含む多様な担い手の確保、そしてi-Constructionによる省人化・自動化が代表的な軸です。

これらを「働く時間を減らす(規制対応)」「入職・定着を促す(処遇)」「一人当たりの生産性を上げる(DX)」の3系統に整理すると、多面的な課題抽出になり設問の指示に合致します。

Q. 生産性向上とインフラDXはどう関連づければよいですか?

A. 生産性向上は担い手不足という制約への直接的な解になります。

i-Construction(ICT施工・BIM/CIM)は測量・施工・検査の省人化と手戻り削減を通じて少ない人員でも工程を維持し、2024年問題で厳しくなった工期・労働時間の制約に応えます。

論文では「DXは目的ではなく担い手不足を補う手段」という位置づけで書くと、課題と解決策の論理が一貫します。

Q. この論点はどの年度の必須科目Iで問われましたか?

A. 直近では令和元年度I-1(人口減少・働き手不足と生産性向上)、令和4年度I-1(技術革新・DXと働き方改革)、令和7年度I-1(持続可能な建設業・地域の守り手・担い手)など、担い手・生産性の系統がくり返し出題されています。

国土交通省の重点施策と連動するため、今後も必須科目Iの主要テーマであり続けると見られます。


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