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アンチでさえも懐かしむ、〝あの時代〟の巨人軍と4人の監督

【面白かった度】★★★★★

岡崎郁が振り返る、現役時代に師事した3人の監督、長嶋茂雄、王貞治、藤田元司。そして現役時代から兄のように慕った原辰徳。

私は小2の6月から中日を応援することを心に決め、以来40余年の月日が流れました。そんな私にとって、巨人は憎しみと怨嗟の対象でしかありませんでした。平たく言うとアンチ巨人だったということですね。

ただ悲しいかな、五十路を目前に控えて尚、たまに松本匡史や原辰徳の応援歌を口ずさんでいる自分がいるのです(篠塚、クロマティ、中畑、吉村、岡崎、駒田も口ずさめます!)。

なぜ中日ファンなのに口ずさめてしまうのか?
それはネットもスカパーもDAZNなかった子ども時代、プロ野球が見たけりゃテレビで巨人戦を見るしかなかったからに他なりません。巨人戦を見る以外の選択肢を神に与えられていなかったのです。

対戦相手が中日でなくとも、とりあえず巨人が負けることを願ってテレビ観戦。そうやってアンチ巨人として巨人戦を楽しんでいました。その副作用として巨人のスタメンの応援歌を不幸にも覚えてしまい、現在に至っているわけです。

この本を読んでいて副作用はそれだけではないことが分かりました。
本書にも出てくる次のトピックスを見てください。

■86年:
槙原がヤクルトのブロハードに逆転ホームランを打たれて王巨人が初優勝を逃す
■87年:
中日のルーキー近藤真一に初登板でノーヒットノーランを食らう
江川が広島の小早川に逆転サヨナラホームランを食らって引退を決意
西武との日本シリーズ、秋山のセンター前ヒットで一塁走者が長駆ホームイン
■89年:
日本シリーズで近鉄に3連敗から4連勝して日本一
■90年
西武に歯が立たず4連敗を喫した90年の日本シリーズ
■92年:
原がヤクルト伊藤から起死回生の同点ホームランを放ってバット放り投げ
■94年:
中日との優勝かけた最終戦「10.8」
■95年:
長嶋監督に原に「代打長嶋一茂」
原が現役最後の試合で紀藤からホームラン

私、中日ファンなのに全部記憶にあるのです。
巨人戦全試合地上波放送という、一党独裁体制の恐ろしさをいま感じています。

しかし、逆を言えば、この本は巨人ファンではなくとも、あの時代のプロ野球に熱中していた人(おそらく45歳以上の男性)であれば、楽しんで読むことができるということもであると思います。

私は中日ファンでありながら、この本を読んでいて、
長嶋監督が現役引退の挨拶に岡崎が自宅を訪ねてきたときのこと、藤田監督の葬儀で奥様が岡崎に掛けた場面で目頭が熱くなってしまいました。若かりし王監督の不器用さが愛おしくもありました。現役時代の原の天真爛漫さと天然ぶりに爆笑しました。

気がつけば「あの頃の巨人」を愛おしく思う自分がいました。

巨人ファンには勿論ですが、あの頃、プロ野球に熱狂していたアンチ巨人のおじさん達にも懐かしく読んで貰える一冊だと思います。

*ちなみに私も制作でお手伝いさせていただきました!

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