私の淹れたアイスコーヒーは美味しかったのだろうか。|休職60日目
アイスコーヒーを飲むと思い出す、喫茶店でのバイトのこと。
アイスコーヒーが好きである。
アイスティーも好きである。
暑い時に冷たいものを飲む、寒い時に温かいものを飲む。
これが1番のご馳走だと思う。
大学時代、喫茶店でバイトをしていたことがある。なるべく古き良き喫茶店の文化を残す、というブランディングのチェーン系喫茶店であった。
フードもスイーツも種類が多く、朝早く夜遅い営業なのでファミリーレストランに近かった。
しかし、私が働いていたのはモーニングの時間帯だったので、メニューはモーニングAセット・Bセット・Cセット・Dセットの4種類。
ドリンクも限定されたメニューしか提供しておらず、注文のほとんどはコーヒー(hot/ice)。
今思えば、ランチ以降の営業に比べたら楽勝だった。
朝ならではの難しさといえば、急いでいる人が多いので早く提供しなくてはならないこと。
朝ならではの楽しさといえば、決まった時間にくる常連さんが多いこと。
つまり早く提供しなくてはならないが、常連さんも多いので、決まったメニューをすぐに提供できる。
やっぱり、今思えば楽勝だ。
毎朝同じ時間に来店し、ホットコーヒーを注文するサラリーマンがいた。
そのお客さんの時間が近づけば、ホットコーヒーを準備する。
そして脅迫的な速さで提供していた。
そして「いつもありがとう」と言って朝刊を一定のページ数を読んで店を出ていく。
いつものお姉ちゃんが、注文を覚えてくれていて、すぐにコーヒーを出してくれる。その特別感は、きっとあのサラリーマンにとって1日の活力になっていたに違いない。
そんな「素敵な時間」の提供。間違いなくそのために私は働いていた。お金は二の次。なんて素敵な労働だ。
と。語れば美談だが。
今思えば、あのサラリーマンのお客さん、他のメニューを頼みたい日もあったかもしれない。私の脅迫的速さのホットコーヒーの提供のせいで、他のメニューが頼めなかったかもしれない。
そもそも、私が準備してしまっているコーヒーのために、行きたくもないのにあの喫茶店に通っていたかもしれない。
まあでも、喫茶店からすれば、そのように固定客を得るということは立派な営業戦略だ。是非経営者は感謝してほしい。
私は私で、あのように早く提供しなければ、次に来るイレギュラー客がさばけない。いわば常連客は「最も簡単なピース」。早く捌くこともできるし、あまりに忙しければ、後回しにしてもさほど支障が出ない。
常連客というのは飲食店にとっていかに有難い存在か。。。
(もちろん客の民度による)
いよいよ、「お客さん」ではなく、「客」と言い出したので、ホットコーヒーの常連サラリーマンの話は終わりにして。タイトルの回収に戻らなくてはならない。
この喫茶店はアイスコーヒーがとても美味しかった。
その理由は、「ダッチアイスコーヒー」を仕込んでいたから。
ホットコーヒーはネルドリップをしていたが、アイスコーヒーはそれ専用に「ダッチアイスコーヒー」を作っていた。
コーヒーが好きな方には、くだらない話すぎて申し訳ないが、ダッチアイスコーヒーは、「水出しコーヒー」のこと。
決まった量のコーヒー豆に、決まった量の水を注ぎ、決まった時間に飲む。
ネルドリップと違って、淹れる人の個性が出にくい反面、バイトばかりで回しているあの喫茶店のような店では「間違いない味」のメニューでもある。
そしてそんな間違いない味の水出しコーヒーが美味しくない店は・・・
言わずもがなである。
水出し設備のある喫茶店は少なくなっていると思う。
水出し設備のある店では私は率先してアイスコーヒーを飲み、美味しいと思ったり、美味しくないと思ったりする。
そして私の作っていたアイスコーヒーは美味しかったのだろうか。。と想いを馳せたりする。
ちなみに。
私の淹れるネルドリップは日によって味がバラバラだった。ホットコーヒーのあのサラリーマンもきっと気づいていたと思う。
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