「貿易赤字の崖」に身構える
迫る「貿易赤字の崖」問題
いよいよ新年度に入りました。今年度も「腐らない議論」をコンセプトとして色々な情報発信にチャレンジして参りたいと思います。引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、先週末に配信させて頂いた新村さんをお呼びしたエコラボのSP回はあっという間に10万回以上再生されております。現状、真正面から経済・金融分析を扱うコンテンツには関心が向かいにくいと感じていたところではありますが、やはりイランや商品情勢と絡めて立体的な議論に仕上げていくと、多くの方の関心に合致すると感じました。この動画のテーマは無駄に煽ることなく「正しく恐れる」でした。いかがでしたでしょうか:
こうした中、3月27日、為替市場ではドル/円相場が1年8か月ぶりに160円台に乗せたことも話題になりました。その後、介入観測などもあって反落しているものの、高値圏での推移は続いています:
イラン攻撃後、為替市場では「原油価格上昇→貿易収支赤字拡大→円売り圧力増大」という連想に立って円売りが進められており、これ自体はファンダメンタルズな変化を織り込んだ論理的な反応と言えるでしょう。
とはいえ、この連想自体は正しいものだとしても、その経緯が複雑であることは注意を要します。というのも、既報の通り、日本では石油備蓄の放出が順次始まっています。備蓄放出は要するに「輸入の代替」ですから(国家備蓄は円建て決済を通じて政府から元売りに払い下げられます)、貿易収支赤字の拡大は数か月単位で先送り(あるいは抑制)されることになります。
現状入手可能な情報を踏まえると、当面(3~4か月間)で確認される貿易収支は市場参加者の懸念ほどは悪化しないはずです。しかし、それは本来輸入すべき数量を備蓄と交換しているだけの状況でもあり、その先に起きる変化はかなり段差を伴う恐れがあります。その段差はかなり大きなものになり、さしずめ「崖」と形容できるほどの変化になるかもしれないという議論を新年度の1投目に配信させて頂こうと思います。
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