俺にTHE HIGH-LOWSを語らせてくれ (Tigermobile編)
こんにちは。俺にハイロウズを語らせてくれ。
第二回は2ndアルバムであるタイガーモービルになります。とりあえず次があってよかったです。
まず前回と同様、アルバムをリリースする辺りの1996年頃の彼らの動向を探っていきます。気合い入れていくぞ!!!!
1stアルバムをリリースしたハイロウズは、年が明けた1996年2月にシングル「胸がドキドキ」をリリースします。この曲はテレビアニメ「名探偵コナン」の初代オープニングテーマに起用されたこともあり、ハイロウズの中でも知名度が高い部類に入る楽曲ですね。

自分は最初に「ハイロウズをリアルタイムでほぼ体験してない」と書いたんですが、この曲はコナンのおかげで知ってて結構鮮明に記憶にも残ってるんですよ。コナンの第一話もリアルタイムで見てましたね。あのジェットコースターで首吹っ飛ぶやつ。血がどばぁ!!!って吹き出してめちゃくちゃビビりました。そして少し前に再放送されてたやつ見たら血じゃなくてなんか閃光になってましたね。
でもなんでオープニングも鮮明に覚えてんのかって考えたらやっぱり歌い出しの
100年ぶりの世紀末
泣けと言われて僕は笑った
というセンセーションな歌詞ですよね。高校生の時にハイロウズ初めて聞いて、コナンのオープニング歌ってたのってハイロウズだったんか!と気づいた時の脳汁マジでやばかったです。
あと「100年ぶりの世紀末」という字面を見て意味が重複しているとか小泉構文とか言う奴は何も分かってないので無視していいです。
そしてこのあと色んなアルバムを紹介する際に何回も言うと思いますが、ハイロウズって歌い出しの歌詞がめちゃくちゃ格好いいんです。開始1秒で全部持っていくというか。ヒロトとマーシーの作詞能力やっぱすげーって思います。
そしてこの曲はポップで疾走感がある、いかにもアニメのオープニング然りといったキャッチーな楽曲で、どことなくブルーハーツにも通ずるものがあります。
ちなみにこの曲とカップリングの「そばにいるから」の2曲はヒロトとマーシーの共作になってます。これはビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーの共同名義である「レノン&マッカートニー」を意識したもので、ヒロトとマーシーはホテルに缶詰になりながらこの2曲を作ったとのこと。
その後ハイロウズは11月16日に日本武道館で行われたパンク界の大レジェンド・SEX PISTOLSの日本公演の前座として登場します。ハイロウズというかベイ・シッティ・ローラーズとして。
ベイ・シッティ・ローラーズというのは、ハイロウズのメンバーが70年代に一世を風靡したアイドルバンド、ベイ・シティ・ローラーズの衣装に身を包んだ変名バンドです。

主にSaturday Night Feverの替え歌「SOTOデナ」を演奏するんですけど、まあ酷いんですよね、歌詞が。
ちなみにこのちょっと前には「ザ・ハイロウズのゆきゆきて女子大㊙︎女だらけのハリケーン!!」というまあまあひどいタイトルの女子大の学祭を回るツアーを敢行してるんですが、そこでもこの曲やってます。歌詞は自分で検索してくれよな!
そんでまあピストルズのメンバーがおそらく全員大っ嫌いであろうベイ・シティ・ローラーズのコスプレをして日本語で卑猥な替え歌を披露してるだけでも十分ヤバいんですが、挙げ句の果てには30年前に同会場で行われたビートルズ来日公演の際、前座で内田裕也や尾藤イサオが披露した「ウェルカムビートルズ」の替え歌「ウェルカムピストルズ」を演奏します。
ウェルカム〜ピストルズ〜♪
この悪ノリの最高潮みたいなライブを、ピストルズメンバーはどう観てたのか気になりますが、まあ多分観てないですよね。
ちなみに終演後、バックステージで打ち上げが行われ、バンドで唯一の常識人っぽいグレン・マトロックは知り合いの対応に追われ、スティーブ・ジョーンズとポール・クックは周囲にガンを飛ばし、ジョン・ライドンに至っては「俺は東京に知り合いなんていない」と楽屋から出てこなかったとのことでした。
そんなやりたい放題の中、12月6日に2ndアルバム「Tigermobile」をリリースします。

帯に書かれたキャッチコピーは「爆走!!誰かヤツらを止めてくれ!!」
ヒロトはインタビューで、レコード帯に書かれた日本語のキャッチコピーの重要性についてよく熱っぽく語ってる印象があります。
このCDは高校生の時にブックオフで買ったんですが、初回盤の虎の革仕様のフワフワしたジャケットでしたね。なんかテスト勉強の時によく聴いてた気がします。
じゃあまた楽曲別で解説っぽいけどわりとどうでもいい話や個人的な印象を述べていきます!!!
1.俺軍、暁の出撃 (作詞作曲:真島昌利)
帯のキャッチコピーよろしく一曲目から猪突猛進で爆走するハードロックなナンバー。まさにアルバムの1曲目に配置するしかない究極のドライブ感。リフもゴリゴリでバンドサウンドも1st以上に分厚くなってます。ちなみに歌われる内容としては一貫して「俺最強!!!」です。理由も根拠もへったくれもない。
未だ誰一人 見たことのない
景色を見に行く まったく愉快だ
2.相談天国 (作詞作曲:真島昌利)
冒頭でつけた勢いを失うことなく突入する2曲目。アルバム発売の約5ヶ月前に発売された5枚目のシングルです。Deep Purpleの「Burn」と「Highway Star」をまんま引用し、サビは「相談しよう、そうしよう」の花一匁(はないちもんめ)という荒唐無稽感。このアルバムの冒頭2曲で今作の方向性がだいぶ見えてくると思います。
あとオマージュって元ネタに対してある一定のリスペクトがある場合に使われると思うんですけど、少なくともマーシーは70年代ハードロックってほぼ通ってないんですね。なので個人的に「相談天国」に関してはオマージュというより、マーシーの「こんな曲やったらなんか面白いんじゃね?」っていう悪ふざけというか深夜ノリっぽい感じがします。
ちなみにこのシングルのカップリング「デトロイト・モーター・ブギ」はタイトルとイントロをKISSのデトロイト・ロック・シティから引用してます。こちらはヒロト作。
3.オレメカ (作詞作曲:甲本ヒロト)
「オレ メカに弱えーから」。だからオレメカ。このアルバムにおけるヒロトが付けるタイトルの適当具合はかなりヤバいです。
一般的に機械音痴の男はモテないとか頼りないとかなんかマイナスなイメージしかないですが、この曲はそんな俺でも君のことが大好きなんだよね。それで充分っしょ!みたいな母性本能をくすぐるラブソングになっております。
キス キス キス キス キス キス キス
不完全な人間だけど
キス キス キス キス キス キス キス
完全なオレだ
4.アレアレ (作詞作曲:甲本ヒロト)
タイトルの適当具合に更に拍車がかかるヒロト作のストーンズっぽいブルージーなロックンロールナンバー。個人的に「アレ」がなんなのかというより、アレを「ただ前進させるぜ」の部分が重要な気がします。
5.レッツゴーハワイ (作詞作曲:真島昌利)
ハワイに行ったことがないマーシーが作ったハワイへの渡航を勧めるナンバー。一貫して歌われるのは「寒いの嫌ならハワイへおいでよ」ということのみ。
6.ロッキンチェアー (作詞作曲:甲本ヒロト)
ギターリフが印象的なヒロトによる楽曲。ちなみにこのアルバムと同日にシングルで発売されています。硬質なグルーヴがたまりません。やはりハイロウズの肝はリズム隊なんだと再確認する一曲です。
ちなみに同曲でテレビ朝日のミュージックステーションに初出演を果たしますが、番組の都合上、生演奏をさせてもらえなかったため、それを逆手に取りなぜか全員がトナカイの全身タイツで登場し、音源に乗せて珍妙な踊りを披露していました。
7.Happy Go Lucky (作詞作曲:真島昌利)
曲名の意味は「行き当たりばったり」。のちにシングルカットされます。MVがわけわかんないくらいめちゃくちゃダサいです。
8.ヌゲヌゲ (作詞作曲:甲本ヒロト)
ヒロトの曲名適当オノマトペシリーズ。粘っこいファンクな趣もある異質な一曲。この曲をやるとヒロトが脱ぎ出すことで有名。
9.変身リベンジャースーパーファイトバック (作詞作曲:真島昌利)
なんかよくわかんねーけどすごいタイトル。小学生が授業中、適当にノートに落書きした単語を繋いだ感じっていうか。
この曲は小中学生のいじめ問題に日々心を痛めているマーシー曰く、いじめで自殺するくらいなら「戦え!!!」というハードボイルドなメッセージを込めたとのこと。やられたら3倍にしてやり返せ!!!らしいです。いじめだけに限らずこの開き直りというか逆ギレが大事になる局面って結構ありますよね。いじめられてる奴らは一度はブチ切れた方がいいです。
10.ブンブン (作詞作曲:甲本ヒロト)
「オレメカ 」「アレアレ」「ヌゲヌゲ」に続くヒロトの曲名適当シリーズの4曲目。しかもこの曲にいたっては、アルバムに収録する曲が足りなかったので急遽追加で作ったという、エピソードまで適当な曲。主人公の蚊が「最近味が落ちてるぜ〜、ブーン」と人間に語るというなんやねんそれという歌詞ですが、ふいに
あー人間は 歯車じゃないんだろ
あー大変だ 君のかわりは
どこにも居ないんだろ
なんて歌われたらちょっと泣きそうになりますよね。泣かせるぜ、蚊のくせに。
11.シェーン (作詞作曲:甲本ヒロト)
1953年公開の西部劇映画と同タイトルの楽曲で、歌詞もそれに準じた西部劇をモチーフにした内容になってます。
個人的に、高校生の頃にモバゲーをやろうとアカウント名を考えていたら、いい名前が1ミリも思い浮かばず、唯一この「シェーン」と言う単語が頭に出てきたので打ち込んでみたらすでに使われており、苦肉の策として「シェーマ」って名前で登録したら、クラスメイトから「シェーマって何」と問われて返答に困ったというクソみたいなエピソードがありますね。忘れてください。
12.月光陽光 (作詞作曲:真島昌利)
これまではやりたい放題で火炎放射器をぶっ放し、あたり一面を焼け野原にしてアッハッハと笑ってるようなめちゃくちゃなアルバムでしたが、この曲は、この曲だけはなんか雰囲気が違います。
まずメロディーがこれまで発表されたハイロウズの中でも1番ブルーハーツっぽいです。ミドルテンポなんですがどっしりとした力強い重厚感もあり、そんでもってキャッチーです。
ためこんだ知識がクサれば
知ったかぶりより直感だ
今だけが生きてる時間
なのになぜ待っているのだ
遠くからは大きく見える
近づけばそれほどじゃない
からっぽに見えるけれど
きれいに澄んだ水がある
今までの動向を見てた側からしたら「なにごとか!?」と思うようなメッセージ性強めな歌詞。いよいよブルーハーツ解禁か!?という印象も感じられますが、そこら辺は次作「ロブスター」で色々とまた解説していきます。
んでここで終わろうと思ったんですが、実は2ndアルバム「Tigermobile」と3rdアルバム「ロブスター」の間に「4×5」というミニアルバムがリリースされてるんですね。申し訳ないんですけど完全に存在を忘れてました。
この記事書いてて、次はロブスターだな〜〜なんて呑気に考えていたらあ、やばい!すっかり忘れてた!って気づき、これ飛ばしていいですか?ってチャッピーに聞いたら「書いたほうがいい、てか書けよ」とAIにケツを叩かれるというあまりの情けなさにまあまあ落ち込みつつ気合を入れて書いていくことにしました。
なので次回はアナログ再発希望!ミニアルバム4×5の地味さと濃密度。そして第一回フジロックに出演!でお送りします!じゃあね〜。
