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問題のない結婚で、自分だけが消えていく理由

― 真面目な人ほど「役割」に殺され、主語を失っていく構造 ―


結婚生活に問題があるかと聞かれれば、多くの人がこう答えます

『特に大きな問題はありません』と

夫は働いてくれている
暴力があるわけでもない
浮気をされているわけでもない
借金に追われているわけでもない
週末には家族でショッピングモールに出かけ、傍から見れば『幸せな家族』の肖像画そのもののような生活を送っている

それなのに、ふとした瞬間に襲ってくる、正体不明の虚無感は何なのでしょうか

朝、家族よりも早く起きて朝食を作る背中
『行ってきます』という声に『行ってらっしゃい』と返す声
洗濯機が回る音を聞きながら、カレンダーの予定を確認する時間

その日常のどこにも、悲劇はありません
誰もあなたを虐げていないし、誰もあなたを罵倒していない

それなのに、鏡に映る自分の表情だけが、どこか薄い

楽しそうでもない
不幸そうでもない
ただ、自分がいない

まるで、『幸せな妻』や『良き母』というプログラムをインストールされて、『中の人』の意識が遠退いていくような感覚

もし、あなたが今、この感覚に少しでも覚えがあるのなら
そして、その苦しさを『贅沢な悩みだ』と自分自身で押し殺しているのなら

この記事は、あなたのためのものです

今回は、家庭という密室で静かに進行する『真面目な人の魂の殺人』について、そしてそこから『あなたという主語』を取り戻すための話をします

これは、離婚を勧める話ではありません
家庭を壊そうという扇動でもありません

ただ、あなたがこれ以上、『役割』という装置の部品として消費されないために、どうしても知っておくべき心のカラクリの話です

真面目な人ほど、壊れる時は静かである

一般的に、夫婦の問題というと、派手なトラブルが想像されます
不倫、モラハラ、金銭トラブル、嫁姑問題

これらは言わば『わかりやすい地獄』です
誰が見ても問題であり、誰に相談しても『それは辛いね』『別れたほうがいいよ』と共感してもらえます
傷口から血が流れているのが見えるから、手当てもできるし、逃げるための大義名分も立ちます

しかし、真面目な人が陥るのは、そんなわかりやすい地獄ではありません **真綿で首を絞められるような、静かなる地獄です

この地獄に陥りやすい人には、共通する特徴があります
それが『真面目』です

ここでの『真面目』とは、単に規律正しいという意味ではありません
『他人の期待に応えることを、自分の生存戦略にしてきた人』のことです

あなたは昔から、こんな風に生きてきませんでしたか?

  • 親や先生に言われたことは、文句を言わずに守った

  • 『手のかからない子』と言われることが、親への親孝行だと思っていた

  • 自分のワガママを通すことよりも、場の空気が乱れないことを優先した

  • 誰かが不機嫌だと、自分が悪いような気がしてオロオロした

そんなあなたが結婚すると、どうなるか
家庭という閉鎖的なコミュニティの中で、その真面目さをフル稼働させます

夫が靴下を脱ぎっぱなしにしても、『私が片付ければ済む話』と処理する
自分の体調が悪くても、『夕飯を作らなきゃ』と台所に立つ
不満があっても、『疲れている夫に言うのは可哀想だ』と飲み込む

あなたは叫びません
逃げ出しません
投げ出しません

むしろ、こう考えます

『私が我慢すれば、丸く収まる』
『これくらいで不満を言うのは、私の心が未熟だからだ』
『結婚生活が続いているのだから、きっとこれが正解なんだ』

そうやって今日も、あなたは自分自身に麻酔を打ちながら、『問題が起きていない結婚』を続けていきます

でも、ここに決定的な落とし穴があります

『問題が起きていないこと』と、『あなたが生きていること』は、全く別の話だからです

『役割』は人格を必要としない

なぜ、あなたはこんなにも苦しいのか
その正体は、あなたがパートナーや家族から『人間』としてではなく、『機能』として扱われているからです

結婚には、確かに『役割』があります
夫、妻、父、母、嫁、婿
社会生活を営む上で、役割分担は必要不可欠です

しかし、真面目な人ほど、この『役割』を完璧にこなそうとしすぎます
ちゃんとした妻
ちゃんとしたお母さん
ちゃんとした家庭の運営者

その結果、何が起きるか
相手(パートナー)は、あなたの『役割』を愛するようになります

美味しいご飯が出てくること
部屋が片付いていること
ワイシャツがクリーニングされていること
自分の機嫌が悪くても、ニコニコと受け止めてくれること

これは、あなたという『人格』への愛ではありません
あなたという『便利な機能』への依存です

厳しい言い方をしますが、機能として扱われている時、そこに人格は邪魔なだけです
掃除機に『今日は疲れたから掃除したくない』という感情が不要なように
冷蔵庫に『寒いから休みたい』という意志が不要なように

『機能』として優秀であればあるほど、相手はあなたの『感情』や『言葉』を聞こうとしなくなります
だって、便利だから
今のままで、自分にとって都合がいいから

あなたが『寂しい』と言えば、『何が不満なんだ、俺は働いているぞ』と返される
あなたが『辛い』と言えば、『みんなやってることだろ』と返される

これは会話が成立していないのではありません
『機能(家電)』が突然喋り出したから、故障したと思って叩いているのです

これが、あなたが感じている『話が通じない』という絶望の正体です

失われるのは自由ではなく『主語』

真面目な人が結婚生活で最終的に失うもの
それは、自由な時間でも、自由なお金でもありません

失うのは、『主語』です

独身の頃、あなたの人生の主語は『私』でした
『私は』これが食べたい
『私は』ここに行きたい
『私は』これが嫌いだ

しかし、真面目な人が『役割』に過剰適応すると、主語がすり替わります

『夫が』どう思うか
『子供が』喜ぶか
『世間的に』どうか
『普通は』どうすべきか

気づけば、一日の会話の中で、一度も『私は』という言葉を発していないことに気づくでしょう
自分の人生なのに、自分のハンドルを他人に握らせている
助手席で、運転手の顔色を伺いながら、『右に曲がってほしいな』と念じるだけの人生

それで、本当にいいのでしょうか?

このまま『物わかりのいい妻(夫)』を演じ続け、何もトラブルを起こさず、誰にも迷惑をかけず、そして誰の記憶にも残らない『機能』として一生を終えること

それが、あなたの望んだ結婚だったのでしょうか?

もし、『そんなのは嫌だ』と、心の奥底で小さな声がしたのなら。 まだ間に合います

壊れかけた自律神経は、思考のクセを変えることで修復できます
奪われた主語は、リハビリをすることで取り戻せます

ここから先は、真面目な人が陥っている『3つの致命的な誤解を解き明かし、具体的にどうやって『役割』を脱ぎ捨てて『自分』を取り戻すのか
その実践的なステップについて、深く掘り下げていきます

解決策は、『離婚』や『家庭崩壊』といった極端なものではありません
もっと静かで、しかし確実な、『不真面目になるための革命』です

もう、我慢を美徳にするのはやめましょう
あなたがあなた自身の人生に戻ってくるための、最初の一歩を始めましょう


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