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未来を編む「共創」の物語 〜Meta社との出会い、そして「モザイク型」の社会へ〜 |はじめてのnote

前回の記事で、私が介護の現場から東京大学の門を叩くまでの道のりをお話ししました。

一通のメールから始まった、学術の世界との繋がり。
それは、現場の小さな課題意識が、やがて大きな研究へと繋がっていきました。

【みんなで創り上げた「VR旅行」高齢者施設でついにお披露目!】 福祉領域におけるVRやARなどのXRテクノロジー活用の可能性を発信することを目的とした「VRを活用した未来の福祉プロジェクト」。その第一弾として今年3月より、Meta日本法人...

Posted by Meta on Thursday, August 17, 2023


今回お話ししたいのは、その繋がりがさらに広がり、世界的なテクノロジー企業であるMeta社(旧Facebook Japan)との「共創」へと発展していった経緯です。


これは、単なる企業との提携話ではありません。
私たちが目指す未来の社会像を、共に描き、共に実現していくための、まさに「仲間と未来を創る物語」なのです。

Meta社との協働の萌芽は、2019年に遡ります。
その頃、私たちは渋谷のスクランブルスクエアにある共創施設「SHIBUYA QWS」で、あるプロジェクトを立ち上げていました。

その名も「シン・ロウジン」。 このプロジェクトは、
高齢者という言葉が持つ固定観念を打ち破り、彼らが持つ経験や知恵、好奇心を社会の新たな力として再定義する試みでした。

単に高齢者の居場所を作るだけでなく、VRなどの最新テクノロジーを積極的に活用し、高齢者自身がコンテンツを制作したり、若い世代と交流したりする場を創出することを目指しました。

例えば、360度カメラを使って地域の魅力を発信するVRコンテンツを高齢者自身が制作し、それを地域内外に届ける。
あるいは、渋谷QWSの若者たちと交流し、世代間の壁を越えた学びの機会を生み出す。
そうした活動を通じて、高齢者が「受け手」ではなく「創り手」として、社会に積極的に関わっていく「アクティブシニア」としての新たな役割を模索しました。

この「シン・ロウジン」の活動は、日本バーチャルリアリティ学会(VRSJ)でも発表され、学術的な評価も得ることができました。

特に、高齢者がVRコンテンツを制作する過程で得られる「自己効力感」や「社会参加意識」の向上は、私たちの活動の大きな手応えとなりました。
高齢者の方々が、自らの手で生み出したVR映像を、目を輝かせながら見つめる姿。それは、テクノロジーが単なる道具ではなく、人々の心を豊かにし、新たな生きがいを創出する力を持つことを示していました。


点と点が繋がり、線となる瞬間 「シン・ロウジン」での実践と、東京大学での研究活動。これらを通じて、私たちは「福祉×VR」の可能性を多角的に探求してきました。

そして、その活動が、やがてMeta社の目に留まることになります。
2022年、Meta社は「VRを活用した未来の福祉プロジェクト」というテーマで、私たち一般社団法人デジタルステッキとの協働プロジェクトを発表しました。

【専門家が語る「福祉とXRテクノロジー」の可能性】 Meta日本法人Facebook...

Posted by Meta on Friday, December 23, 2022

これは、私たちの活動が、単なる一般社団法人の取り組みとしてではなく、グローバル企業が注目する社会課題解決のモデルケースとして認められた瞬間でした。

Meta社との協働は、私たちの活動に新たな広がりと深みをもたらしました。彼らの持つ技術力やプラットフォーム、そして世界的なネットワークは、私たちの活動を加速させる推進力となりました。

神戸でのプロジェクトはその象徴です。
地域のアクティブシニアが地域のVRコンテンツを制作し、地域の魅力を発信する。
これは、まさに「シン・ロウジン」で培ったノウハウが、より大きなスケールで社会実装されていくプロセスでした。

このプロジェクトは、単にVR映像制作をするだけではありません。
アクティブシニアが作成した地域のVR旅行映像を、要介護のパッシブシニアにVR映像を届けます。

高齢者がVRコンテンツを制作する過程で、新たなスキルを習得し、地域との繋がりを深める「生涯学習」の機会を創出しています。

また、地域の大学生たちもプロジェクトに参加をしました。
世代を越えて地域社会の課題にテクノロジーで向き合う「社会貢献」の意識を育む場となっています。

この世代間交流は、互いの理解を深め、地域全体の活性化に繋がる「地域貢献」の好循環を生み出しています。

「モザイク型」の社会へ
若年層と高齢者の特性が融合する未来 ここで、私たちがMeta社との協働を通じて見据えている、より大きな社会のビジョンについてお話しさせてください。

それは、「モザイク型」の社会です。 「モザイク型高齢者就労」という概念があります。
これは、高齢者がフルタイムで働くのではなく、自身のスキル、時間、場所の都合に合わせて、複数の小さな仕事を組み合わせて働くという考え方です。
まるでモザイクのピースのように、老若男女一人ひとりが持つ多様な能力や経験を組み合わせることで、社会全体として大きな労働力を生み出す。
これは、人生100年時代における、高齢者の新たな働き方として注目されています。

私たちは、この「モザイク型」の概念を、単なる「就労」に留まらない、より広範な社会参加のモデルとして捉えています。

VRやAIといったテクノロジーは、この「モザイク型」の社会を加速させる強力なツールとなり得ます。

例えば、要介護状態にある「パッシブシニア」と呼ばれる方々。
彼らは身体的な制約から外出が難しいかもしれませんが、VRを通じて世界中の景色を体験し、遠隔地の家族や友人と交流することができます。
これは、彼らのQOL(生活の質)を向上させるだけでなく、孤独の解消にも繋がります。年齢や障害を越えて就労するモデルケースもあります。

地域活動に意欲的な「アクティブシニア」は、VRコンテンツの制作を通じて、自身の経験や知識を次世代に伝え、地域社会に貢献することができます。

彼らが制作したコンテンツは、他の高齢者の「生涯学習」の機会となり、地域全体の「健康寿命」の延伸にも寄与するでしょう。
若年層と高齢者の特性が融合する「モザイク型」の社会では、誰もがそれぞれの能力や状況に応じて、社会に貢献できる「エコシステム」が構築されます。

若者はテクノロジーの知識や新しい発想を提供し、高齢者は人生経験や知恵、そして地域との繋がりを提供する。VRやAIは、その融合を円滑に進めるための架け橋となるのです。

この「モザイク型」の社会は、単なる理想論ではありません。
超高齢社会という課題に直面する日本だからこそ、具体的な解決策として追求すべき「日本ならではの取り組み」です。

私たちは、テクノロジーと人間の温かさを融合させることで、持続可能な社会モデルを構築できると信じています。

そして、それはSDGs(持続可能な開発目標)が掲げる「誰一人取り残さない」社会の実現に、直接的に貢献するものです。

「モザイク型高齢者就労」の概念をさらに深掘りすると、これは単に労働力の確保に留まらない、より本質的な意味合いを持ちます。
高齢者が持つ多様なスキルや経験は、これまで十分に活用されてこなかった社会の「宝」です。

例えば、長年培ってきた専門知識、地域コミュニティでの豊富な人脈、あるいは趣味を通じて得たユニークな視点。これらを細分化し、必要な場所に必要な形で提供することで、社会全体の生産性を高めるだけでなく、高齢者自身の「生きがい」や「自己肯定感」を育むことができます。

これは、単に経済的な側面だけでなく、精神的な豊かさにも繋がる、多面的な価値を持つアプローチです。
若年層との融合という点では、若者が持つデジタルネイティブな感覚や、新しいテクノロジーへの適応能力は、高齢者の経験と結びつくことで、新たな価値創造の源泉となります。


例えば、アクティブシニアは地域に長く住んでいるからこそ知っている「私だけのとっておきの場所」を知っています。

夕日がきれいな場所
近所の方が集う公園
昔ながらの商店街
静かな河川敷、、、

観光ガイドに紹介されない風景を知っています。そこを「VRを活用した未来の福祉プロジェクト」に参加した受講生が360度カメラで撮影するのです。



一方、若者はアクティブシニアが撮影したVR映像の編集をします。
シニア世代にとって動画編集は行程の多さから難しいですが、現代の若者にとっては作業工程だけでなく、幼少期から動画が当たり前なのでセンスある編集もします。若年層にとってVR動画の編集経験は、今後のキャリアにとってもプラスになることでしょう。

「VRを活用した未来の福祉プロジェクト」の受講生はVRを基軸に老若男女が技術を共有します。それを地域の社会貢献活動として不自由な高齢者が旅行体験を提供する。


実際にVR体験した施設にいる方々は自然と口をひらき人生経験に基づいたストーリーをお話します。


このストーリーはインターネットやAI生成されるようなものでない貴重な一次情報です。あの頃に戻ったかのような表情でした。


活動の状況はMeta社のSNSでの情報発信をサポートで世界中に広がりました。

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Posted by Meta on Tuesday, March 21, 2023

「VRを活用した未来の福祉プロジェクト」は、互いの強みを活かし合うことで、これまでには生まれなかったような、革新的なプロジェクトやサービスが生まれる可能性を秘めています。

世代間の分断を乗り越え、共に未来を築くための、具体的な「エコシステム」の構築に他なりません。

未来への確かな一歩

Meta社との協働は、私たちにとって、この「モザイク型」の社会を実現するための、確かな一歩となりました。
彼らの技術と私たちの現場での知見が融合することで、VRは単なるエンターテイメントツールではなく、社会課題を解決し、人々の生活を豊かにする「インフラ」へと進化を遂げようとしています。

私たちは、これからもMeta社をはじめとする様々なパートナーと共に、この「共創」の物語を紡ぎ続けていきます。

VRがもたらす福祉の未来は、まだ始まったばかりです。

しかし、その先に広がる可能性は、計り知れません。 この物語が、あなたの心に何かを響かせることができたなら、これほど嬉しいことはありません。

私たちの活動にご関心をお持ちいただけましたら、noteの「スキ」やフォローで、今後の進捗を見守っていただけますと幸いです。

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