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印刷業界では、なぜ「インキ」と呼ぶのか?

最近、SNSで印刷インキの話題を目にすることが(図らずも)多く、その多くが「印刷インク」と書かれているのがすごーく気になります。最近だけじゃなくって、わりとずっと印刷インキのことを「インク」と言ったり書かれているのを見ると、もやもやもやぁとしていました。

印刷に使うのは「インキ」です!!

頑固と、口うるさいと言われようとも(苦笑)、断固、印刷用のインキは「インキ」です。

印刷業界ではなぜ「インキ」と呼ぶのか。これは印刷インキは江戸時代後期、蘭学などと一緒にオランダから長崎に入ってきたためで、オランダ語の「Inkt(インキ)」に由来しています。

対して「インク(ink)」は英語で、万年筆などの文具や、印刷関連でもプリンタで使うインクは、インキではなくインクと呼びますね。こうして幅広く使われています。

こうなってくると気になるのが「印刷ってなによ?」ってことですよね。ね、ね? だって、印刷(オフセット印刷とかスクリーン印刷とかグラビア印刷)の英語がプリントなわけであって、そうなるとプリンタでプリントするのに使うのもインキじゃないかって思うわけですよ。

印刷もプリントも紙やその他のシート状のものに、文字や図柄を印刷しているのは同じわけですが、そのときに「版」を使っているものが印刷、使ってないものがプリンタだなと区分けしています。そして版を使って印刷するときに使うのが「インキ」、版がなくデータからダイレクトにプリントするときに使うのが「インク」。

万年筆やペンは「インク」なんですが、でもねぇ、そこにも例外が……。油性マジックの代表学「マジックインキ」……うわぁ! 版を使った印刷じゃないのに、筆記用具なのに、インキって言ってるではないか!

これはGeminiに聞いてみたら

発売された1953年(昭和28年)当時、開発元の寺西化学工業が「インキ」という言葉を会社や製品の標準として使っていたため

とのこと。ふーむ。調べたら謎が深まってしまった……。

まあ正直に言えば、インキもインクもどちらをどんなときに使っても川間ないのですが、でも印刷業界の近くに長くいる私にとっては、印刷インキのことをインクと言われると、なんだか気持ち悪くてむずむずしてしまうという、超個人的な感想のような記事でした。

ちなみにヘッダの画像は、インキに関する画像がなかったので、ちょうと手元にあった『印刷美術大観』から、すてきな刷りものの端っこについた色玉を写真にとったものでした。特色4色刷り、いいわぁ。

1928年刊行『印刷美術大観』。日本全国の印刷会社の自慢の印刷物を集めた、すばらしい印刷見本帳
石版印刷4度刷りのサンプル。「印刷藝術に猛進する!」かっこいい


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