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▶ ヤンキースもニックスもDAZNへ NY7球団を飲み込んだ配信大手と、制作会社になる放送【7/31】

野球ファンとバスケファンが肩を寄せる、同じアプリに集められた地下鉄の朝(Image)

DAZNが、米国の地域スポーツ中継ビジネスに初参入します。

DAZN自体は2018年からボクシングを軸に米国で配信事業を展開してきましたが、地元球団の試合を地域の視聴者に届ける「ローカル中継」の領域に踏み込むのは今回が初めてです。

提携したのは、MSGネットワークスとYESネットワークという2つの地域スポーツ専門局。

米国では、特定の地域だけで視聴できるスポーツ専門チャンネルが地元球団の試合を年間通して中継する仕組みが定着しており、MSGネットワークはニックス(NBA)とレンジャーズ(NHL)、姉妹局のMSGスポーツネットはアイランダーズとデビルズ(ともにNHL)、YESネットワークはヤンキース(MLB)とブルックリン・ネッツ(NBA)を、それぞれ中心的に扱っています。

今回の契約では、これにバッファロー・セイバーズ(NHL)を加えたニューヨーク周辺の計7球団が対象となります。

この契約により、ケーブルテレビに加入せず、ネット配信だけでこれらの試合を見たい人にとって、DAZNが唯一の窓口になります。

対象地域の利用者は、地元向けの試合中継に加え、MSG、MSGスポーツネット、YESの3チャンネルを24時間そのまま流すライブ配信、さらにハイライトやドキュメンタリーも視聴できます。

視聴者への影響は、大きく2つに整理できます。

1つは、すでにケーブルテレビなどの有料テレビを契約している人。

米国ではこうした契約者が、セット内のチャンネルをネット経由でも追加負担なく見られる仕組みがあり、この視聴方法は今後DAZNのアプリ上で提供されます。

追加料金は発生しません。

もう1つは、2024年にMSGネットワークスとYESネットワークが共同で立ち上げた配信アプリ「Gotham Sports App」の利用者。

こちらは2026-27年のNBA・NHLシーズンの途中で、DAZNへ移行することになります。

つまり、地元球団を見るための入り口が、DAZNに一本化されていく流れです。

DAZNが米国参入から8年もローカル中継に手を出せなかったのは、権利が「球団 → 地域スポーツ専門局 → ケーブル事業者」という三段構えで固く縛られてきたからです。

ケーブル会社が全加入者から視聴料を集め、それが局を経て球団へ流れる。

試合を見ていない加入者からも徴収できるこの仕組みは頑丈で、外部の配信事業者が割り込む隙がありませんでした。

裏を返せば、今回DAZNが入り込めたのは、ケーブル解約が進んで、その土台が痩せ細ったからです。

もう一つ注目したいのは、MSGネットワークスとYESが中継制作と番組供給に軸足を移し、視聴者との接点はDAZNが握った点です。

局は課金の窓口も顧客名簿も手放し、実質的に制作会社の位置へ移りました。

設備と運用の負担は軽くなりますが、誰がいつ何を見ているのかという情報を失う代償は、決して小さくないと考えられます。

では日本はどうでしょうか。
プロ野球は、ホーム球団が自分の主催試合の権利を持つ仕組みで、リーグがまとめて売る形にはなっていません。

そのため配信先が球団ごとに分かれます。

十二球団バラバラのまま、視聴者だけが毎年アプリを増やしていく春(Image)

2026年シーズンでいえば、DAZNは広島主催試合を配信せず、DeNA主催試合はU-NEXT、パ・リーグ6球団の主催試合はパ・リーグTVやベースボールLIVE、といった具合です。

12球団を1契約で追うなら、スカパー!プロ野球セット(月4,483円)がほぼ唯一の選択肢になります。

もっとも、パ・リーグは2007年に6球団共同出資でパシフィックリーグマーケティングを設立し、2012年にパ・リーグTVを立ち上げました。

まとまれば動けることは、すでに証明済みです。

ただ、球団の親会社が新聞社・放送局・通信会社という日本ならではの事情もあり、自社グループの配信サービスへファンを呼び込みたい力学は当然働きます。

ファンが迷わず試合にたどり着ける形になるまでには、もう少し時間がかかりそうです。

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