▶ モバイル関連市場11兆6,217億円、動画は114%成長でも利用者は増えていない【8/5】

一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は2026年7月31日、2025年(1〜12月)のモバイルコンテンツ関連市場の規模調査を公表しました。
市場全体は前年比111%の11兆6,217億円となっています。
内訳は、デジタルコンテンツを有料配信する「モバイルコンテンツ市場」が同112%の3兆6,231億円、通販やチケット販売などを含む「モバイルコマース市場」が同111%の7兆9,986億円です。
コンテンツ市場ではゲーム・ソーシャルゲーム等が1兆7,601億円と最大で、MCFはApple・Google以外の外部課金の売上比率拡大を成長理由の一つに挙げています。

動画・エンタテインメント市場は同114%の6,365億円、電子書籍市場は5,469億円、音楽コンテンツ市場は2,374億円です。
生成AIの利用拡大を背景に「その他」が同143%の4,422億円へ急伸しました。

動画・エンタテインメント市場の伸び率が114%と聞くと、配信サービスに人が雪崩を打って流れ込んでいる絵が浮かびます。
ただ数字の中身を見ると、少し違う景色が見えてきます。
GEM Partnersは2025年の定額制動画配信市場の成長要因を、利用者数の増加ではなく、価格改定による単価の上昇と、1人当たりの利用サービス数が1.8から2.0へ増えたことだと説明しています。
実際にNetflixは2024年10月、日本国内の料金を広告つきスタンダード790円から890円、プレミアム1,980円から2,290円へ引き上げました。

この改定が通年で効いたのが2025年です。
つまり、新しい人が増えたというより、同じ人が値上げを受け入れ、もう1本多く契約している。
MCFの調査は定義が異なるため単純比較はできませんが、動画・エンタテインメント市場が2024年の106%から2025年の114%へ加速した動きも、同じ力学で説明できる可能性があります。
スマホの中の可処分時間は増えていませんし、日本の人口も増えていません。
それでも市場が伸びるのであれば、増えているのは利用者数ではなく、1人が払う単価と契約本数だと考えるのが自然です。

伸び率の高さを需要の拡大と読むか、値上げの吸収余地がまだ残っていた証拠と読むかで、今後の見通しは大きく変わってきます。

