事実婚という生き方が不利益でないためには
法律婚の枠を超えて—広がる「事実婚」という選択肢
近年、多様な生き方や価値観が尊重される社会へと変化する中で、結婚のあり方もまた、多様化しています。昔ながらの「法律婚」にとらわれず、あえて「事実婚」という選択をするカップルが増えてきているのをご存知でしょうか。
法律婚の進展は女性の社会進出や男女平等の理念によって支えられてきましたが、「家族のあり方は一つではない」という考えから、事実婚を選ぶ人たちの存在感も高まっています。
この記事では、古くからの価値観から解放され、自分たちらしい人生を歩むために事実婚を選択した方々が、不利益を被ることなく、一つの生き方として尊重される社会を目指すために、私たちが何を考え、行動すべきかを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
1. 事実婚とは何か?その定義と法律婚との違い
「事実婚」の定義
「事実婚」とは、婚姻届を提出せずに、夫婦としての共同生活を送る二人の関係を指します。法律上は「内縁」とも呼ばれ、単なる同棲とは異なり、以下の3つの要素を満たしていることが一般的です。
婚姻の意思があること: お互いに夫婦として社会生活を営む意思を持っていること。
共同生活の実態があること: 同居し、生計を一つにしている(※1)こと。
社会的な認知があること: 周囲から夫婦として認められていること(例:親族や職場への紹介、公的な手続きでの届出など)。
2. 法律婚と事実婚の異なる扱い
事実婚は、婚姻届を出さないため、法律婚(民法上の夫婦)とは異なる扱いを受ける場面が多岐にわたります。日常生活での不便は少ないと感じる方もいる一方で、もしもの時に大きな影響が出ることも少なくありません。
夫婦の氏(姓)・戸籍および住民票の表記
【法律婚】
原則としてどちらかの姓に統一(民法750条)され、一方がどちらかの戸籍に入るため、戸籍構成が変わります。住民票上は「夫」「妻」と表記されます。
【事実婚】
それぞれの姓を維持でき、戸籍はそれぞれ独立したままで変化はないため、戸籍上に「配偶関係」は記録されません。住民票の表記は、自治体の裁量によって対応がわかれ、続柄は「夫(未届)」「妻(未届)」などと記載されたり、「同居人」になるケースもあります。
贈与税・相続税
【法律婚】
相続において、互いに法定相続人(※2)となる。また贈与税においては「配偶者控除(配偶者に対する贈与の特例)」がある。
【事実婚】
互いに法定相続権(※2)はなく、贈与においても法律婚が条件にあるため、「配偶者控除(配偶者に対する贈与の特例)」はない。
親子関係・子どもの親権
【法律婚】
婚姻関係にある女性が産んだ子は自動的に夫の子と推定され(嫡出子(※3))、夫婦の共同親権となります。戸籍には 「長男」「長女」などの続柄で記載されます。
【事実婚】
婚姻関係がない母から産まれた子は、父子関係が自動成立しないため、母親の単独親権となります。原則として「非嫡出子(※4)」として扱われ、戸籍の「子」欄の続柄には 「長男」「長女」ではなく、単に「男」または「女」とだけ書かれます。
所得税における配偶者控除
法律婚では適用されますが、事実婚では適用されません。つまり、事実婚ではこれらの税制上の優遇措置を受けることができません(※「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の詳しい制度の概要についてはこちらの記事で触れています)。
健康保険
自営業の方が加入する「国民健康保険」はそもそも配偶者という考え方がなく、法律婚と事実婚での違いはありません。違いがでてくるのは、会社員・公務員の方が加入する健康保険(「協会けんぽ」と「健康保険組合」)です。
【法律婚】
「協会けんぽ」「健康保険組合」ともに配偶者として認められ、扶養家族または第3号被保険者(※5)となることが可能です。追加の保険料なく、配偶者の保険証が発行され、医療費の自己負担が軽くなったり、出産・育児関連の給付などが受けられます。
【事実婚】
「協会けんぽ」と「健康保険組合」で以下のように対応が分かれます。
協会けんぽ:全国一律の基準で運用されているため、住民票の「続柄」が「妻(未届)」「夫(未届)」などになっていて、かつ生計維持関係(収入や同居)が確認できれば、被扶養者になれます。
健康保険組合:大企業や業界団体ごとに運営されているため、組合によって運用が違います。そのため、配偶者であることを認めるところもあれば認めないところもあります。
公的年金
日本の年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の2階建ての運用になっており、「厚生年金」で大きな違いが出てきます(国民年金はそもそも配偶者という考え方はないため、違いは生じません)。
【法律婚】
「厚生年金」に加入する場合、収入要件を満たせば「第3号被保険者」になれます。
【事実婚】
「厚生年金」の「第3号被保険者」になれるかどうかは、管轄の年金事務所の対応によって分かれます。ただ、近年事実婚でも一定の条件下で「第3号被保険者」として認める運用をするところも増えてきています。
また、法律婚なら自動的に適用される「遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)(※6)」を受給する際には、審査がかなり厳格になり、事実婚の実態証明をする負担が生じます。
団体信用生命保険
「団体信用生命保険」は、契約者本人が亡くなったり高度障害になった場合に、残りの住宅ローンが保険金で清算される保険制度です。法律婚も事実婚も「住宅ローンが完済される」という点においては効果は同じです。
【法律婚】
先述のように、法定相続人であるため、相続で家を受け継げることができます。家の所有権がどちらか一方でも、配偶者には「配偶者相続権」があるので法的に保護されるため、住居を失う恐れがありません。
【事実婚】
事実婚のパートナーには相続権がないため、もし家の所有権を持つ方が亡くなった場合、その家の所有権が親族に相続されてしまうため、事実婚のパートナーは法的に追い出されるリスクがあります。
生命保険
保険に関して大まかに説明すると、保険を契約し、保険料を支払う人を「契約者」、保障を受ける保険の対象となる人、つまり本人の生死や病気、ケガなどが保険の対象となる人を「被保険者」といいます。さらに保険金などの補償を受け取る人を「受取人」と呼びます。
保険契約自体は法律婚であろうと、事実婚であろうと可能です。ただし、保険金の受取人は、誰でも自由に指定できるわけではありません。
保険会社は「その人が亡くなったら生活に直接影響を受ける家族やパートナー」といった、「保険金を受け取る理由がある人」に限って指定を認めています。これは赤の他人を受取人にすると犯罪に悪用されるおそれがあるためです。
このため、以下のような差が想定されます。
【法律婚】
配偶者を保険金受取人に指定した保険契約を結べ、実際に保険金を受ける際には、相続税上の優遇措置を受けることができます。
【事実婚】
保険契約自体は可能ですが、保険会社によって「誰を受取人にできるか」の規定が異なってきます。保険会社によっては「他人」扱いとなり、受取人指定に制約がある場合があります。
そして、税制上での優遇が受けることができる範囲が狭まります。
まず、法律婚で配偶者を受取人した場合において、そのパートナー(=被保険)が死亡したときは、その保険金にかかる税金は相続税ですが、事実婚の場合は「他人」扱いになるため、相続税上の優遇(非課税枠)が適用されず、全額が課税対象となる上、税率の高い贈与税または所得税(一時所得)の対象となる場合もあるため、税制上大きな不利益となります。
さらに、所得税上の「生命保険料控除」にも影響が及びます。所得税法上の生命保険料控除の対象となる保険契約は、保険金等の受取人のすべてが、保険料を支払う納税者本人またはその配偶者その他の親族である必要があります。
つまり、事実婚では、所得税上、保険金受取人が「他人」扱いになるため、「生命保険料控除」が受けられないということになります。
医療同意・手術
医療同意とは、医師が患者に病状、治療法、危険性などを十分に説明し、患者本人が医療行為を受けるかどうかを自分で決定する権利を行使することです。インフォームド・コンセントともいわれます。
患者本人の判断が難しい場合は、家族などの代理人が患者の意思を推測して代替的な意思決定を行うことがありますが、この意思決定が認められやすさに違いが出てきます。
【法律婚】
家族として容易に同意でき、面会権も主張しやすいです。
【事実婚】
病院によっては「家族」と認められず、同意できない場合があります。実際の判断は現場の病院での実務慣行により、現場は時に難しい判断を迫られる場合もあります。
また面会を要請しても「家族」とみなされない場合は、断られるケースも十分想定されます。
離婚・解消
【法律婚】
離婚手続き(離婚届・調停など)を通じて正式に関係を解消することができます。
【事実婚】
形式的な“解消”手続きがないため、実態的に別れただけになります。関係が切れた後の財産請求/責任追及で混乱することも想定されます。
主に以上のような、違いが出てきます。法律上「これが事実婚である」と自動的に認められるわけではないため、万が一、争訟などになったときには、「どのような実態関係があったか」が争点になります。
特に、相続や子どもの親権、そしてもしもの時の医療同意など、重要な場面で不利益を被る可能性があるため、事実婚を選ぶ際には、こうした実態に対してしっかりと理解しておく必要があります。
3. なぜ「事実婚」を選ぶのか?
事実婚を選ぶ背景には、個々の多様な価値観や事情があります。多くの人が語る主な理由は以下の通りです。
1. 夫婦別姓を維持したい
最も大きな理由の一つです。現在の日本では、法律婚の際に夫婦同姓が義務付けられています。キャリア上の名前、社会生活での名前を変えることによる不便さや、個人のアイデンティティとしての姓を維持したいという強い希望から、事実婚を選択します。
2. 法律婚に縛られたくない
法律婚は、戸籍制度や離婚時の財産分与、親権など、多くの法律的な権利と義務を伴います。これらに対し、「形式的な法的な縛りなく、お互いの信頼関係で結ばれたい」と考える方もいます。
3. 財産や相続の事情
過去の結婚や、親からの財産管理、事業承継(※7)などの都合上、例えば、親の遺産を子に優先させたい、既に子どもがいる関係、前婚の関係を残したい、など、新たな法律婚によって複雑な相続関係や財産管理を生じさせたくないという理由から、事実婚が選ばれることもあります。
4. 過去の結婚経験からの選択
一度法律婚を経験し、その手続きや形式(離婚時の精神的負担・戸籍の扱われ方・役所手続き)に煩雑さや困難さを感じた結果、「次は形式にこだわらず、愛情と実態を重視したい」と事実婚を選ぶ方もいます。
5.文化・思想的選択
「結婚制度そのものを疑う」「法制度が関与しすぎることを嫌う」「関係性は合意と信頼で成り立つべき」など、制度主義を超えた価値観などを持つ人もいます。
6.国際パートナー関係
国際結婚・ビザ関係・国籍制度との兼ね合いで、法律婚が障壁になる場合、事実婚という形を選ぶケースも。
これらの動機は混ざり合っていることが多く、「自分の人生設計・価値観・リスク耐性」を反映する複合的な選択肢として、事実婚を選ぶ人たちがいます。
4. 事実婚をあえて選択するメリット
事実婚はデメリットばかりではありません。あえてこの形を選ぶことには、自分たちらしい生き方を追求できるという大きなメリットがあります。
夫婦別姓の維持: どちらのアイデンティティも保ちながら生活できます。
手続きコストの回避: 入籍・改名・離婚などの役所手続きや書類改訂を回避できます。また国家資格の中には、改姓のために資格の変更手続きが必要となり、その費用に数十万単位の費用がかかるケースもあります。
関係解消のハードルが低い: 法的離婚手続きではないため、別れやすさ(法制度による制約が少ない)を好む人には気楽。
財産分離の明確さ: 法律婚よりも各自の財産が独立しており、財産管理の柔軟性が高まります。
精神的な自由: 形式的な法律上の手続きに縛られず、「関係性を自分たちで築く」という自立した意識を高く持てます。
社会保障制度の柔軟性: 法律婚と違い、配偶者控除が適用されないなどの点から、税制上の優遇措置に依存しない、それぞれの自立した経済生活を維持しやすいという側面もあります。
LGBTQ+カップル: 法的な婚姻制度を利用できないカップルにとって、相互扶助を公的に証明する最善の手段となります。
5. 事実婚という選択が被るデメリットとその対策
一方で、前述の通り、事実婚は「相続権がない」「保険の受取人指定に制約がある」「医療機関での同意権に制限がある」など、もしもの時のリスクがあります。これらのデメリットを乗り越え、不利益を被らないようにするためには、自助努力による契約や手続きが不可欠です。
想定される各デメリットとその具体的な対策(提案)は以下の通りです。
相続権がない
たとえ長年連れ添っていても、法律婚でなければ法定相続人とは認められません。遺言がなければ配偶者に遺産が渡らないことがあるため、配偶者に財産を遺すためには、遺言書の作成や死因贈与契約(※8)の締結が必要となってきます。
医療機関での同意が困難
先述のように、医療同意や面会権などを認められないケースがあり、施設の慣行・担当者の判断に左右されやすいです。そのため任意後見契約(※9)や準委任契約(見守り契約)の締結、公正証書(※10)による夫婦関係の証明をあらかじめしておくと安心です。
財産分与の証明が複雑
公正証書で事実婚契約書を作成し、財産分与や生活費の負担割合などを明確化しておくと避けられます。
子の法的地位が不安定
父親による認知届(※11)の提出、養子縁組(※12)の検討も視野に入れることも対策の一つです。
社会的偏見・差別
「ただの同棲」という軽視、親世代・伝統的価値観からの批判、「ずるい」と見なされる場面に遭う可能性もあります。
また、同性のパートナーシップなど、法律婚が認められていないカップルにとって、事実婚は唯一の選択肢となりますが、これにより相続や税制上の不利益を被ることは、法制度の不備による構造的な差別とも言えます。
経済的リスク
ローン審査や福利厚生の適用対象外となる場合もあり、法律婚よりも経済的に不利となる場面が想定されます。
法制度の変動リスク
現在は、年金や健康保険などで事実婚が認められているケースもありますが、それはあくまで制度の「解釈」に基づいた取り扱いです。将来制度が見直され、法律婚に限定される可能性もあり、その際に過去分まで補償されるとは限りません。
6. 海外の事実婚への視点と政策の現状
世界に目を向けると、事実婚もしくはそれに相当する関係に対する社会的な位置づけは日本よりも進んでいる国が多くあります。
欧州・北欧の制度模型
スウェーデン
「sambo(居住パートナー)制度」があり、共同生活を始めた時点で「共住関係」として一定の保護が働き、特に共有住宅や家財の分割規定などが整備されています。ポルトガル
「De facto union」という制度を設け、登録を要せず、一定年数の共同生活を経れば権利主張可能な制度が存在しています。EU域内(共住カップル)
多くの国が「登録パートナー制度」や「共住契約(unregistered partnerships)」を認め、移動権(※13)、扶養義務、相続・維持請求などを部分的に認めている。
例えば、フランスのPACS(民事連帯協約)は、性別を問わず成人二人の共同生活を公的に認める制度です。これを締結することで、所得税の共同申告、社会保障制度上の優遇、賃貸契約での権利継承などが可能になります。法律婚以外の関係性を公的に承認し、一定の権利と義務を与えることで、「法律婚のデメリットを嫌った消極的な事実婚」ではなく、「望ましい選択肢としての事実婚」を可能にしています。
英米圏の「コモンロー・マリッジ」
イギリスのコモンロー(common-law:判例法(※14))の伝統に基づき、正式な婚姻届出がなくても夫婦関係を事実から認めてきた歴史が由来となっています。
イギリスでは、「common-law marriage」という言葉は広く使われているものの、法的根拠は存在せず、実際は「同居パートナー(cohabiting partners)」として扱われ、日本と同じように保護が限定的となっています。
一方、米国では州ごとにルールが異なり、現在、コモンロー・マリッジを認めている州(例:コロラド州、アイオワ州、カンザス州、モンタナ州など)はごく一部となっています。
認めている州に住む事実婚夫婦は、諸条件を満たすと「婚姻」と見なされ、財産分与、相続、医療上の同意権、税制など、多くの面で法律婚と同等の権利が付与されます。
これらの事例から学べるのは、個人の生き方を尊重し、法律婚と同等の社会的保護を部分的に提供する制度が、多様な生き方を許容する社会の実現に不可欠だということです。
7. 事実婚が「不利益でない」選択肢であるために
事実婚をあえて選ぶ人たちが、法の不備から不利益を被ることなく、「選択の一つ」として尊重される社会であるためには、社会全体の意識と、制度の変容が求められます。
1. 制度・法整備への提案
事実婚関係を公的に証明する制度(PACSのような制度)の導入により、行政や民間サービスが「家族」として一律に扱えるようにすること。
健康保険や生命保険において、事実婚のカップルを法律婚の配偶者と同様に扱うことを義務付けるガイドラインの策定。
別姓の自由を認めること。これにより、氏(姓)を変えたくないという理由で「消極的に事実婚」を選ぶ人々を減らすことができます。
2. 私たち一人ひとりの行動と意識
事実婚は、単なる同棲ではなく、お互いの意思と信頼に基づいた真摯な関係です。この関係性を社会全体が理解し、偏見を持たずに受け入れることが大切です。
多様な生き方を否定するのではなく、応援し、互いに支え合う。
法律婚を選ぶ人も、事実婚を選ぶ人も、あるいはその他の生き方を選ぶ人も、誰もが自分らしく、幸せに暮らせる社会。その実現のために、私たちは制度の変革を求めつつ、まずは身近な人間関係の中で、多様な「家族のあり方」を温かく受け入れる意識を育んでいく必要があるのではないでしょうか。
【参考記事】
「ただの同棲でしょ」事実婚に広がる認知と批判…法律婚と何が違う?当事者「日常生活での不都合は多くない」「保険の受取人を母から夫にしたことで『他人を指定した』となり…」
【注釈】
(※1)生計を一つにしている
共通の資金で生活を営んでいること。内縁の成立要件としては同居が原則だが、経済的な結びつき(生計一)を重視する点で単なる同棲と区別される。
(※2)法定相続人・法定相続権
民法で定められた相続の権利(法定相続権)を持つ人。具体的には、被相続人(亡くなった人)の配偶者、子、親、兄弟姉妹などが該当。
(※3)(※4)嫡出子・非嫡出子
嫡出子は、法律上の婚姻関係にある男女(夫婦)の間に生まれた子を指し、「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」とは、婚姻関係にない男女の間の子を指し、一般に婚外子とも呼ばれる。
(※5)第3号被保険者
国民年金の加入者のうち、厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収要件あり)を第3号被保険者という。保険料は、第2号被保険者全体で負担するため、第3号被保険者が個別に納める必要はない。
(※6)遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)
国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった人が、亡くなったときに、その人によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金。
(※7)事業承継
会社の経営権や事業そのものを後継者に引き継ぐこと。
(※8)死因贈与契約
贈与者(財産を渡す人)が死亡した時点で、特定の人(受贈者)に財産を渡すことを約束する契約。生前に両者の合意が必要で、口約束でも成立するが、トラブルを防ぐ観点から契約書(特に公正証書)を作成するのが一般的。
(※9)任意後見契約
将来、認知症などで判断能力が低下した際に備え、信頼できる人(任意後見人)に生活や財産管理を任せるための契約。本人の判断能力が十分なうちに、公正証書によって契約を結ぶ。本人が信頼できる後見人を自分で選ぶことができる。
(※10)公正証書
公証人が公証人法に基づいて作成する、高い証明力と、金銭債務に関する強制執行力を持つ重要な公文書。遺言、任意後見契約、養育費、慰謝料、財産分与などの幅広い契約内容について作成でき、紛争の予防や権利の迅速な実現に役立つ。
(※11)認知届
認知届とは、婚姻関係にない父と子の間に法的な親子関係を成立させるための届出。事実婚の夫婦の間に生れた子は非嫡出子で父親と親子関係が法的にないため、父親が「認知」することで親子関係が成立する。
(※12)養子縁組
親子関係のない者同士の間に法律上の親子関係を創設する制度。養子となることで、養親の法定相続人になることができる。
(※13)EU圏内の移動権
EU域内で国境を越えて移動し、暮らし、働くことができる権利。国籍が違うカップルが別の国に移住・就労する場合、「法律婚」でない事実婚パートナーも帯同できるかが大きな課題になる。EUは比較的「事実婚=家族」と認める方向に政策が整っている国が多い。
移動権には「家族も一緒に移動できる権利」が含まれる。もし事実婚が法的に認められていなければ、パートナーは「ただの他人」として扱われ、同行や滞在許可が拒まれる可能性がある。
(※14)判例法
繰り返し行われた裁判所の判決が、将来人々の守るべき規範となり、法源(法の根拠)として効力を持つようになった法体系。英米法(コモンロー)圏の主要な特徴です。日本の法体系は成文法(制定された法律)を法の中心とするため、判例は直接的な法源とはなりませんが、最高裁判所の判例は下級審に対し、事実上極めて強い拘束力を持ちます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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