維新が絶対条件とする「副首都構想」―私たちは何を得られるのか?―第1部:なぜ大阪市民は2度も「NO」を突きつけたのか―大阪都構想が否決された10の理由
はじめに
2025年10月20日、自民党と日本維新の会が「連立政権合意書」を交わしました。その際、日本維新の会が絶対条件の一つとして掲げたのが「副首都構想」です。
この副首都構想とは一体何なのか。そして、私たち市民にとってどのような意味を持つのか。本シリーズでは、3回に分けて丁寧に読み解いていきます。
第1部(本記事):大阪都構想の過去を振り返る
そもそも大阪都構想とは何だったのか、そして2度にわたる住民投票で否決された理由を、反対派が危惧した10の懸念から整理します。
第2部:副首都構想の正体を探る
副首都構想とは何か、大阪都構想とどう違うのか、そして日本維新の会がなぜこれほど固執するのかを明らかにします。
第3部:私たちの生活への影響を考える
副首都構想が実現した場合のリスク、地方創生との関係、そして世論が本当に求めているものとのギャップについて考察します。
それでは、まず第1部として、過去2度否決された「大阪都構想」について振り返ってみましょう。
2025年10月20日、自民党と日本維新の会が20日に「連立政権合意書」を交わしました。その交渉過程で、日本維新の会の吉村洋文代表が絶対条件の一つとして掲げたのが「副首都構想」です。
大阪市民である私にとって、この話題は複雑な思いを抱かせます。かつて「大阪都構想」として2度にわたり住民投票で否決され、日本維新の会の吉村代表も「僕自身が(再び)大阪都構想に政治家として挑戦することはない」と発言されました。
しかし今、形を変えて再び浮上してきたこの構想。一体、私たち市民にとってどのような意味を持つのでしょうか。
世論調査では、多くの国民が「物価高対策」や「賃上げ」といった経済政策を最優先課題として挙げています。
そうした中で、なぜ「副首都構想」が連立の絶対条件とされるのか。そして、仮に実現された場合、私たちはどのような恩恵を受けられるのか。この記事では、丁寧に紐解いていきたいと思います。
1.そもそも「大阪都構想」とは何だったのか
まずは、「副首都構想」を理解する上で欠かせない「大阪都構想」について振り返ってみましょう。
政令指定都市の「区」と特別区の違い
大阪都構想を理解するには、現在の大阪市の仕組みを知る必要があります。大阪市は「政令指定都市」として、24の行政区に分かれています。しかし、この「区」は東京23区のような「特別区」とは全く異なるものです。
その大きな違いを比較をしてみましょう。
政令指定都市の区の特徴(大阪市)
区長は市長が任命する職員であり、住民が選ぶことはできません。
独自の予算編成権や条例制定権を持ちません。
主に窓口業務など市民サービスの提供を担当します。
大きな権限は大阪市(市長と市議会)が持っています。
東京の特別区(23区)の特徴
区長は住民が直接選挙で選びます。
独自の予算編成権や条例制定権を持ちます。
区独自の議会が存在します。
基礎自治体として、住民に身近な行政サービス(福祉、保健衛生、教育の一部など)を提供します。
ただし、上下水道など大規模インフラは東京都が担当します。
大阪都構想の目的
大阪府と大阪市には、それぞれが大規模な人口を抱え、産業・都市インフラ・経済において重要な役割を担っていますが、両者がバラバラに意思決定を行い、財源を別々に管理していることで、住民サービスの重複や効率低下を招いているという認識が一部にありました。
そして、大阪都構想は、大阪市を廃止して4つ(当初は5つ)の特別区に再編する構想でした。その主な目的として掲げられていたのは
二重行政の解消: 大阪府と大阪市が類似の施設や事業を別々に運営することで生じる無駄をなくす。
広域行政の一元化: 大阪市という政令指定都市が担ってきた行政権限や財源のうち、広域的な事務(都市計画、大規模インフラ整備、消防など)を大阪府(大阪都)が一元的に担う。
住民に身近な行政の実現: 特別区が基礎自治体として、住民により近い立場で「きめ細かな住民サービス」を提供することを期待していました。
つまり、都構想は「広域行政は府に一元化し、基礎自治は特別区で充実させる」という、権限と財源の再編を目指すものでした。大阪維新の会は、この構想により年間約200億円のコスト削減効果があると主張していました(2020年住民投票時の試算)。
2.二度の住民投票とその結果
大阪都構想は、2度にわたり住民投票にかけられました。
第1回住民投票(2015年5月17日)
橋下徹氏が大阪市長として推進した第1回目の住民投票では、反対694,844票(50.38%)、賛成692,206票(49.62%)という僅差で否決されました。
この結果を受けて、橋下氏は政界引退を表明。「民意が示された。都構想は終わった」と語り、自身の政治家としてのキャリアに区切りをつけました。
第2回住民投票(2020年11月1日)
しかし、2019年に大阪市長となった松井一郎氏(当時は大阪府知事)と大阪府知事となった吉村洋文氏(当時は大阪市長)が、再び都構想実現に向けて動き出します。
2020年11月1日に実施された2回目の住民投票では、反対692,996票(50.6%)、賛成675,829票(49.4%)で再び否決されました。第1回よりも差は広がる結果となりました。特に大阪市24区中14区が反対票を上回りました。
この結果を受けて、松井氏は「これで都構想は終わる。もう住民投票はしない」と明言。吉村氏も「僕自身が(再び)大阪都構想に政治家として挑戦することはない」と発言されました。
ところが、2025年夏の参議院選挙では、日本維新の会が「副首都構想」を公約に掲げ、福岡での演説では「福岡も副首都になり得る」と発言するなど、新たな展開を見せています。
それだけに、今回の「副首都構想」を連立の絶対条件とする動きに対して、「事実上の都構想再燃ではないか」という戸惑いの声も聞かれます。
3.「大阪都構想」―反対派が危惧した理由とは
2度にわたり住民投票で否決された大阪都構想。僅差での結果とはいえ、反対票が上回ったのには理由がありました。反対派が挙げた懸念事項を整理してみましょう。
1. 住民サービスの低下への不安
反対派からは、特別区設置後の住民サービス維持について、賛成派が「内容や水準を維持するよう努める」としている点が、義務ではなく努力目標でしかないと指摘されました。
具体的には以下のような懸念が示されていました。
敬老パスや給食費無料化の廃止リスク: 70歳以上を対象に公共交通機関の乗車料が安くなる「敬老パス」や小中学校の給食費無料など、大阪市民からの人気の高いサービスも削減対象になりかねないという指摘がありました。
特別区間の財政力格差: 特別区ごとに財政力に差が生じた場合、サービス水準に地域差が出る可能性が懸念されていました。
2. コスト削減効果への疑問
賛成派が都構想の実現で年間4000億円の支出を抑えることができるという試算について、反対派は「実際の効果は1億円しかない」と主張し、都構想を実現するために800億円の費用がかかると反論していました。
さらに、初期費用や新しい行政運営体制の維持コストは、最終的に住民の税負担につながる可能性があり、特別区ごとの財政力に差が生じた場合、住民税や特別区税が増加することが懸念されていました。
3. 「三重行政」になる懸念
水道事業や児童自立支援施設、保護施設、市立病院、斎場など分割できない行政サービスについては「一部事務組合(※)」という協同組織をつくり運営することになり、この一部事務組合が担当する業務は100以上にのぼるとされていました。
反対派は「大阪府」「特別区」「一部事務組合」の三重行政になると批判 し、かえって行政の複雑化を招くのではないかと指摘していました。
(※)一部事務組合
「一部事務組合」とは、複数の市町村などが一部の事務を共同で処理するために設置する「特別地方公共団体」です。消防、ごみ処理、火葬場などの運営のために設置されることが多く、共同処理によって効率化や強化を図ります。組合設立には、関係団体の協議と議会での議決、および都道府県知事など(都道府県への加入の場合)の許可が必要です。
4. 大阪市の権限・財源の喪失
政令指定都市である大阪市を廃止するという「大阪都構想」は、時代に逆行する構想であり、現在、全国では市町村合併により府県の権限を市町村におろす、地域内分権が進められているという趨勢に反するという批判がありました。
自民党の左藤章元衆議院議員は、大阪市の持つ政令市という自治権を放棄し、特別区という権限の弱い自治体になることを「飛車・角を歩にする」と表現し、強く反対していました。
5. 東京都の特別区制度の問題点
「大阪都構想」のモデルとなる東京都では、特別区民の税収のほとんどが都に吸収されているのに、多数の議員・職員への人件費がかさみ、その非効率さが問題視されているという指摘もありました。
東京の制度をそのまま大阪に適用することの妥当性について、疑問が呈されていたのです。
6. 住所変更に伴う負担、地域のアイデンティティの喪失
大阪市が廃止されれば住所が変わり、免許証や年金手帳などの役所関係書類の変更手続きは、当然ながら役所が行います。
しかし、それ以外、例えば企業・団体などで管理している名簿・商用封筒・名刺・ハンコなどの住所変更は住民たちが自分でしなければならず、その費用は自己負担となる点も、実務的な負担として指摘されていました。
また、都構想が実現した場合の住所名のややこしさも問題視されていました。
特別区移行後の地名の呼び方は、基本原則として〈特別区名+現在の行政区名+町名〉となる予定で、例えば、大阪市浪速区日本橋は中央区に再編されるため、新住所は「中央区浪速日本橋」となります。
さらに、「住之江区住之江」→「中央区住之江住之江」などの“かぶりパターン”や、「阿倍野区天王寺南」→「天王寺区阿倍野天王寺南」といったように住所のややこしくなることに対する心配もありました。
さらに、大阪市が特別区に分割されることで、従来の大阪市の一体感や地域としてのアイデンティティが失われる可能性があり、「大阪市」というブランドや文化的なつながりが薄れてしまう懸念も示されていました。
7. 区割りへの不満
2020年の4区案では、港区や此花区が「淀川区」となるなど、2015年の5区案で「湾岸区」とされていた地域が地理的に距離のある区に統合されることへの不満もありました。地域の歴史や実情を十分に反映していないという批判です。
当時、街宣活動中の維新市議が〈新住宅表記に「西成」を入れないで欲しいと多くの方々から要望されます〉とツイッターに投稿すると、歴史ある西成の地名に愛着を持つ市民からの猛反発を招いた。
実は、「日雇い労働者の街」として知られるあいりん地区がある西成区はマイナスイメージを誘うこともあり、この地名を嫌う住民は少なくない事情があります。一方で郷土愛溢れる住民も多く、西成の地名を残すか、消すかの議論は、まさに差別の助長や禍根を残しかねない問題も生じさせるものでした。
他にも、区役所のワークスペースの確保のために、職員の越境出勤なども問題視されていました。

(「大阪都構想 住所表記変更で“どっちやねんパターン”が発生」から引用)
8. 説明不足・情報の偏り
都構想を判断する上で、市民が十分な情報を得られていたのかという点にも、大きな問題がありました。
✅住民説明会の大幅削減
2015年の第1回住民投票では39回開催された住民説明会が、2020年の第2回では新型コロナウイルスの影響でわずか8回に縮小され、他はオンライン説明会で対応する方針となりました。
特別区設置法第7条2項は住民投票に際し、「協定書の内容について分かりやすい説明」を求めていますが、コロナ禍での開催は大幅な縮小が避けられませんでした。
さらに、説明が約1時間半だったのに対し質問時間は約40分で、複数の参加者が手を挙げたまま時間切れとなりました。質問できなかった参加者からは「市長の説明と同じくらい質問の時間があって初めて丁寧な説明と言えるのでは」との不満が出ていました。
✅反対意見の排除
説明会では、第1回は反対派も含めた各政党の主張をまとめたチラシを配りましたが、第2回は見送られたほか、公明党が賛成に転じたため、「議会の多数派が決めた内容に沿った説明」などとして終始、メリットばかりを強調する内容となりました。
説明会でデメリットについて問われた松井市長は、特別区の設置コスト(初期費用で約240億円)を挙げたが「先行投資だ」と主張し、参加者からは「デメリットの説明がない」との不満が相次ぎました。
✅経済効果試算の問題
推進派が主張する「10年で最大1.1兆円の経済効果」という試算にも、大きな問題がありました。
この試算は、大阪府と大阪市が嘉悦大学付属経営経済研究所に業務委託したもので、人口50万人規模の自治体で住民一人当たりの行政運営経費が最少になるという先行研究に大阪都構想を当てはめたものでした。
しかし、この報告書については、2019年12月以降、「記載通りの数式や係数を用いて計算すると、歳出は逆に1兆円以上増加する」とした誤りを指摘する手紙が外部から届き、2020年2月には試算に用いた数式や参考論文名に誤記載などがあったとして計40ヶ所を訂正、2020年6月には94ヶ所の誤記載が確認されたとして2度目の訂正が発表されました。
本来、割るべき数値を掛けるなど、データの計算に複数の誤りが判明し、効果額は5128億~1兆1366億円に訂正され、最大で387億円縮減しました。説明に使われた用語の誤記載など初歩的なミスも新たに多数見つかりました。
✅反対派試算の不在と中立性の欠如
重要なのは、この経済効果試算が推進側の委託によるものだけで、反対派や中立的な立場からの試算が公式に提示されなかったことです。
主要な経済シンクタンクでは試算の前提となる経済施策が不明瞭なことや、構想の政治的な色彩が強過ぎることから、試算を発表しませんでした。
専門家の一人は「試算をすれば、どうしても賛成、反対というスタンスがにじんでしまう。1.1兆円の歳出削減効果を試算した数値に"立てつく"ことにもなりかねず、見送った」と説明しています。
つまり、中立的な経済シンクタンクは、政治的な圧力を懸念して試算を避けた可能性があるのです。
9.学者からの批判―推進派が語らなかった重要事項
大阪都構想を推進する知事や大阪維新の会の宣伝活動には、不利な重要事項にはほとんど触れないという問題が指摘されていました。具体的には、以下のような重要な情報が十分に説明されていませんでした。
✅海外の大都市自治体との国際比較
海外でも人口200万人程度の有力な大都市自治体が多いという事実は、ほとんど紹介されませんでした。(ちなみに2020年時点の大阪市の人口は275万2,412人)
例えば、パリ市(約220万人)、ハンブルク市(約190万人)、ミュンヘン市(約150万人)、ウィーン市(約190万人)など、これらの都市は、大阪市と同規模またはそれ以下の人口でありながら、統合された大都市自治体として国際的に高い評価を受け、経済的・文化的に繁栄しています。
つまり、「大阪市が大きすぎるから分割すべき」という論理には、国際的な根拠が乏しいということです。
✅大阪都構想がもたらす深刻なマイナス面
推進派が強調した「二重行政の解消」や「経済効果」というメリットに対して、初期コスト約240億円とシステム改修費用、4つの特別区を継続していくための運営コスト増加、先述のような一部事務組合や特別区間の財政格差といったようなマイナス面は十分に説明されませんでした。
✅大都市自治体としての大阪市の存在意義
大阪市は政令指定都市として、以下のような重要な権限と機能を持っています。
独自の財源:市税収入を自ら管理し、市民のために使える
都市計画権限:大阪市全体の一体的なまちづくりができる
高度な専門性:長年の行政運営で培われた専門的なノウハウと人材
強い交渉力:国や府との交渉において、政令市としての発言力がある
これらの権限を手放し、特別区という「より小さな自治体」になることのリスクについて、十分な説明がなされませんでした。
✅大阪市の政策貢献の実績
大阪市がこれまで果たしてきた政策的な貢献についても、ほとんど触れられませんでした。
経済政策:大阪経済の中心として、企業誘致や産業振興を主導
福祉政策:充実した高齢者・障がい者・子育て支援策
教育政策:市立学校の運営、給食無償化などの先進的取り組み
都市インフラ:地下鉄、上下水道、港湾など大規模インフラの整備・運営
文化振興:市立美術館、博物館、図書館など文化施設の充実
これらは、大阪市が「大きな自治体」として一体的に取り組んできたからこそ実現できた成果でした。分割によってこうした政策推進力が弱まる可能性について、十分な議論がなされなかったのです。
✅東京都の特別区が抱える問題
「東京都をモデルに」と説明されながら、東京の特別区制度が抱える以下のような問題点は、ほとんど説明されませんでした。
財源の都への吸い上げ:特別区民の税収の多くが東京都に吸収される仕組み
特別区の自治権の制限:都との関係で、完全な自治体とは言えない側面
調整の困難さ:23区と都の間での調整に時間と労力がかかる
特別区間の格差:千代田区と足立区など、区によって大きな財政力・サービス格差がある
このように、推進派の説明は「都構想のメリット」に偏重し、デメリットや既存制度の利点については十分に語られませんでした。
真山達志同志社大学副学長は「世論調査では、府民は大阪都構想について『説明不足だ』と感じながらも、なんとなく賛成している人も多い」と指摘していましたが、こうした情報の偏りが、市民の判断を歪めた可能性は否定できません。
2015年4月には京都大学大学院教授藤井聡氏が全国の学者に呼びかけ、1週間で108人の研究者から同構想の危険性を指摘する所見が集まり、緊急記者会見が行われたほど、専門家からの懸念の声は大きかったのです。
✅コロナ禍の影響を無視した財政シミュレーション
特別区移行後の財政シミュレーションは新型コロナの影響をまるで除外しており、当時の松井市長は「コロナ禍の要素は組み込んでいない」と認め、「(短期間で)コロナさえ抑えれば大阪はさらに発展する」と楽観的でした。
しかし、2008年のリーマン・ショックによる税収不足が回復するのに大阪市で8年かかっており、コロナ禍はリーマン・ショック以上の経済的な打撃が指摘されているのに、5年後の2025年には回復していることを前提とすることはあまりにも甘い見通しだという指摘がありました。
このように、住民投票を実施する上で最も重要な「市民が正確な情報に基づいて判断できる環境」が十分に整っていたとは言い難い状況でした。
特に、コロナ禍という特殊な状況下で説明会が大幅に削減され、反対派の意見が十分に提示されず、経済効果の試算も推進側に親密な学者による一方的なものしか公式に示されなかったことは、民主主義の根幹に関わる問題だったと言えるでしょう。
10. 生活の不安を抱える市民の心理
新型コロナの影響で、収入減少など生活に不安を感じる大阪市民が多くなり、明日の生活に不安を抱える人や高齢者に「将来の大阪の発展」と言っても響かず、現在の住民サービスを維持して欲しいという大阪市民が多かった という分析もあります。
特に高齢者にとっては、現状の「住民サービス」を維持してもらいたいというモチベーションが高く、投票率も高かったとされています。
4.なぜ僅差で否決されたのか
これらの懸念事項を見ると、反対派の主張は決して感情的なものだけではなく、具体的なリスクや制度設計の問題点を指摘するものでした。
賛成派が描く「大阪の発展」というビジョンに対して、反対派は「現在の生活を守る」という視点を重視していたとも言えます。この対立構造が、2度にわたる僅差での否決という結果につながったのかもしれません。
そして、こうした過去の議論を踏まえた上で、今回の「副首都構想」がどのように設計され、過去の懸念にどう応えるものなのかを見ていく必要があります。
次回予告:第2部「副首都構想」の正体を探る
このような経緯を経て2度否決された大阪都構想。しかし2025年、それは「副首都構想」という新たな形で再び浮上してきました。
副首都構想とは、一体どのような政策なのか?
大阪都構想とは何が違うのか?
なぜ日本維新の会は連立の「絶対条件」としてまで、これにこだわるのか?
次回の第2部では、これらの疑問に答えていきます。副首都構想の中身を詳しく見ることで、この政策が私たちにとって何を意味するのか、より深く理解できるはずです。
主な参考文献・出典
日本維新の会「2025年参院選マニフェスト」
https://o-ishin.jp/policy/pdf/2025_election_manifesto.pdf総務省統計局「人口推計」(2024年10月1日現在)
内閣府「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」(2013年12月)
朝日新聞デジタル「【そもそも解説】維新の『副首都』構想とは 課題は都構想との関係性」https://www.asahi.com/articles/ASTBL1SSQTBLPTIL003M.html
Yahoo!ニュース「維新・吉村代表『絶対条件は副首都構想と社会保障改革』連立巡り」https://news.yahoo.co.jp/articles/0a3285703402a6447e35ad041c78b11e797a7bfb
ダイヤモンドオンライン「大阪が『東京の縮小コピー』に成り下がる?維新の『副首都構想』が間違っている根本理由」https://diamond.jp/articles/-/374621
維新の副首都構想 「大阪都」実現が目的では
https://mainichi.jp/articles/20251021/ddm/005/070/121000cプレジデントオンライン「だから若者が都会に逃げていく…日本人を貧しくした"一極集中"と"失われた30年"の知られざる関係」https://president.jp/articles/-/101081
自民党と日本維新の会、連立政権合意書の全文https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA20AP30Q5A021C2000000/
大阪都構想の動向と実現への課題(東京大学)
https://www.pp.u-tokyo.ac.jp/graspp-old/courses/2012/documents/graspp2012-5140040-5.pdf維新の副首都構想とは?大阪都構想との違いと実現可能性を徹底解説(テックジム)
https://techgym.jp/column/fukushuto/「道州制」と「副首都構想」について(札幌市議会議員 波田大専)
https://hada-daisen.com/report/20250825-2/「自党の政策実現に注力されたら」吉村氏苦言 「二枚舌」と維新批判の国民・玉木氏に
https://www.sankei.com/article/20251016-5YOXOCAFKVMWVJJPCE3BEW66N4/
最後までお読みいただきありがとうございました。
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