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ローズマリー・サチコ

母が気まぐれで庭の隅に植えた
ローズマリーがある。

庭の隅っこだったこともあり、
母の足腰が弱ってからは
手入れをする人もいなくなって、
そのまましばらく放置していた。

梅雨も明けた。
そろそろ草取りをしないと…。

重い腰を上げた私は、「一日五分だけ」と
決めて庭に出るようになった。

五分なら続くだろう。そんな作戦である。
ついでに、音楽を聴きながら気分を
上げてみている。

ある日、草をかき分けていると、
「……え?」
ローズマリーが、
とんでもないことになっていた。

大成長。
いや、最終形態である。

その姿はもう、小林幸子。
圧倒的ラスボス感。

風に揺れるたび、紅白のステージが
始まりそうな迫力だった。
なんなら柵をはみ出してお隣さんも巻き込むくらいステージを広く使っていた。

▲縦横無尽に舞台を使う、ローズマリー・サチコ。
成長が怖すぎる!!!!

これはさすがに切ろう。
隣人トラブルになりかねん。

わたしは園芸の知識など持ち合わせていないので、「まぁ、この辺かな?」
くらいの気持ちでテキトーに剪定した。

すると、ぶわっと、あたり一面が
ローズマリーの香りで包まれた。

え、こんなにいい匂いするの?

今まで全然興味がなくて、
使おうとも思わなかった。

そこそこカットしたものの、
それでもまだ、ローズマリー・サチコは
生き生きと現役バリバリのお姿だ。

▲少々落ち着きを取り戻したサチコ。


切っても切ってもモリモリしている。

「……これ、何か使えないかな?」
困った時のAIである。

すると返ってきた答えは、
「一番簡単なのは、お風呂にポーイ。」

そんな簡単でいいの?
半信半疑で数本切って、

湯船へポーイ。

……

めちゃくちゃいい匂いなんですけど!!

母も
「なんかお湯が柔らかくなった気がする。」
と、若干プラシーボ気味の感想をくれた。

▲お風呂に浮かべた。
なんや、丁寧な暮らししてる風になりました。


子どもたちも嫌がらない。
これは当たりかもしれない!

さらにAIは言う。
「チキンステーキを焼く時も、そのままポーイ。」

……またポーイである。

今度は例のイケメン鍋、
ストウブブレイザーに鶏もも肉を並べる前、
ローズマリーをジュッと入れて香りを出してみた。

……

なんだろう。

急に料理上手になった気分。
キッチンがちょっとだけオシャレになった。

▲ローズマリーを、ちょい横にズラせ!
とAIに突っ込まれた。


味ですか?
よく分かりません!!笑笑!

でも、それでいい。
庭の隅で何年も放置されていた
ローズマリー・サチコは、
気づけば家中をいい香りにしてくれていた。

お風呂でも、夕飯でも、
今年の夏、我が家には新しく、

「とりあえずポーイ文化」が生まれた。

そして、さっきローズマリー・サチコを見たら
花を咲かせていた…!!
もう1ステージ、やる気らしい。





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