環境ラベルの取得ハードルが下がった。みえるらべるとビオアプリの連携で何が変わるのか
「環境に配慮した栽培をしているのに、それを証明する手続きが面倒で踏み出せない」。生産者からこういった声を聞くことがあります。農林水産省は令和8年6月29日、農産物の環境負荷低減を「見える化」する「みえるらべる」について、営農管理アプリ「ビオアプリ」とのAPI連携により、令和8年7月1日から取得手続きが大幅に簡略化されたと発表しました。
そもそも「みえるらべる」とは何か
「みえるらべる」は、農産物の生産段階における温室効果ガスの排出・削減量を算定し、地域の慣行栽培と比較した削減貢献率を星の数で表示する農林水産省の制度です。令和7年3月に農水省が「見える化システム」を開発し、同年6月から農業データ連携基盤(WAGRI)のAPIとして提供しています。
対象品目は米・野菜等23品目(全対象24品目のうちピーマンを除く)。生産者が「自分の栽培は環境に優しい」と消費者や取引先に示す手段として機能します。
従来の手続きの流れと課題
これまで「みえるらべる」を取得するには、以下の手順が必要でした。
農水省が提供する簡易算定シート(Excel)に栽培情報を入力
温室効果ガスの排出・削減量を自分で算定
算定結果を農水省に提出
登録番号を取得し、ラベルを使用
この流れの中で、「Excelの操作が難しい」「農水省への提出手続きに手間がかかる」という声が現場から上がっていました。特に規模の小さい農家や、デジタルに不慣れな生産者にとっては着手のハードルになっていました。
7月1日から何が変わったのか
令和8年7月1日から、AGBIOTECH株式会社が提供する営農管理アプリ「ビオアプリ(BioApp)」がWAGRIの見える化システムとAPI連携を開始しました。これにより、手続きの流れが以下のように変わります。
新しい流れ:
ビオアプリに日々の栽培情報を入力(営農管理として通常行う作業)
アプリが自動で温室効果ガスの排出・削減量を算定
アプリ経由で農水省への報告も完了
登録番号を取得→みえるらべるを使用
Excelの記入も農水省への直接提出も不要になりました。日々の営農管理データをそのまま環境ラベル取得に活用できる仕組みです。ビオアプリはWAGRI接続4社目の連携先で、今後も対応アプリが増える見通しです。
現場目線のひと言
「環境に配慮した栽培をしている」という事実は変わらないのに、証明する手間が大きすぎて取り組めない生産者が一定数います。今回の変更は、その手間を「普段使いのアプリ」の延長線上に収めたという点で、実務的に意味があります。JA管内でビオアプリを既に使っている生産者がいれば、みえるらべるの取得を勧める絶好のタイミングです。また、ビオアプリを導入していない生産者への情報提供も、JAとしての関与の入り口になりえます。
読者ができること
JA管内でビオアプリ(BioApp)を導入している農業者に、みえるらべる取得機能が使えるようになったことを案内する
みえるらべるを取得した農産物の販路拡大(環境対応を求めるバイヤー・量販店等)につながるか、取引先に確認する
農水省の「環境負荷低減の見える化」ページで対応アプリの最新情報を定期的に確認する
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あなたの管内では、みえるらべるに取り組んでいる生産者はいますか?YESかNOか、コメントで一言教えてください。
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【参考リンク】
農林水産省「環境負荷低減の『みえるらべる』の取得手続が楽になります!(2026年6月)」
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/b_kankyo/260629.html
この記事は農林水産省の公式発表(令和8年6月29日)をもとに、現役JA職員の視点で解説したものです。
