「前の入院と比べてできなくなったね」と言われるが、大概は担当セラピストのせいではないはず
「前の入院と比べてできなくなったね」と言われるが、大概は担当セラピストのせいではないはず?
患者さんやご家族から「前の入院の時はもっと歩けたのに」「前よりできなくなった」と言われると、セラピストとしては胸がチクリと痛みますよね。しかし、結論から言うと、おっしゃる通りで大概は担当セラピストの技術やアプローチのせいではありません。
リハビリ職の視点から見ると、これには明確な臨床的・医学的な理由がいくつもあります。
前の入院と「条件」が全く違う
多くの人が「同じ人間がまた入院した」という点だけを見てしまいがちですが、中身の条件は大きく変わっています。
「廃用症候群(生活不活発病)」の蓄積
前回の退院から今回の再入院までの間に、ADL(日常生活動作)や活動量が低下していたケースが非常に多いです。ベースの体力が落ちた状態からスタートするため、前回と同じゴールに到達するのは医学的に困難な場合があります。
疾患の進行や度重なる侵襲
脳血管障害の再発、骨折の繰り返し、あるいは内科的疾患の慢性的な増悪など、身体にかかったダメージそのものが前回より深刻になっているケースがほとんどです。
単純な加齢(エイジング)
前回の入院から数年が経過している場合、それだけで生理的な予備能力(心肺機能や筋量)は低下しています。
評価基準のギャップ
人間の記憶は「最も良かった時」を美化する
ご家族や患者さん自身が覚えている「前の入院」とは、**前回の退院直前の最も動けていた状態(ピーク時)**であることが多いです。今回の入院初期のガタッと落ちた状態と、前回のベストな状態を比較されてしまうため、どうしても「できなくなった」ように見えてしまいます。
「能力(Can)」と「日常の動作(Do)」の乖離
前回の入院でリハビリ室では歩けていた(Can)としても、自宅に帰ってからそれを維持できていたとは限りません。実際には「自宅ではほぼ車椅子だった」という場合、今回の入院でまたゼロからのスタートになります。
前に受け持ったセラピストから時々ディスられることがある。
ちゃんとサービスを提案したのか?
最大限まで身体機能とADLを上げたのか?
そういいたくなる。
こちらも、最大限の身体機能とADL目指して、歩行練習や歩行補助具の選定、家族やケアマネジャーとの連携 必死にやってる。
他人にいうより、まず自分の心に手を当て
自問自答しなさい。
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