季節性うつ病の患者さんに関わり退院できた事例
季節性うつ病の患者さんに接するには?
季節性うつ病(季節性感情障害:SAD)の患者さんに接する際は、**「本人の努力不足ではなく、脳の生体リズムの乱れによる病気である」**という理解が最も重要です。
特に冬場に症状が出るタイプは、日照時間の減少が原因で、本人の意思ではコントロールできない「冬眠」のような状態になります。
具体的にどのように接すればよいか、ポイントをまとめました。
1. 症状を正しく理解する
まずは、季節性うつ病特有の症状を知っておくことで、イライラや不安を軽減できます。
過眠: いくら寝ても眠い、朝起きられない。
過食: 特に炭水化物や甘いものを猛烈に食べたくなる。
強い倦怠感: 体が鉛のように重く、動けない。
意欲の低下: これまで楽しんでいたことへの興味がなくなる。
これらを「怠けている」「自分に甘い」と捉えず、**「季節の影響でエネルギーが枯渇している状態」**だと理解してあげてください。
2. 言葉のかけ方
「頑張れ」は禁句: すでに限界まで頑張っているため、追い詰めることになります。
「いつまで寝てるの?」と言わない: 本人も起きられないことに罪悪感を抱いています。責めるとさらに落ち込ませてしまいます。
肯定的な共感: 「体が重くて辛い時期だね」「無理しなくていいよ」と、今の状態を認める言葉をかけてください。
決断を迫らない: 脳が疲れているときは、些細な決断(夕飯のメニューなど)も負担になります。「〜にする?」よりは「〜にしておこうか」といった提案型が楽な場合もあります。
3. 日常生活でのサポート
無理強いは禁物ですが、症状の緩和につながる環境づくりをサポートしましょう。
カーテンを開ける: 朝、本人が起きられなくてもカーテンを開けて部屋に太陽の光を入れましょう。光を浴びることは最も効果的な治療の一つです。
散歩に誘う(無理のない範囲で): 「5分だけ外の空気を吸いに行かない?」と、ハードルの低い誘い方をします。断られたら「わかった、また今度ね」とあっさり引き下がりましょう。
食事の配慮: 甘いものや炭水化物を欲しがりますが、ビタミンB群やタンパク質を意識した食事をさりげなく用意できると理想的です。
4. 医療機関への受診を促す
季節性うつ病には、「高照度光療法」(強い光を浴びる治療)や薬物療法が非常に効果的です。
「毎年この時期に辛そうだから、少しでも楽になるように専門家に相談してみない?」と、本人の味方であるスタンスで伝えてみてください。
5. サポートする側の「セルフケア」
これが最も大切です。
自分まで暗くならない: 患者さんの気分に引きずられすぎないよう、あなたは自分の趣味や外出を楽しんでください。
期待しすぎない: 「これだけしてあげたのに」と思うとストレスになります。「冬の間はこういう時期」と割り切り、適度な距離感を保つことが、長期的なサポートのコツです。
まとめ
季節性うつ病は、**「春になれば必ず良くなる」**という出口のある病気です。
「今はエネルギーを蓄える時期なんだね」とゆったりした気持ちで見守ってあげることが、本人にとって一番の安心感につながります。
元気堂の健康情報によると、
冬季性うつは日照時間が短くなることで、
睡眠をつかさどるメラトニンの分泌タイミングや量が変化し、体内時計が乱れます。
また、光の刺激が減ることで、ハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が減少し、
脳の活動が低下すると言われています、と。
以前入院していた患者さんは、カーテンで自ら
光を遮断していた。
ポータブルトイレでの排泄は自立しているが、
特に午前中がリハビリ時間に起きられず
布団の中にいた。
リハビリテーションで5分ほどであるが日光浴を
取り入れると少しずつ歩行への意欲が上がり、
このまま入院していたい
↓
早く自宅に帰りたい
と考えられるようになった。
男性より女性に発症しやすい傾向があり、
女性ホルモンの分泌が大きな影響を与える一因と
考えられるようだ。
リハビリテーションでは、
まずは患者さんに寄り添い
↓
意欲がある作業の提供(自分の場合は雑巾縫い)
↓
座位時間を増やして、他者の役に立っていることを成功体験させる
↓
シルバーカーや杖での歩行に意欲が上がる
↓
自分が思う以上に歩けたことで成功体験
↓
退院の許可がでる
という経過を辿り、患者さんは元気になった。
光を浴びる➕寄り添い➕成功体験を重ねる🟰
自信を持つことができたと考えられた。
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