第11話 | フットボールツーリズムという、街を豊かにする魔法
こんにちは!
「NPO法人 市川市にJリーグクラブをつくる会」です。
皆さんは「サッカー観戦」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
「スポーツ好きの趣味でしょ?」
「サッカーに興味ないから、自分には関係ないかな」
実は、それだけではありません。
サッカーには、街を変える力があります。
しかも、“試合の90分”だけではなく、人の流れ、お金の流れ、そして街への愛着まで変えてしまう力です。
そのキーワードが、
「フットボールツーリズム」
全国からサポーターが訪れ、食べて、飲んで、泊まって、街を歩き、SNSで発信する。
サッカーをきっかけに、人が街と出会い、街に恋をする。
今回は、「もし市川市にサッカースタジアムができたら?」という未来を、全国の街を元気にしてきた“フットボールの旅”を紹介しながら、想像してみたいと思います。
「イナゴ襲来」
サポーターは、なぜそこまで食べるのか?
Jリーグ界隈には、有名な言葉があります。
それが
「イナゴ」
FC東京サポーターは、アウェイ遠征先のグルメを食べ尽くすことで知られています。
そこで付けられた呼称が「イナゴ」。

朝から市場へ行き、
昼はスタジアムグルメ、
試合後は居酒屋、
帰りに地元スーパーでお土産を買い込む。
もはや“試合観戦”というより、完全に「グルメ旅」です。
そして、この“旅するサポーター”たちが、全国各地で数々の伝説を作ってきました。
鳥取の街に襲来したイナゴ軍団の衝撃
2011年。
J2のガイナーレ鳥取対FC東京。
「FC東京が勝てばJ2優勝」という大一番に、約2,000人のFC東京サポーターが鳥取へ押し寄せました。
その結果、鳥取市が試算した経済波及効果は
たった1日で約3,900万円。
- 飲食費:約880万円
- 宿泊費:約900万円
- お土産代:約610万円
- スタジアム飲食:約250万円
さらに、鳥取砂丘など周辺観光地への回遊も発生。
飛行機や宿泊施設も満員になりました。
サッカーは、“90分の試合”だけではありません。
人が街を歩き、食べ、泊まり、観光し、地域にお金を落としていく。
そのすべてが、地域経済を動かすことにつながっています。
千葉:「喜作」のソーセージはタッパー文化
ジェフ千葉のホームゲームで有名なのが、スタジアム名物「喜作」のソーセージ盛り。

あまりに人気なので、いつも長蛇の列。サポーターはマイタッパーを持参して並びます。
店員さんにタッパーを渡すと、山盛りにしてくれる、そんな独特すぎる文化まで生まれました。
ただ食べるだけじゃなくて、
店とサポーターの間に、“関係性”ができているんです。
ちなみに、蘇我駅のパン屋さん「リトルマーメイド」でコッペパンを買い、オリジナルのホットドッグを作るのが密かなマイブームです(笑)
佐賀:「ミンチ天」が消えた日
サガン鳥栖戦の日。
佐賀県に集まるFC東京サポーター。どういう訳か、鳥栖駅のすぐ隣にあるスーパー「フレスポ鳥栖」に、多くのサポーターが吸い込まれていきます。お目当ては、佐賀名物「ミンチ天」。次々と、カマボコ売場から購入していきます。
その結果、売り場からミンチ天が消滅。
この話が面白いのは、ここから。
翌年にはスーパーも相乗りして、
「ようこそFC東京サポーターご一行!」
「ミンチ天あります」
「売り場を拡大させました!」
として、大々的に仕入れを行い、呼び込みを行います。
結果、それでもミンチ天は完売。
「佐賀=ミンチ天」は、鳥栖遠征の風物詩になりました。

サッカーを通じて、地域の名物が全国へ広まっていく。
これも立派な地域振興です。
新潟:名物「みかづきのイタリアン」
新潟にサッカーを観に行くと、"なぜか食べたくなるもの”があります。
それが、みかづきの「イタリアン」。
名前はイタリアン。でもパスタではありません。
太麺の焼きそばに、甘めのミートソースをかけた、新潟のソウルフードです。

普段なら県外の人に知られなかったローカルグルメが、サッカーをきっかけに全国のアウェイサポーターに認知されていく。
フットボールツーリズムとは、“街の食文化を運ぶメディア”でもあるんです。
スタジアムは、“試合を観るだけの場所”ではなく、
街の文化に出会う入口にもなる。
アウェイ遠征は、その街を好きになる旅でもあります。
これは新潟だけの話ではありません。
・市川に来たらこれを食べる
・試合帰りにここへ寄る
・サポーター同士で共有される
・それが街の記憶になる
スタジアムと商店街がつながり、サッカー観戦が街歩きに変わる。
その導線ができたとき、街はもっと面白くなる。
“市川版イタリアン現象”は、きっと作れます。
名古屋:フットボールと、名古屋メシの危険な関係
新潟に「イタリアン」があるように、名古屋にも“遠征の記憶”になる味があります。
「ひつまぶし」「味噌カツ」「味噌煮込みうどん」「手羽先」「きしめん」。
スタジアムへ向かう前から、もう街との勝負は始まっています。
そして、名古屋遠征で外せない存在が、味仙の「台湾ラーメン」。

真っ赤なスープに、唐辛子とニンニクの強烈なパンチ。
辛いのに、なぜか箸が止まらない。
でも、気づけばまた食べたくなる。
あの“病みつき感”は、名古屋遠征の通過儀礼になっています。
さらに、名古屋には「喫茶マウンテン」という有名な喫茶店もあります。
この店は、「行く」ではなく「登山する」と表現されます。
甘口抹茶小倉スパをはじめ、常識を超えたメニューの数々。
完食できずに敗退すれば“遭難”。
食べ切れば“登頂成功”。

その独特な世界観が、サポーターたちを引き寄せます。
これもまた、フットボールツーリズムの面白さ。
サッカーをきっかけに、その街ならではの文化に出会う。
有名観光地だけじゃない。
地元の人に愛される店に行く。
街の日常に触れる。
スタジアムは、街への入口になる。
フットボールは、人を街へ連れ出す力を持っています。
大分:「関サバ・関あじ」を食べるために行く遠征
大分遠征では、「試合前に何を食べるか」が重要になります。
関サバ。
関あじ。
とり天。
りゅうきゅう。
「せっかく大分に来たんだから」と、サポーターが繁華街へ繰り出します。
サッカーが、“地域の食文化との出会い”を生んでいるんです。
大分の郷土料理が何でも食べられる「こつこつ庵」は、もはや聖地です。

清水:「河岸の市」がユニフォームだらけに
清水エスパルス戦の日。
清水港の「河岸の市」には、ユニフォーム姿のサポーターが朝から大挙して押し寄せます。
海鮮丼。
マグロ。
桜えび。
試合前から、満腹状態。

スタジアムだけで完結せず、街全体に人が回遊していく。
これこそが、フットボールツーリズムの強さです。
河岸の市の目の前にある江尻港を覗いてみると、運が良ければイルカが泳ぐ姿を見られることもあります。
札幌:「サッポロビール園」で大宴会
札幌遠征になると、もはや季節を問わず忘年会です。
試合後には、サッポロビール園がサポーターの宴会場になることもあります。
同じユニフォームだらけの店内で、
「ジンギスカンうまい!」
「札幌最高!乾杯!!」
「また来たい!」
という声が飛び交います。

つまりサッカーとは、“90分の試合”だけではなく、
その街を歩き、食べ、人と出会い、思い出を持ち帰る体験そのものなんです。
フットボールは、人を街へ連れ出す
スタジアムは、“ただ試合を観るだけの場所”ではありません。
その街の文化に出会う入口です。
地元の店へ行く。商店街を歩く。名物を知る。人と話す。
フットボールは、人を街へ連れ出します。
そして、街に“また来たい理由”を作っていく。
では、もしこの熱狂が、市川市で起きたら?
本八幡、行徳、市川駅前に、“アウェイ遠征客”があふれる未来とは?
次回、「もし市川市にサッカースタジアムができたら?」をお届けします。
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