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文徳高校文芸部大喜利研究会ーーもう一度、漫才と向き合おう

部室。

心春とつむぎが、
机を挟んで向かい合っている。

机の上には、一冊のノート。
『文字と笑いの地平線』

つむぎ
「なあ」
「大喜利、楽しいけど」

一拍。

つむぎ
「漫才は、どうすんの?」

心春
「……そうですね」

少し考えてから。

心春
「先送りに、してました」

つむぎ
「やろ?」

心春は、ノートを見る。

つむぎ
「『文字と笑いの地平線』なあ」

ノートを、指で軽く叩く。

つむぎ
「悪ないけど」
「“シュール始まります感”、
 全開やん?」

心春
「……そうかもしれません」

少し間。

つむぎ
「コンビ名も、
 もう一回考えよ」

心春
「はい」

つむぎ
「商店街、行こ」
「なんか、転がってるかも」

心春
「……拾えますかね」



帰り道。

商店街を歩く二人。

つむぎ
「コンビ名、むずいな」

心春、ペットショップを見て
「シャンプーキャット」

つむぎ
「惜しいけど、パクリやん」

駄菓子屋の前で
つむぎ
「キャピキャピキャンデー!」

心春
「…何の拷問ですか?」
つむぎ
「意外と悪ないと思ったんやけどなあ」

色んな名前があがっていく。
「クレームパイ」
「説教ティータイム」
「ある日、神戸の街角で」
「踊れメロス」
「終日ピン芸」
「心春は天下を取りに行く」
「スパイシーカグヤ」
「海産総選挙」


(少し間)

つむぎ、ため息
「……なんか」
「どれも、作りすぎやな」

心春
「……はい」

二人、歩く。

ケーキ屋の前で、
心春が立ち止まる。

心春
「……ティラミス」

つむぎ
「急に?」

心春
「いえ」
「目に入ったので」

隣の薬屋。
ポスターに大きく書かれた文字。

透明感

つむぎ
「……透明感、か」

一拍。

つむぎ、心春を見る。

つむぎ
「一見、無色透明やな」

心春、少しだけ考えてから、
つむぎを見る。

心春
「……甘くて」
「少し、苦いです」

(間)

二人
「……透明ティラミス」

商店街のざわめきが、
少しだけ遠のく。

つむぎ
「意味、わからんけど」

心春
「はい」

つむぎ
「でも、忘れへんな」

心春
「……そうですね」

二人、歩き出す。

一拍。

つむぎ、前に出て
「それでは」
「出てもらいましょう」

心春
「……?」

つむぎ
「透明ティラミスのお二人です」
「張り切って、どうぞ〜!」

心春、
一瞬きょとんとしてから、
吹き出す。

つむぎ
「なんてな!」

二人の笑い声が、
商店街に溶けていく。

心春
私たちの名前は、
ちょっぴり前を歩いているけど、
ちゃんと、追いついていきます。

おわり

👇

つむぎ
キャピキャピキャンデーの衣装だけ使う?

心春
…心春です
相方のイタズラが度を超えてるとです

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