文学戦隊アイマスクーー毎週ショートショート
ある春の部室
心春
「ネタ考えました。
聞いてください」
つむぎ
「お、ええやん」
心春
「坂口安吾の『桜の森の満開の下』という作品があります」
つむぎ
「綺麗なタイトルやな」
心春
「山賊がクセの強い美女に心惹かれ――」
つむぎ
「ほう」
心春
「最終的に殺します」
つむぎ
「……お、オチ言った?しかもブラック!」
(間)
心春
「――文学戦隊」
(少しポーズ)
心春
「アイマスクブラック!」

つむぎ
「…待て待て待て!!」
「ネタ見せから戦隊になることある!?」
「顔隠すヒーロー見たことないねん」
心春
「……ヒーローって、覆面ですよ」
つむぎ
「あ,そっか!
って、あぁん💢」
⸻
心春
「安部公房の『鞄』という作品があります」
つむぎ
「え?え?続けるの?
どういうこと?」
心春
「ある男が、とても大切な鞄を持っていて……」
つむぎ
「嫌な予感しかない」
心春
「最終的に、鞄と一体化します!」
つむぎ
「またオチ言うた!しかも不条理!!」
(間)
心春
「――文学戦隊」
「アイマスクブラウン!」

つむぎ
「…鞄の色!!」
⸻
心春
「夏目漱石の『こころ』という作品があります」
つむぎ
「ちょっと待て!まだやるん!?」
心春
「友情と恋愛と罪悪感が絡み合い――」
つむぎ
「うん、重そうやな」
心春
「最終的に、死にます」
つむぎ
「急に重すぎる!!」
(間)
心春
「――文学戦隊」
「アイマスクブラック!」

つむぎ
「確かにブラックだけど!!
こういうの、あんま同じ色はあかんのよ!」
(少し間)
心春
「……文学戦隊としては」
つむぎ
「え?」
心春
「色の重複は、
“罪の共有”を意味します」
つむぎ
「何それ!!
戦隊の設定に文学持ち込むな!!」
⸻
心春
「島崎藤村の『破戒』という作品があります」
つむぎ
「まだ続くんかい!!」
心春
「ある秘密を抱えながら生きる男がいて――」
つむぎ
「うん…」
心春
「最終的に、全部バレます」
つむぎ
「シンプルすぎるやろ!!」
(間)
心春
「――文学戦隊」
「アイマスクブルー!」

つむぎ
「ただの傷心!!」
つむぎ
「あと、自分…
小声でシャキーン言うてるやろ?
堂々といけんの?」
心春
「気分なんで…
よければ、このまま…」
つむぎ
「…ああ、そう」
⸻
心春
「宮沢賢治の『注文の多い料理店』という作品があります」
つむぎ
「最後っぽいな…」
心春
「山奥で不思議な店に迷い込み――」
つむぎ
「うんうん」
心春
「最終的に、食われかけます」
つむぎ
「全部怖いねん!!」
(間)
心春
「――文学戦隊」
「アイマスクレッド!」

つむぎ
「わ、美味しそうな色!
ちゃうねん‼️」
⸻
「桜の森の満開の下、鞄にしまわれたこころは破戒され、注文の多い料理店へと運ばれる――」
中身はバレようとも、読む価値は尽きることなし!
…その名も
ネタバレ文学戦隊!
ア〜イマスクッ‼️

つむぎ
「……一応な、お約束やから、ツッコんどくわ」
つむぎ
「……5人とも、著作権の海に沈んでまえ!」
心春
「……え?1人ですけど…」
つむぎ
「急に正論かますな!」
⸻
つむぎ
「……自分、恥ずかしくないの?」
(少し間)
心春
「……顔を文庫本マスクで覆ってるから、大丈夫です」
つむぎ
「……真っ赤っかやろ?」
(沈黙)
心春
「……言わないでください」
つむぎ
「…恥ずいんかい」
(1301字)
田原さん、すみません💦
もうショートショートでないです。
笑って許してください…
