R1グランプリ、新時代へ〜心春とつむぎの大会分析

※注意書き
本稿では、ネタの具体的な中身には触れないようにしています。
ただし、まだ大会をご覧になっていない方は、先に視聴されることをおすすめします。
笑いは、やはり“初めて出会う瞬間”がいちばん強いものですから。
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部室。夕方。
テレビの余韻が、まだ残っている。
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つむぎ
「……なんか、お世辞抜きで
おもろかったな。
R1見て満足したん
初めてかもしれん」
(少し間)
「……でもさ」
「こうなる気、してたわ」
心春
「はい。とても」
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つむぎ
「なんか変やったよな」
心春
「変、ですか?」
つむぎ
「3人とも、優勝やったやん」
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心春
「そうですね。
あれは“誰が一番か”ではなく、
“どの笑いを選ぶか”の勝負でした」
つむぎ
「そうそう!
銀次も、お抹茶も、らいぱちも——」
心春
「全員、完成していました」
つむぎ
「やろ?
全部ちゃんと笑わせてきたもんな」
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心春
「だから観客は、比較ではなく——」
つむぎ
「“好き”で見始める」
心春
「はい。
相対評価から、絶対評価へ移行していました」
つむぎ
「言い方が硬いなぁ!」
心春
「“全員良かった”状態です。
だから、笑いの好みの勝負になった」
つむぎ
「それやそれ!」
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つむぎ
「でもさ、なんで急にこんなことなったん?」
心春
「急ではないと思います」
つむぎ
「ん?」
心春
「これまでのR-1は、発明で勝てる大会でした」
つむぎ
「あー……分かる」
心春
「新しいキャラやフォーマットで、決勝に届く」
つむぎ
「でも、そのあとが続かん」
心春
「はい。
完成度が問われにくかった」
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つむぎ
「つまり?」
心春
「ブランドが育たない」
(間)
つむぎ
「……出たな、本質」
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心春
「だから今回は——」
つむぎ
「“揃えた”」
心春
「はい。
レベルを上げたのではなく、
高いレベルを通した」
つむぎ
「うわ、それやわ」
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つむぎ
「銀次はさ、あれやな」
心春
「話芸の完成形です」
つむぎ
「なんであんな熱く語れんねんっていう」
心春
「“説明がボケ”として成立していました」
つむぎ
「ただ下着はちょい人選ぶな」
心春
「はい。
客層を限定する要素でした」
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つむぎ
「お抹茶は?」
心春
「発明の最前線です」
つむぎ
「キャラ、見たことないやつやったな」
心春
「ただ——」
つむぎ
「来たな」
心春
「ブラッシュアップが、あと一歩」
つむぎ
「ファーストは一番ウケてたのにな」
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つむぎ
「で、らいぱち」
心春
「技術の完成形」
つむぎ
「最後のアレな!」
心春
「伏線回収で“どよめき”が起きていました」
つむぎ
「完全に空気持ってった」
心春
「万人に届く構造でした」
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つむぎ
「だから勝った」
心春
「はい。
今回は“完成度”が選ばれました」
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(少し間)
つむぎ
「でもさ——」
心春
「はい」
つむぎ
「全部正解やったよな」
(間)
「……でも、こうなるとさ」
「間違えられるやつ、もうおらんくなるで」
(少し間)
「……それ、おもろいんかな」
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心春
「はい」
(間)
「難しくなります」
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(静かな空気)
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心春
「今回のR-1は——」
つむぎ
「ん?」
心春
「優勝者だけではなく」
(間)
つむぎ
「うん」
心春
「大会そのものが一段引き上がった大会でした」
心春
「こういう年は、他の大会でもあります」
つむぎ
「ん?」
心春
「キングオブコントで言えば——」
「2021年の空気階段の優勝」
(少し間)
つむぎ
「ああ……」
心春
「それまでのチャンピオンも面白かった」
「でも、あの年を境に」
「大会の完成度が、一段上がった」
つむぎ
「分かるわ……あそこ、空気変わったよな」
心春
「はい」
「今回のR-1も、それに近いものを感じました」
つむぎ
「……ええやん、ええやん!
シュー!!」
心春
「そういえば
ザコシさん、大活躍でしたね」
つむぎ
「自分のキャラを壊さず
芯食ったコメントばかりやった」
心春
「チャンピオンに投票出来てなかったですけどね」
つむぎ
「それはそれや」
(少し間)
「みんな売れたらええなあ……」
心春
「主催者の課題だったりします」
つむぎ
「まあ、皆んなの活躍を
見届けようや」
心春
「そうですね」
ピン芸の最高到達点
…酔いしれたで。

