見出し画像

建築家が暴露|内装業者が絶対に言わない「契約書と保証」の裏側——工事が終わった後に後悔しないために

はじめに

「見積もり」「工期」に続いて、開業前に見落とされがちなのが**「契約書」と「保証」**です。

工事が終わって、お店がオープンすれば、それで安心——ではありません。開業後に不具合が出たとき、業者にどこまで対応してもらえるか。それを決めるのが、着工前に交わした契約書です。

多くの人は、見積書の金額だけを見て契約を決めます。でも、金額と同じくらい、契約書の中身が重要です。

15年間、この業界を見てきた立場から、契約書と保証で見落とされがちなポイントをお伝えします。


その① 「口約束」は、法的にはほぼ意味がない

「大丈夫です、そこはちゃんとやりますから」

現場での口約束、よくある光景です。でも、契約書に書かれていないことは、後から「言った言わない」の水掛け論になります

特に危険なのが、追加工事・仕様変更の口約束です。「これはサービスでやります」と言われたことが、後から請求されるケースは珍しくありません。

正しい対処法

現場での約束事は、その場で終わらせず、必ずメールやLINEなど文字に残る形で確認を取ってください。「先ほどお話しした◯◯の件、追加費用なしということでよろしいでしょうか」の一文を送るだけで、証拠になります。


その② 保証期間は「工事内容ごとに違う」

「保証は1年間つけます」という説明を、そのまま信じていませんか。

実は、保証期間は工事の部位によって異なるのが一般的です。

一般的な目安(業者や契約により異なります)

  • 内装仕上げ(クロス・塗装など):1年程度

  • 防水工事:5〜10年程度

  • 構造に関わる工事:10年程度

  • 設備機器(メーカー保証):1〜2年程度(メーカーによる)

「保証1年」という説明だけを聞いて安心していると、実は防水や構造など、本来もっと長い保証がつくべき部分まで1年で切られている、ということが起こり得ます。

正しい対処法

「保証」とひとくくりにせず、工事項目ごとの保証期間を書面で明記してもらってください。特に防水・構造・設備は個別に確認する価値があります。


その③ 「保証」の対象外になる条件を確認する

保証書には、小さく「以下の場合は保証対象外」という条件が書かれていることがあります。

よくある保証対象外の条件

  • 天災(地震・台風など)による損傷

  • 経年劣化とみなされる範囲

  • お客様側の使用方法に起因する不具合

  • 他業者が手を入れた箇所

問題は、「経年劣化」の線引きが曖昧なことです。3年で不具合が出たとき、それが施工不良なのか経年劣化なのか、業者の判断ひとつで結論が変わることがあります。

正しい対処法

契約前に「経年劣化とみなす基準は何ですか」「判断に納得できない場合、第三者に相談する方法はありますか」を確認しておく。


その④ 「アフター対応の窓口」を確認する

工事が終わった後、担当者と連絡が取れなくなる——これも実際に起きる話です。

特に、下請け業者を多く使う会社の場合、**「担当者は辞めました」「その工事を担当した職人はもういません」**という形で、責任の所在が曖昧になることがあります。

正しい対処法

契約時に「アフター対応の窓口は、担当者個人ですか、それとも会社としての窓口ですか」を確認する。個人の連絡先だけでなく、会社としての問い合わせ先を必ず控えておいてください。


その⑤ 契約書に必ず入れるべき5項目

これまでの内容を踏まえて、契約書に最低限入れるべき項目をまとめます。

工事内容の詳細(仕様書・図面が添付されているか)

金額と支払い条件(着手金・中間金・完了金の割合とタイミング)

工期(着工日・完成予定日、遅延時の対応)

保証内容(工事項目ごとの保証期間、対象外条件)

アフター対応の窓口(会社としての連絡先)

これらが曖昧なまま、あるいは口頭説明だけで契約に進んでいる場合は、一度立ち止まって、書面での明記を求めてください。


契約書を交わさない業者への対処法

まれに「契約書は形式的なものなので」と、口頭だけで進めようとする業者がいます。

これは明確な危険サインです。信頼できる業者ほど、契約書をきちんと作成し、双方で内容を確認する時間を取ります。

契約書の作成を渋る、あるいは内容の説明を省こうとする業者とは、契約を見送ることを検討してください。


おわりに

見積もり、工期、そして契約書と保証——ここまでお話ししてきたことに共通するのは、「口頭の説明」ではなく「書面での明記」を求めるということです。

業者を信頼することと、契約内容を確認することは、両立します。むしろ、確認を怠らないお客様に対しては、業者側も誠実に対応せざるを得なくなります。

工事が終わった後、何年も使い続けるのがあなたのお店です。その安心を守るのが、着工前の数十分の確認作業だということを、忘れないでください。


契約書の内容を確認してほしい方は、メンバーシップでご相談ください。

月額500円・入会後30日以内は一対一相談が無料です。

フォローしておくと通知が届きます!


建築士・電気工事士・管工事施工管理技士等、有資格者が多数在籍する建築会社を15年経営。飲食店・クリニック・美容室・士業事務所・エステサロンなど施工実績多数。現場目線の店舗・施設内装情報を発信中。


#内装工事 #契約書 #保証 #開業準備 #店舗内装 #建築家 #開業失敗 #独立開業 #失敗しない開業 #タブー

いいなと思ったら応援しよう!