建築家が暴露|「値引きしてもらった」は本当にお得?〜業者が値引きする時に何が起きている
はじめに
「頑張って値引き交渉して、50万円も安くなった!」
こう喜んでいる方に、少し厳しいことをお伝えしなければなりません。
その値引き、本当にお得でしたか?
建築会社を15年経営してきた立場から、業者が値引きをする時に「裏側で何が起きているか」を正直にお伝えします。
読んだ後、値引き交渉への考え方が変わるはずです。
値引きの「原資」はどこから来るか
まず大前提として、業者は慈善事業ではありません。
値引きをしても、利益が出なければビジネスとして成立しません。
では値引きの「原資」はどこから来るのか。
答えは3つです。
裏側① 材料のグレードを下げる
最も多いパターンです。
見積書には「フローリング材」と書いてあります。でも値引き後、実際に使われる材料は最初に提案していたものより安いグレードに変わっていることがあります。
対策
値引き前に「使用する材料のメーカー・品番を見積書に明記してください」と要求してください。値引き後も同じ品番が使われているか確認できます。
裏側② 工程を省く
時間=コストです。業者が値引きをすると、工程を省くことでコストを削ることがあります。
省かれやすい工程
下地処理(省くと数年後に壁紙が剥がれる)
乾燥時間(省くと防水・塗装の強度が落ちる)
養生(省くと工事中に傷がつく)
対策
工事中に定期的に現場を確認することが最大の防止策です。
裏側③ 職人のランクを下げる
腕のいい職人は日当が高いです。値引きをすると、発注する職人のランクを下げることがあります。
対策
「現場監督は誰ですか?」と聞いて、責任者を明確にしておく。
裏側④ 後から追加費用を請求する
「最初に安く見せておいて、後から追加請求する」というパターンです。
最初の「値引き」が、追加請求を正当化するための「入口」になっていることがあります。
対策
契約書に「追加費用が発生する場合は、事前に書面で確認・承認を得ること」という条項を入れてください。
裏側⑤ 保証・アフターサービスを省く
値引きと引き換えに、保証期間が短くなったり、アフターサービスが省略されたりすることがあります。
最初の「値引き50万円」が、数年後の「修繕費100万円」になることがあります。
対策
保証の内容・期間は値引き交渉とは別に、必ず書面で確認してください。
本当にお得な値引きとは
正しい値引き交渉
「同じ品質・内容・保証で、コストを下げる方法はありますか?」と聞く
まとめ発注・オフシーズン発注を武器に交渉する
危険な値引き交渉
「とにかく安くしてください」と言う
値引き後に何が変わったか確認しない
値引きより「価値」を交渉する
本当にお得なのは値引きより「価値の交渉」です。
「値引きはいいです。その分、照明のグレードを上げてもらえますか?」
「値引きはいいです。その分、保証を5年にしてもらえますか?」
同じ金額でも、品質・保証・サービスを上げてもらう交渉の方が、長期的に見てはるかにお得です。
まとめ
✅ 値引きの原資は「材料ダウン」「工程省略」「職人ランク低下」から来ることが多い
✅ 「後から追加請求」のための入口として値引きが使われることがある
✅ 保証・アフターサービスが省略されることがある
✅ 「とにかく安く」ではなく「同じ品質で安く」を交渉する
✅ 値引きより「価値を上げてもらう」交渉の方が長期的にお得
「値引きしてもらった」は、必ずしもお得とは限りません。
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建築士・電気工事士・管工事施工管理技士等、有資格者が多数在籍する建築会社を15年経営。飲食店・クリニック・美容室・保育園など施工実績多数。現場目線の店舗・施設内装情報を発信中。
