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#16 変わろうとしないと、なぜ変わっていくのか

Q:変化したいのに、「変化しようとしない方がいい」と言われるのは矛盾しているように感じます。どういうことですか?

A:
「変化しよう」とするとき、そこにはほとんどの場合、
「今の自分は足りない」「この状態ではダメだ」という前提があります。
その前提が、身体や心を無意識に緊張させます。

一方、瞬間瞬間の感覚をそのまま受け入れているとき、
その前提は一時的に消えています。
そのとき、変化は意図ではなく、自然な流れとして起き始めます。



Q:「受け入れる」というのは、我慢することや諦めることとは違うのですか?

A:
違います。
我慢や諦めは、「本当は嫌だけど耐える」という抵抗を含んでいます。

受け入れるとは、
「今、こう感じている」
「身体は今、こう反応している」
と、評価を加えずに気づくことです。

そこには努力もコントロールもありません。



Q:瞬間瞬間の感覚とは、具体的には何に注意を向ければいいのでしょうか?

A:
とても小さなものです。

・呼吸の深さ
・肩や顎の力み
・胸の広がり、重さ
・何も起きていない「間」

特別な感覚である必要はありません。
むしろ、あまりにも普通すぎて見過ごしているものです。



Q:感覚を受け入れているだけで、本当に変化は起きるのでしょうか?

A:
起きます。ただし、
「こう変わるはず」という予想とは違う形で起きることが多いです。

たとえば、
・気づいたら緊張がほどけている
・無理に前向きにならなくなっている
・以前ほど考え込まなくなっている

これは「変えた」のではなく、
余計な力が抜けた結果、自然に整った状態です。



Q:なぜ人は、変えようとすると逆に固まってしまうのでしょうか?

A:
変えようとする意識は、
常に「今は不十分だ」という判断とセットだからです。

判断は、思考を活性化させ、
思考は身体を緊張させます。

その緊張の中では、
新しい流れが入る余地がありません。



Q:では、何もしない方がいいということですか?

A:
「何もしない」というより、
操作しないという方が近いです。

呼吸を変えなくていい。
感情を良くしなくていい。
今を別のものにしなくていい。

ただ気づいていると、
変化は「起きてしまう」ものとして現れます。



Q:変化が起きているかどうかは、どうやってわかりますか?

A:
大きな出来事よりも、
日常の小さな違いとして現れます。

・反応が一拍遅れる
・すぐに答えを出さなくなる
・散歩に行こう、と思える余裕がある

これらはすべて、
内側で何かが緩んだサインです。



Q:結局、変化とは何なのでしょうか?

A:
新しい自分になることではありません。
本来のリズムが戻ることです。

変わろうとしないとき、
あなたはすでにそのリズムに触れています。

変化は、
そのリズムが続いた結果として、
あとから気づくものなのです。

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