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「中国の金購入は単なる米ドル安への手段ではない」

※世界的な危機時には、民間資本(国債以外の株、商品、貴金属など)は、欧州、日本、新興国、そして中国自体から流出し、同時に米ドルと金へと資金を移す可能性がある。
※米ドルの武器化は各国に金蓄積を促す一方で、信頼できる代替通貨の不在は米ドルの中心的な役割を維持させている。中国は準備万端であり、モデル(ソクラテス)は一貫して、最後のドミノ(米国)が倒れた時、中国が頂点に立つことを示している。

( China’s Gold Buying Is Not Simply a Bet Against the Dollar )

投稿日:2026年8月10日 マーチン・アームストロング
https://www.armstrongeconomics.com/armstrongeconomics101/economics/chinas-gold-buying-is-not-simply-a-bet-against-the-dollar/
 
1)マーチン・アームストロング(Martin Armstrong)氏の紹介(米国在住)
1,伝説のヘッジファンドマネージャー
2,アームストロング経済学の創設者
3,1997年頃、パリで開催されたBIS(国際決済銀行)の会議で、各国中央銀行総裁を対象に基調講演を行う。
4,英国首相であったマーガレット・サッチャーのアドバイザーを務める。また、友人でもあった。
5, EU創設時にアドバイザーを務める。
6,2025年10月にトランプ政権から、ウラジーミル・プーチン大統領とロシアが検討するに値する和平計画を立案するよう要請を受けた。そこでアームストロング氏は、「第三次世界大戦を防ぐための和平提案」と題する、200ページ近くの計画を立案した。
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7,2025年11月にアームストロング氏が米国のフロリダ開催したWEC(世界経済会議:毎年世界各地で開催)には、世界40か国以上から対面で1000人以上、そして数十万人のライブ配信者が参加した。クラウスシュワブ氏の世界経済フォーラムとは対極の世界の構築を目指している。
8,経営するPrinceton Economicsは、世界最大のアドバイザー企業である。各国政府、中央銀行、大企業、機関及び個人投資家な どに、各種の分析やアドバイスを提供している。
 ソクラテスはマーチン・アームストロング氏がトレードそして投資ツールとして開発し、ライフワークとして改良を続けているこの会社の量子AIコンピューターである。40年を超える運用実績があり、予測の確かさがすでに実証されている。
 またソクラテスは、マーケットのみならず戦争や国家の興亡さえも予測できる他に類例を見ない画期的なものである。
9,ソクラテス(Socrates)は、個人投資家・トレーダーや一般の方も、USD15/月から利用できる。
Global Financial Market Research Platform | Socrates
 
愛を広げよう


2)翻訳
 一般的な説明は、中国が米ドルを破壊したいから金を購入しているというものだ。これは劇的な見出しになるが、分散化と代替、政治的野心と市場の現実を混同している。中国人民銀行は7月に報告された金準備高を64万トロイオンス(約20トン)増加させた。保有量は7544万オンスから7608万オンスに増加し、2023年10月以来最大の月間増加となり、金購入キャンペーンは21ヶ月連続となった。
 金準備の増加ペースは、3月の16万オンスから6月には48万オンス、7月には64万オンスへと加速した。中国の金準備高は7月末時点で3063億5000万米ドルと評価されたが、これは同国の総準備高のごく一部に過ぎない。
 もし北京が米ドルが消滅寸前だと信じているのなら、なぜ何兆米ドルもの外貨準備を維持し、依然として米ドル建てで資金調達されている世界貿易システムの中で活動を続けるのだろうか?中国は劇的な米ドル崩壊に備えているわけではない。外貨準備が凍結され、決済システムが武器化され、国家債務がもはや政治的に中立ではなくなる世界に備えているのだ。
 金は他国の政府の負債ではなく、発行者が債務不履行に陥ることはなく、国家管理下にある現物の金塊は外国の財務省によって電子的に凍結されることはない。
 ロシア資産の差し押さえは、西側同盟以外のすべての中央銀行にとって、計算を一変させた。中国がこの前例を無視すれば、怠慢と言わざるを得ないだろう。北京は、ワシントンが技術へのアクセスを制限し、金融制裁を課し、国際銀行に圧力をかけ、米ドル建て決済システムを外交政策の手段として利用する様子を目の当たりにしてきた。
 これは、中国が明日にも戦争を起こすつもりだから金を購入しているという意味ではない。外貨準備資産に付随する政治的リスクが高まったことを意味し、(各国)中央銀行は政治家がルール変更を公に認めるずっと前から、リスクの変化に対応しているのだ。
 金は、資産の没収や通貨制度の分断に対する保険となる。しかし、保険であることと、実際に決済に使える通貨であることは同じではない。中国は貿易を管理し、人民元を安定させ、国内機関を支え、国際的なパニック期を乗り切るために、依然として米ドルの流動性を必要としている。
 
※解説:資産の没収や通貨の分断(Google Geminiより)
 国家による財産の押収や、地政学的な対立・経済制裁などによってグローバルな共通通貨システムが崩壊するリスクを指します。
〇グローバルな共通通貨システム
 国境を越えた貿易、投資、金融取引などを円滑に行うために、世界中で共通して信頼され、利用されている国際的な金融・決済の枠組みや基盤のことです。
 特定のひとつの共通通貨(例えばSF映画に出てくるような世界共通の紙幣など)が存在するわけではなく、世界経済の血液として機能している「決済網」「基軸通貨」「国際ルール」の総体を指します。
主な構成要素は以下の通りです。
1. 基軸通貨(米ドル)
世界の貿易や外貨準備の中心となる通貨です。現在は米ドルがその中心(基軸通貨)を担っており、石油などの資源取引も基本は米ドル建てで行われます。
2. 国際的な決済・通信網(SWIFTなど)
国境を越えて銀行間でお金を送金したり、情報をやり取りしたりするためのインフラです。代表例がSWIFT(国際銀行間通信協会)で、これがあることで世界中の金融機関が瞬時につながることができます。
3. IMF(国際通貨基金)などの国際機関とルール
 通貨の価値が急落した国を救済したり、各国の為替政策がルール違反になっていないかを監視したりする、国際的な枠組みやルールです。
以上
 
 これは、米ドル崩壊論者が理解しようとしない点だ。ある国が米国債の資産の割合を減らす一方で、米ドルは他の通貨に対して同時に上昇する可能性がある。資本は完璧か失敗かを選ぶのではなく、利用可能な選択肢の中から選ぶのだ。
 世界的な危機時には、民間資本(国債以外の株、商品、貴金属など)は欧州、日本、新興国、そして中国自体から流出し、同時に米ドルと金へと資金を移す可能性がある。米ドルは流動性、担保需要、米ドル建て債務、そして米国金融市場の厚みといった恩恵を受ける一方、金は政府への信頼の低下と国家準備の政治的中立性によって恩恵を受ける。
 矛盾はない。米ドルは既存の金融システムの基軸通貨であり、金はそのシステムの濫用や最終的な破綻に対する保険である。また、中国の金蓄積は人民元が米ドルに取って代わる準備ができていることを証明するものではない。基軸通貨には、貿易協定や政治的宣言以上のものが必要だ。深くアクセスしやすい資本市場、信頼できる交換性、執行可能な財産権、透明性の高い制度、そして外国資本が政府の命令に縛られることなく出入りできるという信頼が求められる。
 中国は、多額の負債を抱える不動産セクター、地方政府財政への圧力、国内の信頼感の低迷、そして繰り返し発生する海外への資本流出の需要といった問題に直面している。政府による金購入は、中国国内経済への信頼の表明と混同されるべきではない。国家は対外準備資産を確保している一方で、多くの民間保有者は人民元、不動産価格、政府の政策、そして資本移動の自由について依然として懸念を抱いている。
 中国が金を購入する一方で、同国の民間資本は米ドルや海外不動産、海外株式、あるいは国内の規制による影響を回避できるあらゆる形態の資産を求めている可能性がある。また、中央銀行による金保有高の増加が、常に市場を一直線に押し上げる要因になると考えるのはやめるべきである。中国が買い増しをしている最中でも金価格が調整局面に入ることもあれば、公的な購入ペースが鈍化している時に価格が上昇することもあり得るからである。
 中国による金購入は、制裁措置によって国家準備金が政治的手段へと変貌した後に加速した準備金管理の今ある変化を裏付けるものだ。しかし、米ドルが消滅する、人民元が米ドルに取って代わる、あるいは金価格が毎月上昇しなければならない、といったことを証明するものではない。
 米ドルの武器化は各国に金蓄積を促す一方で、信頼できる代替通貨の不在は米ドルの中心的な役割を維持させている。中国は準備万端であり、モデル(ソクラテス)は一貫して、最後のドミノ(米国)が倒れた時、中国が頂点に立つことを示している。

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