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配達員ろること2号 番外編「階段話」#無茶ブリお題道場



番外編「階段話」

「あ、ここ……」
ろるこは数日前に耳にした噂を思い出していた。

――東山の廃墟みたいなアパート、知ってる?

大熊猫屋で調理待ちをしていたとき、配達員のおじさんがそう話しかけてきた。
無視するつもりが、今朝その建物に行ったばかりでつい返してしまった。

「あ、さっき行きました! あまりにもボロくて、まさか人なんて住んでないだろうって思ったら住んでてビックリ!」

「そうそう、そこ。夜には気をつけなよ」

「なんかあるんです?」

「夜に行くと――」
店員に呼ばれ、おじさんは慌てて受け取りに向かってしまった。

……あんな話聞いたら怖いじゃん!
配達アプリを確認すると行き先は402号室。よりによって最上階。

電灯のない階段を月明かりだけで登る。あと少しで四階。

「なーんにもないじゃん」
ホッとしたその瞬間、最後の一段に足をかけた。
足元を照らすと、そこには――ぐったりと人影が。

「ひ、ひぃっ!」

髪は乱れ、顔は真っ青。まるで死人のように転がっている。
ろるこの喉が凍りついた、そのとき。

「……んごぉ……クジラ……後追い……」

月明かりに浮かんだのは、ただの泥酔した2号だった。

ろるこは思わず腰を抜かす。
「な、なんでこんなとこにいるんですか!? 2号さんここに住んでるんですか!?」

2号の寝言だけが、廃墟の階段にこだました。


あとがき

初めて「無茶ブリお題道場」に参加させていただきました。
今回のお題は400文字程度の「階段話」。

実は何本か書き上げたんですが、どれも800〜900文字になってしまって……。設定を削るのも惜しくて、じゃあいっそ「ろるにご」でやってみよう!と挑戦した結果、約590文字になりました。これでも短くしたつもりなんですが……すみませんッ!

普段は短めになりがちなのに、こういうときに限って長くなるのが一番のホラーですね。

文字数オーバーなので、続きが気になるところで切ってあります。
果たして、ろるこは2号を介抱したのか?
それとも置いていったのか?
その辺りは読者のみなさんの想像に委ねます。


ここまで読んでくださったみなさん、ありがとうございます!
スキ・フォロー・コメントで反応をいただけると、階段で寝落ちしていた2号もようやく目を覚ますかもしれません。

ちなみに連載中の『配達員ろること2号』では、本編にもっと恐ろしい階段話が潜んでいます。気になる方はぜひ下記エピソードをご覧ください。

また、Xでは配達の日常や小説、AIイラストなどを発信中。階段の上から転がる前にキャッチしてくれるフォロワーを募集中です。


※本作はフィクションです。

登場する人物・団体・地名・出来事などは実在のものとは関係ありません。また、一部の描写は実在するXユーザーの投稿や活動に着想を得ていますが、特定の個人・団体との関連性はなく、内容は創作に基づいて構成されています。

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