昼休憩にこぼれた本音──“静かな結託”が生まれた日
いつもは淡々と過ぎていく昼休憩が、この日は少し違っていた。
新人の本音と、私の小さな勇気が重なって、見えていたのに見ないふりをしていた現実が浮き上がる。
これは、小さくて大きな“現場の会話”の記録。
今日は珍しく、昼休憩に新しい事務さん、私のあとに入ってきた検査技師さん、そして昔からいるけれどほとんど誰とも絡まない若い事務さんと、4人で同じテーブルになった。
最初に話してきたのは検査技師さん。
「お給料が安くて…奨学金返して家賃払ったら全然残らなくて、いまバイトの面接結果待ちなんです」と。
その言葉がすごくリアルだった。
技術職として現場の最前線を支えてくれているのに、ちゃんと報われていない。
そこから話は自然と広がった。
検査技師の仕事は多岐にわたって、本当に技術職としてすごい
オペ室までこなして、文句ひとつ言わずにやっている
本来ナースの仕事でもある部分を、彼女たちがカバーしてくれていること
一時期は事務さんまで術後セットの洗浄をやっていて、それも本当にすごい
私は、そこをちゃんと称えつつ、ひとつだけ“核心”も混ぜた。
「ナースは『やりたくない』って言えばやらなくていい空気があるのに、
みんな順応してカバーしてくれているのはすごいよね。」
と。
その流れで、先日の助手の話にも触れた。
主任に「やりたいか?」と聞かれたこと。
仕事はやりたいかどうかじゃない、と言ったこと。
やらない人がいるのは、雇われ院長も知っているけれど、
結局権限がないから変わらないこと。
そして最終的には、主任の“守る人・甘やかす人”の線引きで現場が回っていること。
私は、どう思ったかよりも、
新しい人には“この構造だけは知っておいてほしかった”
それだけ。
わざわざ仲間意識を深めるつもりはないけれど、
同じ現場で働く以上、
真面目に働く人が損をする仕組みには飲み込まれないでほしい。
そして、私自身もそこに加担しない。
今日の昼休憩は、そんな「静かな結託」の時間だった。
