分岐点
分岐点
心の中の 怒りや安らぎは
交差する度に 互いに互いを中和する
花々は咲き乱れ やがて散る
季節もまた めぐりながら溶け合っていく
人間は主義主張を唱えながら
いくつもの重ならない輪を
作り出す 生まれた時から
世界は分岐を繰り返してきた
決して交わらない分岐点の上で
未来は希望を静かに飲み込んだ
悲しみと優しさが交差する時
互いが互いを認め合う
やがて小さな希望が光を放つ
そして世界はまた静かに巡り始める
【あとがき】
さまざまな民族や国家が生まれ、時に争い、時に分かれ、また新しい歴史をつくっていく——。世界は長い時間の中で、幾度となく分岐を繰り返してきました。
学生の頃、世界史の授業で学んださまざまな出来事も、きっとその一つひとつが、人の正しさや信念から生まれてきたものなのだと思います。
人はそれぞれの正しさを信じながら生きています。けれど、その思いが強くなるほど、互いの距離が広がってしまうこともあります。気がつけば、いくつもの「重ならない輪」が生まれている……。そんな光景を、ふと感じることがあります。
一方で、自然の世界を見ていると、そこには対立ではなく「巡り」があります。花は咲き、やがて散り、季節は移ろいながらまた巡ってくる。怒りも安らぎも、悲しみも優しさも、本来はどこかで交差し、少しずつ溶け合っていくものなのかもしれません。この歌では、人が生み出してしまう「分岐」と、それでもなお生まれる「小さな希望」を描いてみました。
互いの悲しみや優しさがどこかで交差する時、ほんの小さな光が生まれる。そんな思いを込めています。
この曲が、誰かにとって世界や人との関係を少しだけ見つめ直すきっかけになれば嬉しく思います。
