親子の会話を取り戻した一枚のコイン ― 開業医ドクターとお母様の物語 ―
アンティークコインの仕事をしていると
「コインそのもの」以上に心に残る出来事に出会うことがあります
今回は、
ある開業医のドクターと
そのお母様とのご縁のお話です
そのお客様は、私が出会う以前からのコインコレクターで
アンティークコインにも
モダンコインにも深い知識をお持ちの方でした
コインの種類に応じて
ご希望に沿うものが入荷した際には
まずご意見を伺いたいと思うほど、深いご見識をお持ちの方でもいらっしゃいました
新しいコインが入荷した際には
折に触れてご連絡を差し上げておりました
ある日、いつものホテルラウンジで新しいコインをご覧いただいていた時
初めてお母様のお話をしてくださいました
「あなたのこんなに嬉しそうな顔を見るのは久しぶりだから
私まで嬉しくなる
もし欲しいコインがあれば
私からも一枚買ってあげたい」
そうお母様がおっしゃったのだそうです
さらにお話を伺うと
お母様はちょうど相続について
考え始めていた時期でもあったとのこと
こうして
コインをきっかけに
親子で同じ世界に関心を持たれるようになりました
ドクターは毎日
手術などで非常に神経を使うお仕事をされています
その中で、コインを見る時間は
ほんのひとときの安らぎでもあったのかもしれません
何より印象的だったのは
コインを通して親子の会話が自然と増えていったことでした
資産でありながら
人と人との距離をやわらかく近づけてくれる存在
それがアンティークコインの
もう一つの価値なのだと感じた瞬間でした
余談ではありますが
そのドクターのお名前が
私の子どもと同じ名前だったという小さな偶然もありました
そうした不思議なご縁もまた
このお仕事の中で何度も経験してきたことです
コインが連れてきてくれるご縁には
思いがけない喜びが
そっと散りばめられています
こうしたエピソードは
まだまだ続きます
どうぞ、お楽しみに…
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