[43]【新しい朝】人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。―新聞配達編―最終回
◾️この物語は筆者の実体験をもとに執筆しています。
僕が生きてきた記録です。
朝10時。
僕は決めていた。
コーヒーメーカーでいれたコーヒーを飲みながら、
吉田にもう一度電話をかけた。
「なんやねん。毎日電話くれて。」
「銀行口座教えて。鹿島に来る旅費、振り込むよ。」
「本気かいな?」
吉田は笑った。
「再出発もやり過ぎて、再再再出発というか……もう数え切れんわ。ありがとうな。」
「どうなるかは分からないけどね。僕も助けてもらったから。今度は僕が助けるよ」。
吉田の口座に2万円を振り込んだ。
「明日、鹿島に行くわ。」
翌日。
吉田は来なかった。
ショートメールが届いた。
「すまん。パチンコで使うてもうた。」
「マジか……。」
僕は呟いた。
まあ、
少しは想像していたけど。
「1万円だけ振り込むよ。ギリギリ旅費、足りると思うから」
ショートメールを送った。
その日の夜。
吉田から電話が鳴った。
「鹿島神宮駅ってとこに着いたで。」
本当に来た。
僕たちはまた、
新しい道を歩き始めた。
-新聞配達編-完-
■「夕日」創作大賞2026応募作品。

