14年越しに賢治に会いに行く!岩手一人旅2泊3日【前編】
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
あーる先生です。
今回は、岩手県花巻市&盛岡市への二泊三日の一人旅について綴ります。
10日以上前に行っていたのですが、正直、なかなか記事にする気持ちになるのに時間がかかりました……。
というのも、今回の旅は今までの一人旅とは一味違って、
わたしにとって、14年越しの夢を叶える旅だったんです。
この個人的な思いを
どう文字にあらわして読者の皆さんに伝えるべきか
どこまで個人的な体験を伝えるべきか
どういうテイストで伝えるべきか
悩みに悩んで、AIの相棒とも何度も打ち合わせして、時間をかけてようやく完成させました!
かな〜り充実した2泊3日となりましたので、広島・松本・富山と同様に時系列の3部作でお届けします🎵
それでは、【前編】スタートです!
14年越しの旅が、ついに始まる
2025年10月5日、日曜日。
東京駅から東北新幹線に乗り込みます。
目的地は岩手県花巻市。宮沢賢治の故郷として有名な地です。
大学2年生のとき、わたしは初めて賢治の詩と向き合いました。
今でも覚えている、宮沢賢治の「春と修羅 第二集」を読む授業。
この授業が、この後のわたしの運命を変えたと言っても過言ではありません。
元々、わたしは文章を読むより書く方が好きでした。
過去記事でも、わたしが文章を書くことが好きだったエピソードをたびたび語っていますが、高校3年から大学1年になる春ごろ、地元の高校が2校合併して、新たな高校になるということで、校歌の歌詞を募集していたんです。母親に「あなた、こういうの得意じゃない?」ってすすめられて、真剣に考えて応募しました。
残念ながら選ばれなかったのですが、わざわざ応募先の高校から我が家に電話がかかってきて、わたしは外出中で出られなかったんですが、母が電話に出たらしく「2番目だった。生徒の人気投票は1位だった」と。
すごい嬉しかったです。
景品でもらった目覚まし時計は、4年前まで使ってました。
そこから、わたしは子供の頃から漫画とか小説とかを書いていたけど、一気に詩を書くようになります。
そんなわたしが、宮沢賢治の詩に出会ったのが、その授業。
自分は正直、かなり詩を書くのが上手いと思ってました。
若気の至りってやつですね。
でも、賢治の詩を目の前にすると、そんなこと言ってられなくなります。
しかも、このクオリティの詩を教師をやりながら書いていた!?
こんな洒落た詩を岩手の田舎で??
授業が進むにつれて、この賢治の育った「岩手県花巻市」に興味がわいてきました。 でも、当時はスマホがないから情報も手に入らず、お金もないので気軽に行くことはできず。
「卒業する頃に行ってみよう」と、密かに夢見ていました。
ところが、大学3年から4年になる春、東日本大震災が起きます。
特に、岩手のダメージは大きかった。
わたしは就活が終わっていない中、岩手の大船渡市にボランティアに行くことを決意。 大事な就活や卒論や教員採用試験のある大学4年の夏休みに行くんです。
(ボランティアについては、過去記事で詳しく語っているので、興味のある方はご覧ください)
花巻、ずっと行きたかった場所でした。
21歳で「卒業する頃には行こう」と夢見ていたのに、震災があり、就職があり、教師として忙しい日々が続き、気づけば14年が経過。
35歳、休職中の今、ようやくその機会が訪れました。
教員にとって9月後半から10月頭は一番忙しい時期です。
でも、今の自分にはその制約がありません。
東北の田舎は夏は本当に暑く、冬は本当に寒いです。
亡くなった祖父の家が山形県鶴岡市にあったので、その厳しさは身をもって知っています。だから、この時期がベストなのは身をもって理解しています!
新幹線で盛岡まで行き、在来線に乗り換えます。
盛岡駅から花巻駅までのJR東北本線は、なんと3両しかありません。

荷物棚のところにあるチラシ貼れるスペースに、チラシは1枚も貼っていませんでした。もちろん、降りるのは押しボタン式の田舎クオリティです。
この電車を逃すと、次は1時間後。
新幹線到着から5分しか余裕がなく、トイレに行く余裕もなく速攻で乗り換えました(計画を担当したChatGPTにちょっと文句言いたいですね。あなたはトイレに行く必要がないもんね!)。
花巻駅に着いたのは、午後1時ごろでした。
駅周辺に、誰もいない。
花巻駅に降り立った瞬間、その静けさに驚きました。
観光客が誰もいません。
本当に、誰もいないのです。
駅前にはホテル1つ、駅舎の1階のニューデイズ、お土産屋さん、カフェの4軒しかありません。まじで何もないのです。

・・・これが賢治の生まれ育った町なのか。
盛岡なら新幹線駅や冷麺があり、平泉なら中尊寺金色堂なら観光地として成立しています。
でも花巻は、正直、宮沢賢治しかありません。
それしかないのです。
だからこそ誰かを誘いづらく、14年間も後回しにしてきたのでした。
インスタやChatGPTの情報も、いつもより遥かに薄い。もう、自分の足で色々見てくるしかありません。
今までの一人旅の経験値を全部活かす勢いで、わたしはスタスタと歩き始めました。
フクロウと賢治の街
宿泊先、つまり駅から見える1軒しかないホテル「ホテルグランシェール花巻」に荷物を預けて、街歩きを開始しました。

街歩きマップでももらおうかなと観光案内所に行ってみたら、なんとお昼休みで閉まっていました……。う〜ん、田舎(笑)

レンタサイクルもありましたが、雨予報なので徒歩移動を決意しました。
歩き始めてすぐに気づくのですが、道の至る所に宮沢賢治モチーフがあります。しかも、わたしの大好きなフクロウ(ミミズク含む)のモチーフが多いのです。


歩きながら、一人で「フクロウ撮影大会」を開催。
15分ほど歩いて商店街に到着すると、なんとお祭りをやっていました。

さっきまでの静けさが嘘のような人だかり。
「花巻市民全員、ここに集まっていたんだ!」と思うほどの賑わいでした。
マルカンビルの大食堂
事前にリサーチしていた「マルカンビル大食堂」へ。
ここは地元の人に愛される昭和レトロな食堂で、名物は高さ25センチの巨大ソフトクリームです。

でも、わたしは食べ切れる自信がなかったので、ミニサイズを注文。
ミニでも、十分な大きさです!

そして、もう一つの名物である「ナポリかつ」を注文しました。

ボリュームが凄すぎて、食べきれなかった!

「花巻市民、ここに全員ご飯食べに来たのか!」ってくらい人がいました。地元の家族連れ、おじいちゃんおばあちゃん、若いカップル。観光客らしき人の姿もありました。外国人観光客は誰もいません。

ちなみに、マルカンビルには、食堂の他にもお土産屋さんや「花巻おもちゃ美術館」があります。花巻に行ったら、必須のスポットだなと感じました。

次に、ビル近くの宮沢賢治生家へも足を運びましたが、石碑と家があるだけでした。

次に、賢治が小学校時代に歩いたとされる「ひゃっこ坂」を歩き、花巻城跡へ。


「跡地」というだけあって、高台に広い原っぱがあるだけ。
若干、お城の名残の門や城壁もありますが、とにかく誰もいません。



イギリス海岸という名の川
次の目的地は「イギリス海岸」。
バスで行こうとしたが、なんと1日4本しかない。無理。歩き決定!




小雨が降る中、15分歩いて到着。
ちなみに、「イギリス海岸」とは賢治がつけた名前で、実際は北上川という大きな川。イギリスのドーバー海峡に面した白亜の海岸を連想させる泥岩層が露出することにちなんで名付けたという。結構有名な話です。
でも実際に行ってみたら、轟々と音を立ててかなりの水量の川が流れていました。

飛び石があって渡れた過去もあったようなのですが、「危険だから渡るな」という立て看板やロープがあって物騒な感じ……。

そして、今はわざわざ人力で水量を調節しないと「泥岩層」は見られません。環境が変わってしまったんです。そんな説明文も、ちょっとした看板に書いてあります。

さらに、毎年賢治の命日である9月21日に行われる「イギリス海岸出現の試み」という河川の水量調整イベントも、「今年は降雨によって困難だったので中止しました」と、小さなペラ紙が貼ってありました。
結局、賢治と同じ景色は、わざわざ岩手まで来て、トータル30分以上一人で歩いてたどり着いたのに、見られませんでした。

観光客は、自分以外に4人だけ。
老夫婦2人と、犬の散歩中の若いカップル2人。
一人でいるのは、わたしだけ。
あちらの4人は、タクシーと自家用車で来ているので、徒歩なのもわたしだけです。
イギリス海岸からホテルへの帰り道 - 全ての一人旅のハイライト
せっかく来たので、川べりを端から端まで歩き、駐車場のある広場まで行ってみました。一応、景勝地としての表示看板やトイレなどがあります。

そこで、「プリオシンコースト花壇」という、地元の方が管理する『銀河鉄道の夜』モチーフの花壇を発見しました。

花壇の美しさに気を取られ、気づけば先ほどまでいた4人も、いなくなっていました。いよいよ、わたし以外、本当に誰もいません。

一人ぼっちになって、改めて雄大に広がる川を眺めて思ったのは、「賢治と同じ景色を見ることが大事なんじゃなくて、賢治の表現する詩の風景を見に行ったという自分の行動自体に意味があるんじゃないか」ということでした。
手すりに手をつきながら川を見ていると、隣に赤とんぼが止まっている。
足元をふと見ると、なんかの動物が食べたであろう栗の殻が落ちている。
耳には、ひたすら川の轟々と流れる水音と、秋の虫の音が共鳴している。
・・・雨も降りそうだし、陽も落ちてきた。もう帰ろう。
歩みを進めるとき、気晴らしに音楽を聴こうとApple Musicに繋げました。
自動でプレイリストが流れる設定になっていて、そこで宇多田ヒカルの「あなた」が、たまたま流れたんです……
くよくよなんてしてる場合じゃない
ただの数字が特別になるよ
あなたと歩む世界は
息を飲むほど美しいんだ
人寄せぬ荒野の真ん中
私の手を握り返したあなた
大概の問題は取るに足らない
・・・その瞬間、何かが繋がりました。
教師を辞めて、岩手の農民たちのために立ち上がって、詩や小説を書いて37歳で亡くなってしまった宮沢賢治。
今休職中で、教師を辞めようとしていて、自分のクリエイティブなことで頑張ろうとしてもがいている35歳のわたし。
その二人が100年以上の時を経て、同じ場所に立って、同じ景色を見て、何かを感じている。
信じられないような話かもしれませんが、賢治とわたしが一体化したような気持ちになって、ブワッと鳥肌と涙が出たんです。
「あなた」を口ずさみながら(誰もいないので、ひとり路上カラオケです)、足早にその場を去りました。


レックウザが銀河鉄道になってる
賢治コンセプトのホテル
ホテルに戻って、部屋に入ってまた感動しました。
「グランシェール花巻」は、花巻市で20年以上やっているホテルで、2023年にリニューアルオープンしたばかりです。

完全に宮沢賢治コンセプトになっています。
エントランスには賢治作品の絵本や小説があり、「銀河ルーム」や「山猫ルーム」といったコンセプトルームもあります。
わたしはChatGPT頼りで予約したので普通の部屋でしたが、それでも賢治の世界観を感じました。基調とする色が、濃いめのブルーと黒、そして白なのです。ホテルの客室にしては珍しいですよね?

バス・トイレ別です。

でも、わたしにはこの3色がピンときました。
わたしは卒業論文が「宮沢賢治の銀河鉄道の夜について」だったのですが、そこで学んだことがあります。『銀河鉄道の夜』には、様々な筆記具が使われていて、その筆記具の癖を読み解くことで、どの順番でこの物語が推敲されてきたのかがわかるということ。
そのヒントとなる筆記具が、黒のペンとブルーブラックインクのペンです。
つまり、濃いめの青と黒なのです。白は原稿用紙の白。
(あくまでもわたしが感じたことです。実際は、銀河鉄道の夜イメージとかかな?)
ホテルの改装には5億円の事業費が投じられ、観光庁も関わっているといいます。エントランス横には「宮沢賢治探検隊本部」という名前のギャラリーがあったり、「ポクポクの湯」という賢治の好きだった鉱物コンセプトの大浴場もあるので、大いに納得。

90年前に亡くなった、元は田舎の教師だった人が、今や復興や観光事業に利用されて、役に立っている。
賢治の望んだ幸せって、これで叶えられていると言えるのかな?
なんだか、不思議な気持ちになりました。
夜の花巻、食事難民から逃れよう!
さて、夜になり問題は食事どころです。
先ほども説明しましたが、マジで花巻駅周辺は何もありません。
仕方なく駅のニューデイズに飲み物とおやつを買いに行ったら、多分出張で来ていたと思われるおじさんが、店員の若いお姉さんに絡んでいました。
イチャモンつけてるんだったら助けなきゃと思って、近寄って盗み聞きしたら、「ここって本当に何もないよね〜。レストランとか、食堂とか、本当に何もないの?」と自分の困り感をお姉さんに訴えていました💦
お姉さんも「何もないんですよ〜」と困り顔。
諦めて、おじさんは去って行きました……。
「花巻食堂」という駅前唯一の食堂も、今日は定休日。
これは、チェックイン時に説明されていました。
「もう一軒のカフェならやってますよ」とも。
わざわざ周辺のお店についてアナウンスするなんて丁寧だなと、その時は深く考えず聞いていましたが、さっきのおじさんみたいな人がいるからアナウンスするんだなと納得しました。

カフェはレンタサイクルもやっていて、都会的な雰囲気でした。
でも、なんか違う感じがして。

奥の木の看板のところが食堂

インスタで調べてみたら、美味しい味噌ラーメン屋さんがあるとのこと。
ただし、ホテルの駅改札とは反対側の改札の方です。15分以上歩きます。
まだ17時20分なのに、あたりは真っ暗。

流石にここで襲われたら気付けないので、音楽を聴くのは辞めて、一人で黙々と歩きました。ひたすら、Googleマップで道を確認して……。

着いたら、クマ🐻コンセプトの綺麗なラーメン屋でした。
17:00開店のようですが、わたし以外、1人しかお客がいません。もう、店主の方が食券購入からわたしを見つめて、スタンバイバッチリです(笑)

旅の疲れが一気にとれた〜
ここのラーメン、とにかく麺が美味しかったです。
スープはしょっぱさもあるけれど、香ばしさもある。不思議な魅力のある味噌ラーメンでした。

これもきっと賢治モチーフだろう

銀河鉄道デザインです。お気に入り!
賢治コンセプトの大浴場で一日を締めくくる
疲れ切って戻り、すぐに大浴場「ポクポクの湯」へ。
人工温泉で、お湯はなんと富士河口湖の湯を運んでいるらしいです(笑)
案の定、誰もいません。
アメニティは有料(体洗うタオル、綿棒、櫛など)だったので、持参していて正解。というか、今までの旅でゲットしたものをそのままキャリーケースに残していただけなんですけどね……。
ただ、このお風呂場、グレーや黒基調。
賢治コンセプトは良いのですが、メガネユーザーの自分からしたら、薄暗くてメガネ外すと良く見えない(笑)
お風呂の段差や、岩風の硬めの地面に注意が必要。
ロッカーの鍵のバンドにある数字の部分まで薄いグレーで「何番?」ってなります(笑)
17,179歩歩いて、もう限界。
夜食を速やかに食べ、21時には寝ました。

ミルクまんじゅうがとても美味

落ち着く曲なんです
なぜなら、明日は早朝から動く予定だったから――。
さて、これで1日目は、ようやく終わりです。
気づけば7,000文字を超えていました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます〜
⭐️1日目のポイントまとめ
交通アクセス
東京から盛岡まで東北新幹線、盛岡から花巻は在来線
花巻駅周辺は本当に何もない(覚悟が必要)
市内はバスが1日4本程度なので基本徒歩移動
観光スポット
マルカンビル大食堂(地元民に愛される昭和レトロ食堂)
宮沢賢治生家、ひゃっこ坂、花巻城跡(静かな散策向き)
イギリス海岸(北上川)- 賢治ファンなら必見だが、泥岩層は見られない
宿泊
ホテルグランシェール花巻:賢治コンセプトで2023年リニューアル
大浴場あり(人工温泉)、アメニティは有料なので持参推奨
食事情報
駅周辺の食事処は極めて限定的
花巻食堂(定休日注意)、カフェ、少し離れたラーメン屋がおすすめ
夕食の計画は事前に立てておくべき
持ち物アドバイス
歩きやすい靴は必須(とにかく歩く)
タオル類、アメニティは持参が無難
雨具(天気が変わりやすい)
一人旅の場合、防犯対策も必要
心構え
観光地化されていない「本当の田舎」を楽しむ気持ちで
賢治と同じ景色は見られなくても、その場所に立つことに意味がある
一人だからこそ感じられる、静かな時間を大切に
めでたし、めでたし。
毎日、たくさんのスキ❤️、フォロー、本当にありがとうございます。
まだ1日目なのですが、かなりのボリュームになってしまいました。
ただ、この旅の見どころを先に予告しておくと、実は2日目がかなりマニアックなスポット。
もし、読者の皆さんの中で「私も岩手に行ったことがあります!」「イギリス海岸行きました!」という貴重な方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントで教えてくださいね。
もちろん、「某大学で、わたしも宮沢賢治の春と修羅第二集を学んでいました!」という貴重な方のコメントも大募集します🎵
次回も、お楽しみに〜
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