固定残業制は悪か?(前編)
今回のテーマは、固定残業制についてです。
ところで、貴方が働いている会社は固定残業制でしょうか?
私は、似たような状況でサービス残業をさせられたことがあります。すぐ辞めました。バイトにサービス残業……?
固定残業制は悪か?
固定残業制とは、
「予めこのぐらいは残業するだろう。」という予想を基に、最初から一定時間分の残業代を給与に含めておく制度です。
例えば、固定残業40時間なら、
30時間しか残業していなくても40時間分の残業代を貰えますし、50時間働いたなら、超えた10時間分は追加で支払わなければいけません。
つまり、本来は、
「残業代を払わなくていい制度」
ではなく、
「残業代計算を簡略化する制度」
なんですね。
この制度にも当然メリットがあります。
例えば、
働く側は毎月どのぐらいの給料になるのか分かりやすいですし、営業職のように直帰が多い仕事でも、ある程度安定して残業代を受け取ることが出来ます。
だから、本来の意味では、固定残業制そのものはそこまで悪い制度ではありませんでした。
問題は、運用です。
例えば、
固定残業40時間と書いてあるのに、
40時間を超えた分を払わない。逆に、
40時間未満だからと言って、実際に働いた残業代すら払わない。
そんなケースが昔から問題視されています。
もちろん、こんな事は法律上許されていません。
働いた分の賃金を払う。
これは労働の大原則です。
ただ、こういう問題って、
「昔のブラック企業の話でしょ?」
と思うじゃないですか。
しかし、参考文献を調べると、2014年の時点で既に固定残業代の不透明さは問題視されていました。
しかも、2026年の今でも、
サービス残業や隠れ残業の話は普通に出てきます。
つまり、
問題の形が変わっただけで、
根本の構造はそこまで変わっていないのかもしれません。
新卒給料の話
私が一番怖いと思っているのが、新卒採用です。
例えば、
・初任給40万円
(固定残業代含む、その他手当あり)
・完全週休二日制(土日祝休み)
こういう求人があったらどうでしょう。
正直、私はちょっと魅力的に見えてしまいます。
しかし、よく見ると、
固定残業80時間。
しかも、
「早期管理職登用あり」
とか書いてある。怖すぎません?
80時間残業って、月20日出勤だと、毎日4時間残業です。
つまり、
8時間労働+4時間残業。毎日12時間労働です。
しかも、通勤往復2時間なら、
実質16時間近く仕事関連に時間を使う事になります。
私はたまにやりますけど、
それはそれとして、普通にヤバい働き方です。
しかも、
「その他手当あり」その他ってなんですか?謎すぎる。
名ばかり管理職問題
実は、
「名ばかり管理職」
という問題があります。
本来の管理職とは、
出勤時間をある程度自由に決められる
業務の決定権を持つ
経営に近い立場
など、普通の社員より強い権限を持つ立場です。
その代わり、
残業代制度の対象外になる場合があります。
しかし現実には、
権限はない
決定権もない
でも管理職扱い
というケースがあります。
つまり、
「残業代を払わなくていい役職」
として使われてしまうんですね。
なぜ企業はこうするのか?
理由は単純で、
人件費を抑えたいからです。
例えば、
労働者側が制度をよく理解していなければ、
追加の残業代請求がされない場合があります。
さらに、
長時間働かせる事が出来れば、
企業側は少ない人件費で多くの労働力を得ることが出来ます。
そして最近大きいのが、
「高給に見せやすい」
という点でしょう。
例えば、
初任給40万円。
この数字だけ見ると、かなり魅力的です。
しかし、その中身を見ると、
固定残業80時間
各種謎手当
早期管理職
みたいな構造になっている場合もあります。
逆に、楽天の求人票などを見ると、
学部卒:350,000円(月給) 院卒:360,000円(月給)
※月給には40時間相当の固定時間外手当を含む。
月40時間を超えた時間外労働については、別途時間外手当あり。
(例 350,000円(月給)の内訳:基本給 265,823円+40時間分の固定残業代84,177円)
こう書いてあります。
「基本給はいくらで、固定残業代はいくらか」
がかなり丁寧に書かれています。
同じ固定残業制でも、
透明性が全然違うんですね。
まとめ
固定残業制は、
本来「悪の制度」ではありません。
適切に運用されているなら、
働く側にもメリットがある制度です。
しかし現実には、
残業代節約
長時間労働の固定化
高給に見せるための演出
などに使われてしまうケースがあります。
だからこそ、
求人票を見る時は、
「給料が高いか」
だけではなく、
「その給料の中身はどうなっているのか?」
を見ることが大切なのかもしれません。
実は、これは前編、次回は教師の固定残業制の話をします。
ではまたねー
参考文献
財経新聞 閲覧日 2026/05/20 16:32:16
https://www.zaikei.co.jp/article/20141001/216099.html?utm_source=chatgpt.com
建設業2024年問題から2年で残業規制も6割がサービス残業の実態 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
「残業」に関する調査 7割の企業が残業対策を実施も減少幅は0.3時間止まり—doda調べ|HRzine
