記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【映画レビュー】『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』

 公開初日ー!(昨日)

 見てきました、「スパイダーマン」最新作。なんだろう・・・何を書いてもネタバレになってしまうので、この先は注意して頂きたいのですけど、とにかく“ほっこり”した。こんなに“ほっこり”なスパイダーマンはじめて! とにもかくにも、めっちゃ良かった!!です。

 マーベルが手掛ける「MCU」における38番目の作品で、スパイダーマンのレーベルに限って言えば、4作目。前作「ノー・ウェイ・ホーム」のラストで世界中の人々の記憶から消えてしまったスパイダーマンことピーター・パーカー(トム・ホランド)のその後の活躍を描いています。
 監督は、前3部作を手掛けたジョン・ワッツから、「シャンチー」や「ワンダーマン」を手掛けたデスティン・ダニエル・クレットンに交代となりました。


あらすじ

 世界中の人々からスパイダーマンにまつわる記憶が消えて4年。ピーター・パーカー(トム・ホランド)は、相変わらずニューヨークを拠点に自警活動を続ける一方、かつての親友であるMJ(ゼンデイヤ)とネッド(ジェイコブ・バタロン)への思いを無くすことなく、日々孤独とも格闘している。
 そんなある日、ダメージコントロール局を戦車が強襲。しかし、戦車に乗っていたのは、何者かに体を乗っ取られた状態の老婆だった。正体不明の敵を取り逃してしまったピーターは、ニュー・アベンジャーズのブラック・ウィドウ(ローレンス・ピュー)を頼ってその行方を追おうとするが、時同じくしてピーターの身体に異変が生じて・・・

 

感想

「良かったね!」としか言いようがない

 いや、もうホンマ、これしかないって感じで・・・

 「スパイダーマン、良かったね!!」って、「苦しい4年間だったよね!!」って、背中をさすってやりたい思い。世界から忘れられて、それでも苦しく戦い続けてきた男が報われて、そしてヒーローとしてさらに覚醒するという素晴らしい筋書き。見たかったものドンピシャすぎました。

頑張った!! 頑張りすぎだって!! スマホ首なるよ!!

 スパイダーマンに限らず、スーパーヒーロー作品の魅力って、やはりド派手なアクションであったり、最先端技術のスゲーCG映像だったりすると思うんですが、「スパイダーマン」について言えば、「そんなものは良いに決まっているので、ピーターがあの後どうなったのか教えてくれよ!!!」って感じで、私としては、お話がどう転ぶのか、登場人物の関係性がどう変遷していくのかを特に気にしていたんですよ。そこにキチンと答えてくれる物語だったことは、とても嬉しかったです。

 自分の“大いなる力”が原因となって、結果メイおばさんを失ってしまったピーターは、かつての親友たちとの関係修復に踏み出せぬまま、孤独にヒーローとして活動する道を選ぶ。MJとネッドが大学生活を謳歌する一方で、一人暮らしのきったねえ部屋で装備改造や慣れっこになった緊急通報に駆け付けまくる日々。もうスコーピオンとかトゥームストーンとか、逆にちょっと仲良くなっちゃったし!みたいな。(そんな描写はない)

10年ぶりぐらいに再登場して心なしか楽しそうなスコーピオンさん(出番多め)

 この辺のピーターのちょっと影のある姿がとても印象的です。前作まではなんだかんだでティーンエイジャー・ヒーローだったんだなって。良くも悪くも、大人になったピーターの姿に微妙に芽生える親心・・・

 ただ、ずっとソロ活動していたわけでもないようで、ちょっとばかし仲間意識が芽生えている奴もいる。それがパニッシャーだ。

 

丸くなった処刑人=パニッシャー

いやどんなツーショットだ

 ていうか、人選間違えすぎだろ。こいつだけはねーって! 半分ヴィランだから(!?)

 とはいえ、ピーター的にもヤバいやつという認識はあるようで、重火器をぶっ放すのを止めてみたりとかもしている。にしても、こんなん噛みあうんかな・・・と最初は不安しかありませんでした。だってこいつ、デアデビルと不殺云々でめっちゃ揉めてたからね。今作がそういう流れになっても全然おかしくないわけで。

 しかし、結果的には、パニッシャーことフランク・キャッスルについても、「良かったね!!!」としか言いようがないところに落ち着きました。映画を見る前は全く信じられなかったんだけど、いやはや神がかった人選だったと思います。デアデビルでも、ジェシカ・ジョーンズでも、ルーク・ケイジでもこうはならんだろう・・・と。

 今作のフランクは、なにかと重火器をぶっぱなしがちな危険人物というところは変わらないものの、困った時はナイスタイミングで助けてくれるおじさんでありつつ、ハルクにビビってみたり、射撃ミスったり(致命的)、病院でスパイダーマンの仮装してはしゃいでみたりする面白おじさんでした。まとめると、「重火器ぶっぱなし面白おじさん」。丸くなりすぎだろ。でも、フランクの壮絶なオリジンを知ってしまった身としては、「ここまで来れるんだ・・・」という感慨が完全に上回ってます。おじさん、良かったね・・・若い友達が、できて!


サプライズ満載な他のキャラ達

 スパイディとパニッシャー以外の登場人物についても、色々思うところがありすぎます。まずはハルク。

良い画像、なく・・・

 よく考えたら・・・一番かわいそうなのハルクだな。ここまで、「良かったねえ!!」とか書きまくったものの、ブルースは良いことなんもないじゃん。良い弁護士知ってるけど、あいつ今刑務所だからな・・・。どうやって社会復帰するのか、心配。駆け足でもなんでもいいから、劇中で救われて欲しかったな。

 あと、今作のメインヴィラン、公開日まで完全シークレットだったこともあり、かなりのサプライズでした! セイディー・シンク演じるのは、X-MENでの活躍が有名な「ジーン・グレイ」。これまでもX-MENキャラはちょくちょく出てきましたけど、まさかジーンがヴィラン側からアプローチしてくるなんて、誰か想像できた?
 年末の「ドゥームズデイ」には、既にチャールズやガンビットの参戦が決定しているんですけど、ジーンも含め、X-MENサイドがどんな感じで関わってくるのか全く予想ができません。彼女もまた、スパイダーマンに救われて「友」と呼べる仲になった人物だと思うので、再共演が今から楽しみ。

 ディフェンダーズ・サーガを現在進行形で追っている身としては、「ヤミノテ」にも触れざるをえないでしょう。

君たち、まだニューヨークにいたんやね

 今回の映画では、「ハンド」という呼称になっていますが、「デアデビル シーズン2」に登場した「ヤミノテ」と同一と捉えて問題ないようです。こんな感じ(↑)ではっちゃけとるけど、その正体は「指導者を失って路頭に迷っていた青少年たち」らしく、スパイダーマンに懲らしめられた後は、ダメージコントロール局へ協力する立場になっているという説明がありました・・・が、無理ありすぎやろって。ちょっと言い換えたら、ダメージコントロール局が野生の忍者を捕まえて手駒にしてるってことやからね。「龍が如く」で倒したヤクザを味方にするノリ。案の定、良い感じで再度敵に回っていきよるしね。

 未見だけど、ヤミノテは「アイアン・フィスト」にも「ディフェンダーズ」にも出てくるらしいんですよね・・・ ここからさらにどんな便利設定が盛られるのか、今から楽しみ、かな・・・(?)

 

 という感じで、メインどころに順番に触れていくだけでも字数がこんなに・・・。他にも、なぜかずっと風呂に入ってるフローレンス・ピューとか、フィスクの秘書が市長になっとるー!とか、小ネタは他にもたくさんあるんですけどね。

 

一本の映画としての完成度

 映画全体をもう少し俯瞰して捉えた感想も書いておきます。

 一言で言えば、めちゃ完成度が高いと思いました。MCUは、シリーズモノである都合上、他の作品を参照しなければ話が全然分かんないとか、重要な部分は続編にほぼ投げっぱなしとか・・・まあ、なくはないんですけど(それがめっちゃくちゃダメとは言ってませんけど)、今作について言えば、前提知識は必要なものの、他作品とはあくまで“クロスオーバー”の範疇を超えない関わり方に留めていると思います。加えて、今後へのシリーズ/続編の布石を打ちながらも、ひとつのお話としてキレイにまとまっている点も嬉しかったですね。

 約2時間半という長丁場ながら、長さを全く感じさせない密度の濃さで、それは展開だけでなく、演者たちの感情の密度の為す業かなという感触もありました。

 トム・ホランドは、ピーターの成長とシンクロするように、大人な演技に磨きがかかったと思うし、記憶(一部)喪失&別キャラ憑依といった複雑なシチュエーションのニュアンスを全く零さないゼンデイヤも見事です。ゼンデイヤは、特にピーターにまつわる真実を知った後のムーブが本当に完璧で、全投球ストライクを決めてくるような凄みがありました。ゆえに、ピーター、MJ、ネッドの3人の時間が、短いながらも心にぶっ刺さる・・・

 あとは、“大いなる責任”という例のアレの再解釈もアツかったですね。いまや半ばネットミームのような用語と化していて、「ヒーローは曇ってなんぼ」ぐらいの雑解釈もまかり通っていますが、そうじゃないぜ!と心の中のメイおばさんがピーターを諭すシーンは涙無くしては見れません。

ピーターに“花を買う習慣”がついたの、めっちゃ心に来るよね

 

おわりに

 本作を通じて、真の意味で“親愛なる隣人スパイダーマン”というヒーローになったピーターの次の活躍は―――どうなんでしょう、やっぱりドゥームズデイで大きな役割がある感じでしょうか。
 単独5作目も噂されていますが、これもやるなら是非見たい・・・と言いつつ、本作が非常に完成度の高い内容だったので、「次こそまた曇り展開クルー?」とか邪推もしてしまって、ちょっと純粋に楽しみに思えない自分もいたり。

 ともあれ、緩やかな下り坂が続いていたMCUも、本格的に上向いてきた感じがします。年末にもまだ続きが見れるなんて、幸せにもほどがある! ドゥームズデイ、首を長くして待つこととします。

また見たい、この構図

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集