見出し画像

杉木の練習メニューのはなし

懲りずに柳の下のドジョウを何匹でも狙う小野である。
10DANCEの話は主に後半でしている。

さて、今回はワルツの足形であるナチュラルターンから話をしようと思う。
社交ダンスをやってるならこれをやらない人はいないと断言できる足形その1である。
しかし英国の教師協会であるISTDが発行している社交ダンスの教科書Revised Techniqueのワルツの項に最初に載っている足形かとおもいきやそうではない。

最初に載っているのはクローズドチェンジと言う足形で耳慣れない人も多いと思うが、これは要はボックスステップのことである。
ボックスステップと言われても「はて何のことやら」と思う人には、映画10DANCEの杉木の教室でのシーンを想像してもらいたい。
主演俳優さんたちが鏡の前で行っていた前進から足を横に出して揃える、後退から足を横に出して揃える、と延々と繰り返していたあの動きを思い出してもらえればよいと思う。
これをやっている人を外から見ると四角形に動いて見えるので、俗にボックスステップと言う。

学連では最初にやらされる基本的なトレーニングの1つで右回りをナチュラルボックス、左回りをリバースボックスと言い、略してナチュリバボックスなどと言っていた。
これは単にボックスステップを右回り左回りでやると言うことではなく、ナチュラルターンをボックスのように行うのでナチュラルボックス、リバースターンをボックスのように行うので、リバースボックスという名前になっている。
本来ならクローズドチェンジで回転量がないはずの動きにナチュラルターンリバースターンの回転を足してしまうのでボックスと言うにはやや違和感がある形になるはずなのだが、そこは若さゆえの無知で90度回転で押し通していた。
しかしナチュラルターンやリバースターンは本来135度回転なので、そもそもこの動きはほぼ間違っていると断言できる(90度回転になって良い例外もある)。
学連のときのトレーニングにはこういう基礎知識を知らない人が作ったであろうものが多数あり、そんなことは全く知らない僕は全力で取り組んでいたものだが今考えても本当に回り道をしたなと思うことが多々ある。
さらにいつもの倍以上は無駄に気力と体力と根性が試される夏合宿となると、このナチュリバボックスを合計1時間ぶっ続けで行うと言う今考えてもダンスに何の関係があるのか意味がわからないトレーニングをやっていた。
多分あれで鍛えられるのは気力と体力と根性だけで、技術的には何の意味もなかった、むしろマイナスですらあったであろう事は言うまでもない。

しかしその一方であのトレーニングを超えた後のみんなの一体感はと言えばとんでもないもので、部活動と言う集団団体活動においては欠くべからざるピースの1つであったとも今なら思える。
あの夏合宿の日々は相当にきつかったが、それで得たものは確かにあった。
ただ、あそこで付けた無駄に悪い動きを修正するのにかなりの時間とお金をかけたのも事実だ。
まあさらに言うならあくまで今ならそうも考えられるのであって、当時の僕にはただの嫌なトレーニングメニューでしかなかったのだが……。
そういう意味で愛憎相半ばする足形なのは間違いない。
ナチュリバボックスには学生時代の僕の汗と涙と鼻水が詰まりに詰まっている。


ここからは10DANCEの話である。

ここから先は

668字

¥ 1,000

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?