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「Will-Can-Must」フレームワークで組織課題は結構解決できる


【はじめに】「なぜこの会社で働くのか」への回答を持っていますか?

誰もが自由にキャリアを選択できる「大転職時代」。選択肢が無限に広がる一方で、私たちは常に「なぜ今の組織に身を置いているのか」という問いに晒されています。この問いに対し、自分自身が腹落ちする答えを持っていないと、キャリアの軸は容易に揺らいでしまいます。

そこで重要になるのが、リクルートなどの先進的な企業で長年活用されている「Will-Can-Must」というフレームワークです。今回は、この3つの円をどう解剖し、いかにして「自分らしいキャリア」と「組織への貢献」を両立させるべきか、その本質について深く考察します。


1. Will-Can-Mustの解剖:個人の「意志」と「現在地」を知る

このフレームワークは、以下の3つの要素で構成されています。すべての起点は「個人」にフォーカスすることから始まります。

  • Will(やりたいこと): 自分の意志、意欲、モチベーションの源泉。タスクベースの具体的なやりたいことから、抽象的な「こうありたい」という理想まで、まずは風呂敷を広げて定義することが重要です。

  • Can(できること): 現在持っているスキル、知識、経験。これは自分の「現在地」を知るための指標です。転職活動においても重要ですが、ここを正確に認識できていないと、自己認識に「上振れ」が生じ、キャリア形成に失敗するリスクがあります。

  • Must(やるべきこと): 組織から求められているミッションや役割。会社員として果たすべき義務であり、期待されている成果に直結します。

これら3つを言語化できている人は意外にも少ないのが現実です。しかし、これらを客観的に把握することこそが、健全なキャリアの第一歩となります。


2. 「3つの円」が重ならないときに起こる弊害

この3つの円の重なり具合によって、私たちの仕事のコンディションは劇的に変わります。

Will × Can(情熱はあるが、期待されていない)

自分が得意でやりたいことではあるものの、組織や顧客から求められていない状態です。例えば、営業担当者が「自分の好きな顧客のところばかり訪問してしまう」のはこの典型です。自己満足に陥りやすく、組織的な評価には結びつきにくい領域です。

Can × Must(能力もあり成果も出るが、情熱がない)

「作業・業務・義務」の領域です。能力を発揮して成果も出しているため周囲からは重宝されますが、本人に情熱(Will)がないため、燃え尽き(バーンアウト)や、突然の離職を招きやすい危険な状態と言えます。

Will × Must(情熱も期待もあるが、能力が足りない)

いわば「夢物語」の段階です。やりたい気持ちがあり、会社からも期待されているが、実力が伴っていない。しかし、これは決してネガティブな状態ではありません。足りないのは「Can」だけなので、修行や自己研鑽によって解決できる「成長の伸びしろ」であると捉えるべきです。


3. 「最高のキャリア」とは、3つの円を最大化させるプロセス

最も理想的なのは、Will・Can・Mustのすべてが重なり合う領域を広げていくことです。

モチベーションが高く(Will)、自分の能力を最大限に発揮し(Can)、それが組織や社会への貢献(Must)に直結している状態。この領域で働くことができれば、本人の幸福度は最大化し、組織のパフォーマンスも飛躍的に向上します。

私自身の課題を例に挙げれば、現在は「社会的な認知や資本」というCanが不足しており、Will(やりたいこと)を実現するための力が追いついていないと認識しています。このように、自分に何が足りないのかをフレームワークに当てはめて冷静に分析することで、次に打つべき手(自己開発のタスク)が明確になります。


おわりに:自律的なキャリアを歩むための「問い」

MBO(目標管理)やOKRを運用する際も、このWill-Can-Mustの視点があるかどうかで、その実効性は大きく変わります。会社と従業員の間でこの3つの円に対する認識の乖離がなければ、人は簡単には辞めませんし、パフォーマンスは自ずと上がります。

あなたは今、自分の3つの円がどこで重なっているか、明確に答えられるでしょうか?

まずは月に一度でも、このフレームワークを使って自分自身の「棚卸し」をしてみてください。WillとMustを繋ぎ、不足しているCanを埋めていく。その地道な言語化の繰り返しが、不確実な時代において、あなたを「替えの効かない存在」へと押し上げてくれるはずです。

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