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🪂開発者向け最新Google AIエージェントコースを徹底解説: エージェントツールとMCP

昨年のコースでは、生成AIのアーキテクチャに焦点が当てられていました。特に Day 2 では「Embedding(組み込み)」や「ベクターデータベース」といった、生成AIの中核を成す仕組みを理解する内容が中心でした。

一方で、今年の「5日間で学ぶ AI エージェント集中コース」の Day 2 ではテーマが大きく変わり、「ツール」と「MCP(モデル・コンテクスト・プロトコル)」に焦点が移っています。昨年は「ツール」という言葉は出てきても、MCP についてはほとんど触れられていませんでした。これは、MCP 自体がまだ新しい概念だったこともありますが、今年はそれを実際のエージェント開発にどう活用できるかという、より実践的な内容に踏み込んでいます。

ただ、この変化は同時に AI がより「ブラックボックス化」していく流れも感じさせます。理論や構造よりも、実際に動くものを作ることに重点が置かれることで、AIの内部メカニズムを学ぶ機会が減っているようにも思います。Embedding とベクターストアこそが、あらゆる生成AIやエージェントの“中核”を支える基盤です。

しかし最近では、これらの仕組みは多くのフレームワークやツールの内部に隠れ、開発者が意識しなくても使えるようになっています。便利になった一方で、その動作原理を深く理解するエンジニアが減っているのも事実です。
Embedding とベクターデータベースは今でも AI 開発の“基礎インフラ”であり、その仕組みを理解しているかどうかで、AI を「使う」側から「創る」側へと踏み出せるかが大きく変わると考えます。

一方で、今年の Day 2 で登場する MCP(Model Context Protocol) は、これらとは全く異なる役割を持ちます。
MCP はモデルやエージェントが外部のツールやデータソースと安全かつ標準化された方法で通信するための“プロトコル”であり、Embedding のように情報を検索・理解する仕組みではありません。

つまり、Embedding/ベクターストアが「AI の記憶や文脈理解」を支える技術だとすれば、MCP は「外部世界との橋渡し」を担う仕組みなのです。


🔨今年のAIエージェント開発のテーマは【ツールを使うAI】

Google ADKやHugging Face Agentsのようなフレームワークでは、エージェントがAIモデルと外部のサービスを繋ぎ、ツールを呼び出してタスクをこなす仕組みが整ってきています。その中心にあるのが「ツール」と「MCP」です。

🪛エージェントでいうツールとは?

エージェントツールとは、AIモデルが自分の知識だけでは処理できない作業を行うために呼び出す「外部機能(関数やAPI)」のことです。
ツールには大きく2種類あります:

  • 🧮 関数ツールローカル環境内の関数を呼び出すための仕組み。
    例)為替レートを計算する、自作データを整形するなど。

  • 🌐 MCPツール:MCP(Model Context Protocol)経由で外部サーバーに接続し、KaggleやEverythingなどのデータソースやAPIを利用するための仕組み。
    例)Kaggleのデータセットを検索・取得する、画像生成ツールにアクセスするなど。

# --- FunctionToolを使ったカスタムツールの作成例 ---
from google.adk.tools.function_tool import FunctionTool

# シンプルな為替計算関数を定義(USD→INRの換算)
# 実際のレートは動的に変わるので、ここでは例として固定値を使用
def convert_usd_to_inr(amount_usd):
    return amount_usd * 83.12  # 為替レート例

# 上の関数をツールとして登録
# name(ツール名)、description(説明)、function(実際に呼び出す関数)を指定
conversion_tool = FunctionTool(
    name="usd_inr_converter",
    description="Convert USD to INR(米ドルをインドルピーに換算)",
    function=convert_usd_to_inr,
)

こうしたツールをエージェントに渡すことで、AIが自然言語の質問から自動で適切なツールを実行できるようになります。

🧰モデル・コンテクスト・プロトコル(MCP)とは

MCPは2024年後半から注目されている新しい接続プロトコルで、
エージェントがあらゆる外部サービスと安全かつ共通の方法で通信できるようにする標準仕様です。

もともとは Anthropic(アンスロピック) によって提唱され、
その後 Hugging Face が「自分のAIエージェントをMCP対応にするためのガイド」を公開。そして今、Google も独自の形でこのMCPの流れを取り入れ、開発者が自分の環境で体験できるようにしました。

MCPは「どの会社のAIでも共通の言語で外部ツールとつながる」という大きなビジョンをもつプロトコルで、来年はさらに各社の実装競争が本格化しそうです。

# -------------------------------
# Kaggle MCPサーバーへ接続する例
# -------------------------------

# Google ADK(Agent Development Kit)のMCP関連モジュールをインポート
from google.adk.tools.mcp_tool.mcp_toolset import McpToolset
from google.adk.tools.mcp_tool.mcp_session_manager import StdioConnectionParams
from mcp import StdioServerParameters

# ------------------------------
# ここでは "npx mcp-remote" コマンドを使って、
# Kaggleが提供するMCPエンドポイント(https://www.kaggle.com/mcp)に接続します。
# MCPは「AIエージェントが外部ツールと安全に通信するための共通プロトコル」です。
# ------------------------------

kaggle_server = McpToolset(
    connection_params=StdioConnectionParams(
        server_params=StdioServerParameters(
            command="npx",
            args=["-y", "mcp-remote", "https://www.kaggle.com/mcp"],  # KaggleのMCPエンドポイント指定
        ),
        timeout=30,  # 接続が応答しない場合のタイムアウト(秒)
    )
)

このように、MCPを使えばKaggle、GitHub、または社内データベースなどのサーバーとも標準化された形式で接続できます。MCPは「AI専用API」のようなもので、外部関数やサービスへのアクセスをモデルが安全に自動化できる仕組みとなっています。

🤖LlmAgentによる「知能の中核」構造

MCPツールが外部世界との接続部分ならば、LlmAgentは思考や判断を担う脳にあたります。ここではGoogleの最新モデルGemini 2.5 Flash Lite を使い、Kaggle MCPサーバーと連携できる知的エージェントを生成します。LlmAgentは、モデル・ツール・インストラクション(システムプロンプト)の3要素を組み合わせて、「どんな知能を持ち、どのように行動するか」を定義する中核部分です。

# ------------------------------------------------------------
# MCPツール(kaggle_server)は、前のステップで作成済みと仮定
# ここではAIエージェント(LlmAgent)に統合して使います
# ------------------------------------------------------------

root_agent = LlmAgent(
    model=Gemini(model="gemini-2.5-flash-lite"),
    name="kaggle_agent",  # このエージェントの名前
    instruction=("""
        あなたはKaggle MCPツールを使って、
        データセットやノートブック情報にアクセスするAIアシスタントです。
        必要に応じてMCP経由で情報を取得してください。
    """
    ),
    tools=[kaggle_server]  # ここでMCPツールを統合
)

print("✅ Kaggle MCP エージェントが作成されました。")

🧩仕組みの流れ

1️⃣ ユーザーが自然言語で依頼する
2️⃣ エージェントが意図を解析して適切なツールを選ぶ
3️⃣ MCPなどのプロトコルを介して外部システムを呼び出す
4️⃣ 結果を再び自然言語で整理して返す

この一連の流れにより、AIは単なるテキスト出力モデルから実際に行動できるエージェントへと進化しています。

🔮2026年の注目点

  • MCP対応サーバー(すでにKaggle、Everything、GitHubなどが存在)が次々と登場

  • ADK Web Interfaceでのローカルエージェント実行が容易に

  • “関数の呼び出し”から“ツール・オーケストレーション”へ — 複数ツール連携の時代へ

🪇まとめ

AIエージェントは「自ら考え、行動する」存在へ日々ものすごいスピードで進化しています。そのカギを握るのがツール・MCP利用、そしてDay 3に登場するコンテクスト・エンジニアリングです。

これからのAI開発は「どんなモデルを使うか」よりも、「どんなツールとどうつなぐか」が重要になっていくと考えられています。

次回のNote記事ではDay 3のコンテクスト・エンジニアリングとメモリーについて解説していきます。


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